人材の流動化が進む昨今では、リスキリングなどの自己研鑽が必要ですが、同じ位必要なものが投資家目線で会社を見る力です。

 投資家目線で会社を見るということは、その会社の将来の成長の可能性を考えることになります。また、その会社を競合と比較し、優れている点、劣後している課題を見ることになります。

 そのように会社を見ることで、「自分がその会社で勤め続けるのか?」という問いに対する答えが見えてきます。

 「この会社は成長する。そのためには、人材のスキルアップが必要。会社の成長に置いていかれないように、頑張って勉強しよう。そうでないと外から来た人にポジションを奪われてしまう。」

 と考える人が多い会社は伸びていくでしょう。


 一方で、
「この会社のビジネスモデルはやばい。この会社にいても明るい展望が描けない。自分の成長意欲より、会社の成長意欲が劣っている。」

 という考えを持っている社員が多い会社は、せっかく採用した人材のうち、モチベーションが高い人材ほど、どんどん流出していくでしょう。

 ただ、そもそもそのような衰退傾向の会社に入ってしまったのは、自分の目利きが悪いからです。投資家目線で会社を見る力があれば、もうちょっと居心地の良い会社に入れたかもしれません。


 会社の成長スピードと自分の成長スピードを比較し、速度が合っている場合は、その会社の居心地が良く、ここにミスマッチがあると、不快感が生じます。バリュー株的な成長スピードがちょうどいい人と、グロース株のそれがちょうどいい人と、それぞれです。

 もちろん熱血サラリーマンのように「俺がこの会社を変えるんだ」という考えをもっている人はいますが、会社を変えるより、自分にとって成長速度がちょうどいい会社に移る方が合理的です。


 これからの時代は、会社から会社への人の移動が激しくなります。
 だからどんなスキルを身につけていくかが大事になります。20代の若者に聞くと、転職が当たり前というキャリアプランをよくききます。

 ただ、転職時にはただ給与が上がる会社に移ったり、役職が上がる会社に移るだけではなく、その会社の成長性を見極めることが大切です。

 これからの時代は、投資家目線で会社を見て、自分の成長意欲に合う会社を探す力が必要になります。


 この点を学べるのが株式投資です。積立理論は1時間で学べますが企業を見る力は一朝一夕では身につきません。だから、学生時代から株式投資を学ぶ必要があります。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


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