コロナ禍で萎縮していた様々な活動がようやくコロナ前の状態に戻ってきた。
オンライン化が進展してきた企業のIRも徐々にリアルなアナログな活動も見られるようになってきた。
そんな折、17日に筆者はある上場企業の工場見学会に参加した。
それは日創プロニティ(3440)という福岡に本社を置く加工の総合企業を標榜する企業の福島工場。所在地は福島県石川郡石川町で敷地面積が4万1418平米という規模の工場。ここでは様々な金属加工を行う同社の東日本をカバーする一大拠点で、操業開始は2014年3月。東日本大震災後のソーラー発電固定買取り価格(FIT)制度の下で需要が急増した太陽電池アレイ支持架台の製造拠点ともなり同社の業績拡大に貢献してきた。
同社はFIT需要の一巡の一方で今後の需要拡大が見込める金属サンドイッチパネルの生産拡大を図るために15億円を投じた第一工場に続いて18億円を投じて第二工場を昨年2月に竣工。今後の関東圏での需要拡大に対応する計画。福島工場のフル操業では将来的な売上規模150億円が期待される。
現在の工場従業員数は正社員36名、うち女性は13名、派遣社員30名という体制。今回は初めての工場見学会とのことでしたが、従業員の皆さんにもとても暖かく迎えて頂きました。
会社側からは石田社長を初め工場の責任者でもある松尾取締役、IR担当役員である諸岡取締役、IR担当の福田さんという皆様、それに前述の従業員の皆様に暖かく迎えて頂き、お世話になりました。
工場の設備で目についたのは赤色のアマダのタレパンなどの最新鋭マシンでした。同社では今後も効率的な生産を図るためにマシンの統一を図るという話でした。
福島工場は今後の市場拡大の中心でもある首都圏から200キロ圏内に位置しており、今後の需要拡大が想定される橋梁土木用金属サンドイッチイッチパネルの一大生産拠点となるものと見られます。第二工場ではこの橋梁土木用のパネルNCルーター加工機が稼働。筐体フレームや建築構造物部材の加工設備であるヤマザキマザック製の長尺パイプ形鋼3Dレーザー加工機の稼働状況を拝見することもできました。残念ながら設備制御プログラムの不具合発生で耐火パネル、不燃断熱パネル生産ラインの稼働は来年の4月からになりましたが、今後の生産拡大に向けた体制ができている状況である点を確認させて頂きました。
同工場では従来の板加工に加え、新たな形鋼加工にも進出し、あらゆる金属加工をワンストップで行える体制を強化。アイデア豊富なクリエーターの設計した金属加工品の受託生産、外販という新たなモノづくりにもチャレンジしようと考えています。
工場見学を終えた後は参加者からの質問に対し、石田社長以下役員の皆さんからの丁寧なご回答を頂きました。そこでは活発化してきたM&A後の事業展開、様々なシナジーが生まれそうなことなどお話を頂き、参加された皆さんの印象に残ったものと思います。
同社の株価は現在740円。時価総額は48億円台に留まっていますが、今回の工場見学を通じて、また改めて同社の事業価値、企業価値への認識を新たにすることができました。既に現在の中期計画の最終年度である来期業績の方向性に加えてその後の新中期計画の方向性も個人的には朧気ながらも把握できました。皆様も是非ともご関心を持って頂きましたら幸いです。
(炎)
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