上場を実現した企業への評価が投資家の役割ではありますが、その多くは利益を伸ばせという市場参加者である投資家からの暗黙の期待に応えようとあくせくとビジネスに勤しむ姿があります。
先週12日は決算発表のラッシュでした。これまでの業績向上を示せた企業、これからの業績に明るい見通しを示せた企業だけではなく、厳しい結果と厳しい見通しを示していた企業。投資家の多くは単純に前者をポジティブに評価し、後者をネガティブに評価し、結果としては株価が上がるか下がるかの変動に繋がることになります。
3800もの企業の一つ一つを冷静に分析し皆様にズバリの方向性を示せれば良いのですが、なかなか物理的にも対応できることは限られています。それでも筆者は過去から現在まで注目してきた50銘柄程度は何らかの方向性を示していきたいと考えております。
現在、億の近道の読者数は1万人ほどかと思いますが、そうした読者の皆様のご期待に執筆陣が100%応えることはできませんし、そのことは読者の皆さん自身がよくわかっておられるものと思います。
そこでお願いベースで恐縮ですが、皆様から発表されている企業決算に対しての評価コメントをお送り願えましたら幸いです。
前段はここまでですが、本日は私が現在水面下で取り組んでいるいくつかの企業へのアプローチの中で先週末の山本さんの話に多少繋がる話をしたいと思います。
億の近道とともにこれまで素晴らしい活動を続けてこられた山本さんは株式投資の本質的な世界を探求されている日本でも有数の方であり、多くのファンがついておられます。
創刊してはや24年にもなろうかという億の近道ですが、メルマガというもはや、やや時代遅れともなりつつあるとの印象のあるメディアではありますが、コンテンツは普遍的な内容を含んでおり、根強い読者の皆様に支えられて参りました。
執筆者各位が様々な経験から得られた知見を本誌にてご披露頂いているものと思いますが、24年もの時間の経過はビジネスや技術、社会を大きく変えて来ましたし、これからもますます変化をもたらすものと考えられます。
その中で業績を大きく伸ばす企業もあれば衰退に向かう企業もあります。投資家の皆さんはそうした企業の活動をしっかりと見ながら、投資判断をされているものと思います。
様々な技術の視点ではこのところはAIが中心です。とりわけチャットGPTに代表される革新的な生成型AIの時代となる中で新産業が誕生しようとしていますのでワクワクされておられる皆さんも多いのではないでしょうか?
筆者もこの流れの中で、これまでいくつかの企業に注目して参りました。
代表的にはソフトバンクグループ(9984)のAI群戦略でしょうが、同社は残念ながら投資会社としての諸般の事情から業績の停滞を招いてしまっております。投資会社としての立ち位置からのAI企業への投資は評価されますが、であればアナログAIではなく、デジタルAIに銘柄選定まで任せてはどうなのか。
そんなことはともかくとして、先週はお台場ビッグサイトで開催されたAI人工知能EXPOに出向き、様々なAI企業の展示を見て参りました。残念ながらそのほとんどの企業はベンチャー型で赤字経営です。それに対して既に事業基盤が黒字になっている企業に注目しております。
一定のキャッシュフローを生んでいる中でそれを成長ビジネスであるAIに投資する企業に対し高い評価をしようと考えております。
その代表的な企業がアクセル(6730)です。この会社については過去何回か億の近道で取り上げてきたかも知れませんが、パチンコパチスロ業界向けのビジネスで得てきたキャッシュフローをAIなどの新規事業に注ぎ込むとのメッセージを熱く語っておりますので皆さんも一度ご確認下さい。
前期までの大幅な業績向上に対して今期は減益見通しを示してはおりますがAI企業としての位置付けからは株価低迷期こそ投資チャンスかと思います。
また、同様にコロナの中でオンライン教育が脚光を浴び株価がまさにテンバガーとなったものの直近では誰も見向きもしなくなって700円割れを演じているすららネット(3998)もAI技術を駆使したオンライン教材企業であり、いずれ見直しの可能性があります。
不登校問題や発達障害児童への対応は教育界のテーマでもある一方で、その対応方法として脚光を浴びつつあるのはオンライン教育です。AI技術を駆使して生徒個人個人に応じた対応ができるというのが面白いところです。その同社は宇宙をテーマなした探求型学習のコンテンツをNECの関係企業と開発をしているというのは興味深い話です。
今後も様々な企業とのタイアップで探求型学習コンテンツを開発する可能性も秘めており、筆者は近く企業訪問を予定してその話をお聞きしようと考えています。更には文科省が推進するGIGAスクール構想は一応は2020年に全小中学生への配布を終えていますが、2025年にはパソコンの入れ替えが予定されていますので、すららネットも最先端のコンテンツ開発に向けて動いているようですので、その動向にとても興味をもっております。
これらの企業は今期減益見通しを示しておりますが、技術革新を伴う社会の変化の中で新たな成長が期待されますので、中長期的なスタンスで継続的に注目したいと思います
(炎)
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