わたしの人生の勉強のほとんどは不登校生徒からの学びでした。
わたし自身が不登校であったわけではないのです。
ただ、単に、回りに不登校な生徒がいると、それがとても気になる少年でした。
彼はいま、一人で何をしているのかな?寂しくないのかな?
そう思うと、その子たちの家に放課後に遊びに行ったりしていました。
いつも感じていたのは、同居している家族が歓迎してくれること。
不登校生徒の家族は友達が訪ねてくることは嬉しいようなのです。
保育園と小中学校の同級生のひとりは、いまなお、「引きこもり」とご近所から言われています。わたしはたまに会いにいきます。でも、実は、彼はとても忙しいのです。認知症になった母親の世話を懸命にしています。
プータローやひきこもりという世間からの評価。親の介護のプロとしての彼の実態。この2つの認識のギャップは恐ろしく違ったものです。誰しもそのギャップに苦しむことがある。よりよい社会をつくるためには、そのことを、わたしたちは、学ばなければならない。
わたしたちの時代は、不登校をよしとしない時代でした。
4-5人の同級生たちと順番に不登校生徒の家に立ち寄り、今日は学校に一緒に行かないかと声をかけてから登校したものです。わたしのこの「癖」は高校時代も変わりませんでした。
わたしの「不登校」があったとしたら、それは大学時代から始まりました。
わたしにはどうしてもやりたいことがあったのです。好きでもないのに「つぶしがきく」という理由で法学科に入っただけで、特にやりたい勉強はありませんでした。
「大学で法律なんか勉強している場合ではない」と悟り、3年間、大学に行かなかった。大学の単位はとれませんでした。その間、ジャズピアノを練習していたのです。大学の所在地から何百キロも離れたところで暮らしていましたし、オンライン授業もない時代です。4年生の後期に夢破れて、ミュージシャンになることを断念。3年間の不登校生活は惨めな結末に終わりました。
気を取り直して5年生、6年生と順調に単位をとり、卒業したわけです。
法律には興味はありませんでしたが、法律は本当に必要なのかという哲学を専攻したのです。その哲学が面白かった。勉強が面白いと思った最初でした。
その後、学校の推薦もあり、大学院に2年間進みます。日本の大学院は英語の文献を沢山読むのです。それで、やるうちに好きになったのが英語でした。
何かひとつを3年間、みっちりやったことが、集中力を養ったのでしょう。
わたしの英語は独学に過ぎませんでしたが、証券会社入社時ではテストの点数では1番だった。人事部からそう聞かされました。
思えば人生には寄り道などないし、いや、寄り道こそが人生の彩なのかもしれないのです。
「毎日が遊びだ」。わたしが独立したときにはこれを社是にしました。
さて、今後ですが、松江では鍋田さんの不登校塾を手伝い始めて、28年目です。なにせ1980年代からお手伝いしていますから。NPOイノベーターズ・フォーラム(松田理事長)の理事を始めて23年目です。メルマガ始めて20年以上です。古株です。
NPOイノベーターズ・フォーラムは鍋田さんをスクール長にして、不登校のための優しくも尖ったスクールを今夏に開設することにしました。いま、ホームページなどを作っている最中です。
いまの時代に求められること。それは個性ではないでしょうか。
特に一芸を伸ばす、得意なもので尖ること、強みをさらに強くすることが求められる時代です。
つまり、不登校生徒が未来の主役になるでしょう!!
学校の言いなりになって、疑問も持たずに画一的な偏差値教育を受けた生徒たちは、その均一性そのものがオワコンです。このような没個性の集団は社会の役には残念ですが立ちにくくなっているのです。
感受性豊かな不登校生徒の尖った夢をかなえるために、NPO理事として微力ながら頑張りたいと考えております。このスクールでは、わたしは不登校生徒から人間というものの本質を学びたいと考えています。
もちろん、運用者として見えている世の中の仕組みや投資家というものの存在意義も伝えたいです。
子供たちは好きなことを職業にできる新しい時代であることを伝えたいですし、みなが知らない多数の職業があることをも紹介していきたいですし、わたしの専門である大学数学の魅力も伝えたいですし、英語を使って外資系で働くことの意味も教えたいと思います。
それよりも先に、まず、本人に寄り添い、話をじっくりと聞き、彼らから人生をもう一度、学びたいと思っています。
場所は小田原市の鴨宮南口5分のところで、学校名は鴨宮ホームスクールといいます。持ち出しになりますが、たんなる道楽やボランティアではなく、本気で応援するつもりです。
できましたらみなさまの応援もよろしくお願いします。
(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)
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