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 有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


=コラム「自分の欲望をコントロールする能力が死命を制する」
 (有料メルマガ第305回・2014/11/25配信号)

※2014年11月現在の内容です。留意してお読み下さい。


【前略】


 『損するリスク』を取るか、『儲けそこなうリスク』を取るかは、自分で判断することです。ただ、多くの投資家が株式投資で大きな損失を被る真の原因は、自分の強欲を制御しきれずに、投資を投機に変化させ、それに気付かないときに想定以上の相場の変動の大波をかぶり、損を拡大してしまうときに起こります。

 自己コントロールの出来ない投資家は、損を取り戻そうとして、より危険な投機を実行し、回復不能の損失を負ってしまうことも多いです。私の今年の10月末までの運用成績はプラスマイナスギリギリの状況でした。だから『損するリスク』は取れませんでした。もし、今年の運用成績が良くて大きく利益を上げていたら、『損するリスク』を取っていたと思います。

 自分の運用成績を冷静に判断して、取ってよいリスクと、取ってはいけないリスクを選択することが大事です。

 投資で失敗しやすい人は、損をしたときに、より『大きな損するリスク』を取って、実際により大きな損を受けてしまう投資家です。実際に破たんするような投資家は、そのようなリスクの取り方をした投資家です。

 投資で回復不能な巨額の損を負わないためにリスク管理が求められますが、どのような立派なルールを作っても、そのルールを破る自分がいては、リスクを管理することは出来ません。

 これまでのコラムでは、何度も株式投資を行って、それなりの成功を収めて大過なく生きのびていくためには、自分の強欲振りや臆病ぶりを把握しておくことも大事だということを書いてきました。

 過去に株式投資を実行したことがある人なら、自分の強欲が、いかに投資の成果を低めたかを、理解することが可能だと思います。

 過去の失敗、経験に学ぶ。これは投資ばかりでなく、仕事や家族関係など、人生のあらゆることで大切なことですが、過去を振り返らずに、過去の体験を良い経験に換える事ができない人が多いのは、残念なことだと思います。

 また過去に学ぶといいながら、とんでもないミス評価を行なって、強欲度をましてしまう、危険な投資家も多いです。特に「投資の勝ち組になるためには・・・」などという視点で過去を評価していたのでは、一時は成功しても、後に大きな景気変動や投資家の欲と恐怖が生み出す投資資産価格の大変動に、飲み込まれてしまう可能性が大きくなります。

 全ての投資家に当てはまるわけではないでしょうが、30年以上個人投資家として株式投資を行なってきた、私の負のパターンや私の目にしてきた投資家の負のパターンを、知っているのは良いことです。

 特に自分の負けパターンについては、しっかりと把握しておくことが大事です。

 私は今回、『儲けそこなうリスク』をとって、実際に儲けそこないました。この事実をどう評価するのかで、将来の運用力が変化します。

 失敗した。『損するリスク』を取るべきだったと考えたとしたら、私の将来の投資生活は不安になります。

【中略】

 自分で経験を大事にすることが重要です。市場で売買が成立するためには売りたい投資家と買いたい投資家がいて、売りと買いの株数が一致してはじめて売買が成立します。つまり常に反対の意見を持っている投資家が対峙しているのが株式市場なのです。

 損をしたいと思って投資をしている人はいないという前提に立てば、買った人は、更に株が上がると考えているわけであり、売った人は株価がこれから下がると考えているから売ったわけです。常に株式市場には反対のアイデア、意見を持った投資家がいる。そのことを忘れては危険です。

 市場では、その株に対する反対の見通しを持っている投資家がいるからこそ、売買が成立するのです。みんな自分の考えが正しいと考えて投資しているわけです。

 投資は独創性を競う競技ではありません。「株は美人投票と同じ要領でやればよい。自分が美人と思う人ではなく、みんなが美人だと思う人に投票するとよい」こんなケインズ先生の考えは、株式投資の本質を鋭く見抜いた貴重な意見だと思います。賛成する人も多いです。

 株式投資では、自分がいくら良い株だ、値上がりするだろうと買っても、他の多くの投資家が同じ判断をして買ってくれないと株価はちっとも上がらないことになります。だから多くの投資家が、この株はこれから上がりそうだと思える株を買うのがよいという考えは正しいと思います。

 しかし株価が思い通り買ってから直ぐ上がることは少ないでしょう。株価は上に下にサイクルを描いて動きます。自分が何も調べないで、投資すると、ちょっとの悪材料で株価が上がる前に損切りしてしまうことも多いのです。つまり自分でしっかりした考えを持って投資する必要があるのです。そして自分の判断を信じることが出来るなら、若干の株価の変動には耐えてホールドを続けるグリップ力が大事です。

 自分のグリップ力を強めるものは何か。その企業の出来高か、ファンダメンタルズか、株価チャートか、優待か。なぜか優待というとレベルが低いと思う投資家もいらっしゃいますが、優待だってバカにできない強烈な運用ツールです。

 いままでも、これからも日本の株式市場でも投資家の株価に対する判断が振り子のように揺れ動き、昨日大きく上がった企業の株が、今日は大きく下がってしまう。そんな乱高下状態が続いていくと思いますが、まだファンダメンタルズ的に日本株は安いという判断を基礎に、株への投資額は維持していこうと思っています。ただ選挙の結果が出る前には、一部を現金に換えて、キャッシュ・ポジションを高めようかとも考えているところです。


【後略】


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


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