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投資教育は生き方の教育

2023/03/22 23:33 投稿

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「投資教育は生き方の教育である」
このように私は思っています。

 億近読者のみなさんこんにちは。
 金融教育の専門家遠藤です。

 先日、町田市の公立中学校で金融教育の授業をしてきました。
 以前にも書きましたが、中学生や高校生向けに金融教育をする場合は工夫が必要です。

 なにしろ、学生は「面白くねー」「つまんねー」と思ったら寝るからです。
 私も学生のときはそうだったので、これは責められません。
 単位にもならない授業でつまらなかったら寝るしかないのは当然です。


 今回は、2つのカリキュラムをやりました。
 体験型にすることで睡魔と闘いました。
 1つは「お金を借りる体験」。
 もう1つは「投資する体験」です。

 お金を借りる体験は、「車を買うとして、いくらまでなら借りていいか」を考えてもらうというものです。「定められた収入や支出、貯蓄額の前提条件を基に、毎月の返済可能額を考える」というワークです。
 収入は月30万円、支出は月20万円、貯蓄は200万円などと設定しました。

 結構盛り上がりました。

 「車じゃなくてバイクでいい」「この設定は収入が少ないからもっと稼いでいい車買います」といった元気のいい意見もありました。その自由な発想を大人になっても持ち続けてほしいです。

 私が伝えたかったことは、お金は借りると「支払い義務が発生する」ということです。

 借金の返済は、貯蓄や生活費の支出よりも優先すべき事項なので、「借金をしすぎると苦しくなるよ」、というお話です。

 この点については、みんな理解してくれたと思います。
 多分、この授業を受けた皆は、借金のせいで道を踏み外さないと思います。


 2つの目のワークは、投資のワークです。
 株と債券と投信に投資をしてみよう、というサイコロゲームをしました。
 リスクは高い順に株、投信、債券の順になっていて、サイコロの運で勝ち負けが決まります。サイコロの目によって、景気の良し悪しが決まるようなルールにしました。
 チーム制でやったのですが、株をたくさん買ったチームが好景気で大勝ちをしたり、逆に不景気で大負けをしたり、という結果が出て、狙い通りの学習ができたと思います。

 もちろん、「実際の投資はサイコロでやるんじゃないからね」とも言ってあります。チンチロ教育ではありません。ご安心ください。(投資の世界にはサイコロジカルなんて言葉もありますが)

 サイコロで好景気、不景気を決める投資ゲーム。これを4クラスでやったのですが、面白い発見がありました。なんと「好景気ばかりが続く」ということもあったのです。サイコロに鉛は仕込んでませんので、運とはいえ「こんなこともあるんだなー」と思いました。

 学生さんには「このように皆儲かっている時が一番怖いんだ。確率論では損することがあることは覚えておいてください。」と伝えました。

 あと、債券の商品性も味わい深いものがありました。このゲームでは債券はサイコロに関係なく一定の金利が稼げる設定にしました。

 「金利は景気に関係なくコツコツ積み上がる」、このことはまるで人生の努力のようです。金利も努力もコツコツ積み上げれば、成功確率を50%より上に持ち上げられるかもしれない、という話です。努力の話は、くさすぎるので学生さんの前ではしませんでした。話自身の発見です。


 本当は、「資本コストを超えるリターンをコミットする企業が、高金利状態でハードルレートを超える利益を生み出せるように努力したとします。その企業が筋肉質になった後に金利が下がったらどれだけ「ウハウハ」になるのでしょうか。個人的にはそれが楽しみです。」なんていう話もしたかったですが、意味不明と思われるでしょうからやめておきました。

 「逆境こそ、人を成長させる」的な話も、資本コストに連想させて話してみたいです。


 投資を学ぶと生き方を学べます。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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