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 有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
 自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
 なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。


=コラム「用心をしつつ好業績企業への投資は強気で良いかもしれない」
 (有料メルマガ第420回・2017/2/231配信号)

※2017年2月現在の内容です。留意してお読み下さい。


【前略】


 決算短信発表後の短い期間でみると上記のような株価上昇率になっていますが、上昇率の高い企業が更に株価を上げていくと、PER的に遜色のない、出遅れ銘柄が一気に追い上げて株価を上昇していく可能性も高くなると考えています。

 どの企業に投資すべきか先行する企業に投資するか、出遅れた企業に投資家するかは投資家ごとに異なると思います。

 私なら、まず先行する企業に投資をしておいて、3月の配当優待権利落ちの直前に先行企業の株価の上昇率と、出遅れ企業の株価の上昇率が、いまよりもっと開いていたら、その時点で配当優待利回りの高い出遅れ銘柄にシフトする作戦が、いまの時点では良いのではないかと考えています。


 いままで私自身はバリュートラップ銘柄を掴んでしまって苦労した経験をたくさんしてきました。バリュートラップに怯えすぎる愚はおかしたくないとも考えていますが、高値掴みも避けたいのです。

 だから、注目している企業の株価は、かなり長い期間ウォッチする努力を怠らないようにしています。株価の動きばかりではなく、出来高の動きにも注意しています。

 そして急に出来高を伴って株価が大きく上昇した時は、いままでの株価低迷のトラウマから、既存投資家の利食いの売りですぐ下げてしまっても、あきらめずにウォッチを続けることが大事だと考えています。


【中略】


 ウォッチを続けていて注目している企業の株価が下げてしまっても、その下げがチャンスだと判断した時は、投資を検討することも必要だと考えています。

 株式投資など相場といわれる投資対象で、長く運用を行っていると、相場での運用成績は運や偶然に左右されることが本当に大きいということを身に染みて悟らされます。

 勿論、相場ばかりではなく人生でも仕事でも運や偶然に左右されて未来が変わってしまうことは、世の中の動きや人の浮き沈み、政治家や芸能人ばかりではなく、学生時代の友人たちや、仕事の同僚の浮き沈みを見ていれば、いやというほど納得させられます。

 それでは運や偶然に賭けて投資や人生における決断をするかといえば、自暴自棄になって追いこまれているようなことが無ければ、人間はそれほど見境のない行動をとることは少ないと考えています。

 相場においても理屈で説明できる株価の動きが、まったくゼロという訳ではなくて、20%から30%くらいは理屈で説明がつく部分もあります。

 運や偶然もある程度の努力で、より運が良くなるとか、自分に都合のよい偶然が起こる確率を高める、ということが出来ないわけではないと私自身は自分の過去の経験から信じています。しかし、これは経験で体感、理解できることで、言葉や理論で他人に明確に説明して理解してもらうことができることではないと思っています。


 そこで、私は運や偶然は人間の力ではどうすることもできないものだという前提を置いたうえで、投資家としては人間が理解できる20%から30%程度の合理的に説明できる株価に影響を与える部分を見極め、考え抜いて投資行動をとっていくことで、利益を少しでも上げること、運用成績を上げることを目指すしかないと考えています。

 中長期的に考えれば、株価というものは企業が業績を上げ利益を出し続けて成長していけるかどうかで決まると、世の中では考えられています。

 だから個人投資家もプロのファンドマネージャーも投資家ならば企業のファンダメンタルズの内容を考え抜いて、ファンダメンタルズが良好なのに株価が安値に放置されている、本当(=どう考えても絶対といえるほど)に割安な銘柄を探しているわけです。

 しかし株式投資においては、そんな本当に割安な株に投資することが出来たとしても、それで儲かることが保障されているわけではないことも、真実です。

 多くの自分以外の投資家が、自分が買った『本当に割安』な株に気が付いて、いっしょに買ってくれなければ株価は、まったく上がらずに、むしろ下げてしまうことも多いのが株式市場の真実の姿です。このことは株式投資を1年程度も行っていれば、気付かされることがらです。

 これを相場の世界では『バリュートラップ(割安性の罠)』などと呼んでいるわけです。しかし、このメルマガをスタートしてから、研究銘柄として取り上げた時点ではバリュートラップにどっぷりはまり込んでいたバリュー株が1年から2年たって株価を確認すると、研究銘柄として取り上げた時よりも株価が数倍に上がったものはかなりたくさんあります。


 多くの投資家が割安な株に投資しない理由はもろもろです。投資家がそのような株を買わないのは、その企業の株価が割安なことを知らないことが、まずあります。また割安だと気が付いていても、出来高が小さい銘柄の場合は、その銘柄に投資している大口の投資家の都合による売買で株価が急に大きく落ちてしまうことも有りうるという流動性リスクが高いこともあります。

 しかし多くのベテラン投資家が懸念するような、流動性リスクが発生して自分の買値から株価が大きく下落しても、買った時点で、すでに株価が『企業の本当の価値(=資産価値+事業価値)』から考えて、とても安いところにあったわけですから、さらに株価が下げたとしても購入時点より配当利回りが高くなり、PERとPBRなどの投資指標はより低くなり、割安感がもっと大きくなるということも事実です。


 ただ、このような理屈は十分理解できますが他の銘柄が高くなっていくのに、自分が投資したバリュートラップ銘柄が1年近くも上がらないままだと、売ってしまいたくなることも良くあります。私の自分の過去の投資を振り返ってみれば、上がらない低PER銘柄をバリュートラップ銘柄だと判断して、持ち続けることが出来なくて、あきらめて売ってしまったことがほとんどだったように感じています。

 最初に述べたように株価が業績に比例して、いつかは分からないけれど、いずれかの未来に上がるならば、その企業が業績を伸ばして利益を出し続けて成長していくと信じられるなら、ある程度の長い投資期間を考えて、これから数年間は使う必要がない資金を、投資しておく対象として考えても良いと思っています。つまり現在時点ではどっぷりとバリュートラップに落ち込んでいる銘柄も、投資対象としては魅力があるとも判断できます。そのように考えてホールドを続けている銘柄も、もちろんあります。

 バリュートラップ銘柄は、いったん火がつくと急速に信じられないほど大きく上がる銘柄も出てきます。

 そのような割安株に投資をするために一番大切なのは、その企業のファンダメンタルズ、少し細かく例示すると利益率、収益性、事業の成長性、財務の健全性、すでに保有している資産の価値、製造ノウハウなどの知識を持つことです。

 つまり企業分析が大切だということです。
 その企業を良く理解していないと投資する意欲は持てませんし、株価が上がらないことを嘆きながらも中長期でホールドしつづけることは難しいです。

 繰り返しになりますが、人間が理解できる理由で株価が上がる(=決まる)割合は20%から30%しかないことも、頭の中ではしっかりと認識しておくことも大事です。

 そしてこのようなバリュートラップに落ち込んでいるような銘柄の株価が上がり始めるときは、何らかのカタリスト(=触媒)が存在していることも多いということを理解しておくことが大事です。株価が急に大きく上がった、出来高が急速に増えた、というような現象がカタリストになることも多いです。

 身近なカタリストといえば、優待の最終権利日が近づいてくること、業績の大幅な増益修正のIRがあること、投資環境が良くなる事などが考えられます。


【後略】


経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎


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