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特別企業レポート 加工の総合商社 日創プロニティ(3440・S)

2022/11/04 15:11 投稿

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 私の本メルマガでのミッションはどういう訳か、これまでコラムにて主張する点がメインでしたが、今号以降、時々企業レポートとしてお送りしたいと思いますのでよろしくお願いします。

 企業評価はその立場によって違ってきますが、私としては企業アナリストの位置づけで投資家の皆さんに参考になるよう中立的に分析したものを本コラムではお届けしたいと思っております。ですから本レポートでは投資の決断には至らないかとは思いますが、更に皆さんの研究に至ればと考えております。

 まずはこんな会社もあるのかという程度で御覧になって下さい。


 今回は福岡に本社を置く日創プロニティ(3440)です。
 同社とは過去4年程度の期間にてフォローして参りました。

 この間の株価は上げ下げが結構はっきりしており、波乱万丈の値動きを続けて参りました。ただ、企業としての活動状況はなかなか活発なものがあり、現在もフォローしながら皆さんに認知して頂こうとしておりますので宜しくお願いします。

 Qボード上場から15年を経て、ステージは東証スタンダード市場に移行し、創業者からバトンタッチされた現経営者(創業者の子息である石田徹氏)の下で新たな成長に向けた活動が進展している現状をまずは知って頂けましたら幸いです。


1.社名の由来

 名前に込められた経営理念の基本は日々創造ということにありますが、そこに加工(Processing)+無限大(Infinity)+前進(Progress)が合わさったのが日創プロニティということで、加工の無限大の可能性を追求し続ける企業であることが社名の背景になっています。

2.グループ経営理念・ミッション・ビジョン

 もともと同社は創業オーナーである石田利幸氏の下で1983年9月に日創工業有限会社として設立され、1997年には株式会社化され2007年4月には日創プロニティに商号変更。同年8月には福岡証券取引所Qボード市場に上場しています。
 その時の企業規模はまだ小さく時価総額も10億円を下回った状態でした。
 いわば失礼ながら町工場に毛が生えたような規模であったのかも知れません。
 現在は東証2部(スタンダード市場)への上場を経て事業規模が拡大し、投資家の期待に応えるだけの成長への基盤が整ってきた状況です。

 グループの経営理念は「日々創造」で同社に集まる関係者の精神的な支柱となっています。この経営理念の下でグループミッションとしては金属加工以外の加工、モノづくり、周辺事業へと事業領域を拡大して新たな価値創造に努め、社会貢献を果たすことが掲げられています。
 また、加工の総合商社がグループビジョンとしての方向性となっています。つまり付加価値を生む加工を通じてクライアントのニーズに応える企業グループを構築しようとしています。

3.業績の変遷

 Qボードへの上場は2007年8月。一株25万円(新規発行株数は1600株・4億円)での上場でした。Qボードに上場し(上場時の時価総額は20億円)ましたが、Qボード銘柄ということもあり、同社株への関心は低かったように思われます。
 というのも上場後の業績は赤字が続いたためです。
 2008.8期売上高20.31億円、0.76億円の営業赤字、経常利益も0.56億円の赤字、当期利益も1.68億円の赤字でした。それでも記念配含め一株当たり1000円の配当を実施していました。
 またその翌期となる2009年8月期も売上高20.44億円に対して営業赤字0.11億円、経常赤字0.16億円、当期赤字0.16億円となり厳しい状況が続きましたので、株価が上場後、不人気だったのも致し方ありません。


【過去の売上と営業利益、一株配当金の推移】

決算期      売上高   営業利益   1株配当金

2008.8  20.3億円 ▲0.76億円 1000円
2009.8  20.4   ▲0.11    750
2010.8  14.3    0.1    1500
2011.8  18.8    1.26   2000 
2012.8  17.4    0.33   1500
(ここまではFIT前・株式分割実施)
2013.8  63.9    27.6   14.4
2014.8  78.1    28.2   30   (第1次P)
2015.8  75.5    22.3   35
2016.8  42.7     6.0   30   (第1次B)
2017.8  63.7     9.1   25
2018.8  85.2    10.8   30
2019.8 134.7    19.5   30   (第2次P)
2020.8  83.8     7.4   25
2021.8  75.3     4.5   25
2022.8  73.7     3.5   15   (第2次B)
2023.8E 93.0     5.8   15   (回復見通し)
2024.8E 150.0   11.0(EBITDA15億円)

 上記のように2011年3月11日に発生した東日本大震災後に打ち出された再生可能エネルギーの柱に据えられたソーラー発電の普及促進策の柱となるFIT(固定価格買取制度)が、メガソーラーのプロジェクトを後押し。
 メガソーラー設置用の架台を手掛けてきた同社への発注が特需的に発生することになりました。
 同社はそれまでに宮崎のソーラーフロンティア社と3,4年のつながりを持ち、家庭用のソーラー温水器向けなどでビジネスを行っていたということで、その対応製造設備はあり、見積もり要請に迅速に対応できたことで一気に需要増への対応ができた点がこの大きな利益をもたらしたと言えます。ある意味、運が良かったとも言えそうですが、この第1次FIT需要拡大で得た3期間で50億円余りの利益=現金を活用して今度はM&A戦略を打ち出して更なる成長につなげようとしています。
 この施策によって新たに加わったグループ企業が売上に貢献し来期は売上面で過去最高水準になると計画しています。
 問題は利益水準ですが、第1次FIT特需が発生した2014年8月期の水準に到達するにはまだ時間を要すかと思われますが、今回発表済みのタイルメーカーであるニッタイ工業の子会社化(ニッタイ工業の中国子会社の清算が条件)による相乗効果が見えてくればかなり利益向上にも寄与すると推察されます。


(次号に続く・・)
(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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