全体相場はともかく個別銘柄の値動きを見ているととても面白い。
なぜここまで売るのか?なぜここまで買うのかといった驚きの株価変動が見出せるから億の近道の読者の皆様も銘柄の研究をされていてそう思われている方も多いに違いない。
宇露戦争の下で全体相場が様子見なのは当然だが、その結果生じている個別銘柄の突拍子もない下落が未来永劫続くかと言えば、そうではないものと考えておられる投資家の皆さんも多いと思います。
核戦争や第三次世界大戦でも起きることになれば別だが、そこまでの変化を先読みすることは困難な状況です。
宇露戦争が極地的なものとなり、時間とともに解決の方向に導かれるとの期待が残る間は売りに対して買いも入り、株価は需給で変動することにもつながりそうです。下げたら儲かる投資家(投機家)の思惑もあるから現在はそうした思惑も絡んで突拍子もない株安が続いている訳なんですが、多くの投資家には先行きへの不安感のみが残る展開でいかんともしがたい訳です。
そのような中で本日も時価総額が10億円を切ったスタンダード銘柄を取り上げてみようと思います。
4月4日からいよいよ東証市場改革でプライム、スタンダード、グロースといった3つの市場がスタートしますが既に4月4日にIPOするグロース銘柄(セカンドサイトアナティカ(5028))が発表されました。この後に続く4月7日IPOのエフビー介護サービス(9220)はスタンダード銘柄です。
宇露戦争勃発後のIPOは株安の動きになっている訳ですから、当面はその終結する目途が立つまではトレンドに変化はないとしても制度としての上場市場に出てくる銘柄が基準の水準を大きく下回るとなると由々しき問題となってきます。
例えば市場ではプライム銘柄であれば流通時価総額が100億円以上という基準が設けられていますし、スタンダード銘柄なら流通時価総額が10億円に設定されています。更にはグロース市場だと5億円以上という基準をクリアしている必要があります。
今後株式市場が低迷するとこうした基準をクリアできない銘柄がたくさん出てきます。需給悪の下でいくら割安感があっても株価は下落する訳ですから、そうした基準以下の株価水準となった銘柄(企業)には何らかの対応に迫られることになります。
例えば最近になってIPOを果たしたJASDAQ銘柄や東証2部銘柄があるとして、これが流通時価総額10億円を大きく下回っているようなケースが見出せるようになってきましたが、企業としては投資家に理解を求めるなどのIR活動を通じて株価を適正な水準にしていく必要が出て参ります。
当然、業績を上げていく必要があるわけですが、事業の現状を鑑みて理論的な適正株価をもっとアピールする作業が欠かせません。
具体例ではS社があります。
S社は美容市場をターゲットにした企業で2月4日にJASDAQスタンダード市場に上場しましたが、前12月期の業績が3.6%増収、84.5%の経常増益を達成する中でIPOしました。
残念ながら今期の業績見通しは横ばいで、予想経常利益は2.45億円(▲2.7%)、EPS128.9円としていますこのことが嫌気されたのか株価は上場後下げトレンドを続けており、既に時価総額は10億円を下回っています。つまり上場直後に本来の上場基準を下回っている状況となっています。
発行済み株式数は132万株で上場時に42万株の公募増資(発行価格1120円)で約4.7億円を調達。公開株数は85.7万株ですから700円割れの時価であれば6億円の流通時価総額となっていると推定されます。
つまり同社への評価は市場環境を反映して驚くほどの低く評価されていることになりますが、これも市場環境の悪化がなせる業だろうと推察されます。
もちろんいきなり上場したばかりの企業が上場廃止になることはないでしょうから、今後の企業側の対応が期待されますのでじっくりと見守ることにしたいと思っております。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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