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ここでの株式の投資視点を考える

2022/02/16 12:06 投稿

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 日経平均やTOPIXの調整とともに個別銘柄、とりわけマザーズ上場の新興市場銘柄の大幅な下落が続いてきた株式相場ですが、徐々に春の足音も聞こえてきます。

 米NASDAQ市場のピークアウトはFRBによるインフレ対応の金利の上昇でもたらされたと言えますが、これが日本の株式相場にもマザーズ指数の下落や直近IPO銘柄の波乱となってきたと見られます。日米ともに投資家の心理は共通しており成長期待を背景に評価されてきた銘柄ほど調整ムードに巻き込まれているとも言えそうです。

 足下の利益がまだ伴っていないマザーズやその他多くの中小型銘柄にはPER50倍以上や中には100倍以上で評価される銘柄も出てきましたが、そうした銘柄群は今後の利益成長への期待は残るとしても多少の時間がかかる中で、PER5倍以下のバリュー銘柄群にリスクマネーは向かうという潮流が見出せる昨今です。

 投資家心理は複雑な面があり、こうした潮流に乗ろうという心理が優先しているのが昨今の相場です。


 株式投資の本質は成長株投資。
 業績の横ばい企業、減益企業よりは驚くほどの成長企業への投資から得られるリターンを求めての運用が究極の目的とも言えます。

 日常の運用では株価変動のみに関心が寄せられ企業の本質的な価値を探求する行為を忘れがちになりますが、調整局面の中でこそこうしたことを思い起こして頂けましたら幸いです。株式投資は日々の株価の変動だけに目が奪われがちですが、企業業績内容、ビジネスモデル、将来展望などを無視した需給だけを拠り所にした投資家の取り組み方は株価の下落の中で限界が来ると思われます。
 インデックス運用であればマクロ経済、政治や社会全般に影響を受ける度合いは高いかと思われますが、マクロ経済とは一線を画した成長を目指す個別銘柄に焦点を当てての運用がここに来て復活の兆しが出てきました。
 また個別銘柄には施策として株主や新たな投資家を呼び込む施策が取られ、これを契機にインデックスとは無関係に株価が変動することもあり得ます。最大の株価上昇に貢献するのは業績の向上ですが、これは需給悪化の中で必ずしも株高にはつながらないこともあります。つまり株価に織り込まれているケースです。
 これに対して増配や自己株買いといった施策は株価の位置によっては効果をもたらすことがありますので投資家は銘柄選定のポイントとしてそうした可能性を考慮しておきたいところです。株価低迷時の企業のIR活動の積極化も比較的株価の刺激要因となるかも知れません。
 先行きが読めないのは投資家だけでなく企業もそうだろうとは思いますが、その中での投資の拠り所となるIRメッセージを投資家は心待ちにしているのかも知れません。


 全体相場が下値模索の中で個別銘柄ではバリュー株投資への関心が高まり、かつて大活躍した中小型成長株の株価下落が顕著になってしまいましたが、個別銘柄にはむしろ活発な値動きを見せる銘柄も登場しています。
 例えば、長年開発に取り組んできた空中ディスプレイがセブンイレブンのコンビニに大量導入される見通しとなったアスカネット(2438)の株価は長期低迷状態からここに来て商いを伴って一気に反転上昇の動きが見られます。夢の技術が現実にビジネス化される訳ですから理想買いから現実買いに移行することになります。

 こうした長期下落銘柄の中から復活する事例を横目に個別銘柄への関心が高まる流れは今後も広がりを見せる可能性があります。市場ではこうした夢を求めた結果、株価が異常な株価の水準となりその後の長期低迷につながったという銘柄が多いためです。
 夢を語りがちなIPO銘柄も多くは期待先行でPERが高くその後の株価凋落につながることも多いのですが、そうした反省機運を経て理想として業績が現実のものとなると再び株価は上昇トレンドを描くことになると考えられます。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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