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株主提案権について

2021/09/29 15:18 投稿

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 コロナ陽性者の数が東京都で本日は154人となり半年ぶりに100人台となりました。ほっとする動きですが、まだ油断はできません。
 それでも緊急事態宣言の解除も迫り、ようやく元の日常生活に近付きつつあります。

 そうした中で株式相場は総裁選を前にした様子見気分の台頭ではありますが、総裁選での政策論議が盛り上がり、多くの国民の皆さんが政治への関心を高めたものと推察されます。

 株式市場では人気化する銘柄とまったく見向きもされない銘柄とに二極化する流れが目につくようですが、このところの皆様の運用状況はいかがでしょうか。

 どっしり構えて運用に努めるスタンスの投資家は結果として株主の立場も得ることになりますが、私の周りには企業が発行した株式の1%以上も保有されるに至った大口投資家もお見えになります。

 時価総額が1兆円以上もの企業の株式を1%以上保有することは容易ではないですが、時価総額が100億円以下であれば比較的、可能性は出て参ります。半年以上前から期末段階まで1%の株式を保有した株主ないしは同様に300単元以上の株式を保有した株主には株主総会に議案を上程することのできる株主提案権が付与されることになります。

 株主提案権とは株主が株主総会の議案を請求することができる権利とされ、経営に参加する権利である共益権のひとつとされます。この場合、単独での権利だけではなく複数の株主で共同で提案することができます。
 お仲間が何人か集まって増配を要求したり、役員の退任などを共同提案するような可能性もある訳です。

 企業にとってはこうした株主提案権に基づき書面で送付された提案内容を踏まえて株主総会に議題として上程する必要が出て参ります。

 株式会社の最高意思決定機関である株主総会の議案内容は通常は定款変更、役員の選任、解任、計算書類の承認、利益処分、役員報酬などとなっています。なお、株主が提案できる項目の数は10までと上限が決まっています。

 通常の提案のほかファンドマネジャーというプロの投資家はアクティビストと称される立場で株主価値向上に向けた提案を行います。過去の事例では増配要求のほか、自己株買付けなどが主なところです。
 今後の投資活動の中で比較的リスクを押さえた集中投資をなさる投資家には日本の株式市場に数多くの放置された銘柄があって、そうした銘柄への投資でリターンを上げるチャンスが出てきたとの印象が持たれます。今後そうした市場で放置された銘柄にもスポットがあたるとの期待を持ちたいと考えます。

 3800余りの上場企業の中で比較的まとまった資金(3000万円~1億円)で運用されている個人投資家が発行済み株式に対して1%余りの持株を持てる可能性のあるキャッシュリッチな企業を下記に掲げておきますのでご興味ある方は一度チェックされてみてはどうでしょうか。

 保有期間は6か月以上で提案権を保有している株主が要求するには証券会社などの協力(保有証明)が必要となります。また、一定書式での提案書の提出が必要です。


●時価総額60億円以下のキャッシュリッチな銘柄
 (*各銘柄とも流動性に乏しい)


1.テノックス(1905)
 時価850円 時価総額56.7億円 保有現預金98億円
 1%分 7.7万株 6545万円
 買い付け期間:2021年9月末から2023年3月

 提案内容:
 1)上限30万株、上限3億円程度の自己株買い(市場内、長期)
 2)配当性向50%の配当実施

 同社の場合は四季報上位10位までには掲載されません。流動性に乏しい。


2.神田通信機(1992)
 時価1020円 時価総額24.7億円 保有現預金25.3億円
 投資有価証券12.1億円 有利子負債2億円
 1%分 2.7万株 2754万円
 買い付け期間2021年9月末から2023年3月

 提案内容:
 1)自己株買い(市場内:長期) 配当性向50%の配当実施

 四季報上位10位に掲載されず。光通信が34万株保有。流動性には乏しい。


3.暁飯島工業(1997)
 時価1641円 時価総額32.6億円 3Q保有現預金45.6億円
 投資有価証券3.7億円 有利子負債8億円 実質保有現預金41.3億円
 1%分 2.2万株 3610万円
 買い付け期間2021年9月末から2022年2月末

 提案内容:
 1)自己株買い(上限2億円 上限10万株) (市場内・半年程度)
 2)配当性向40%程度の配当実施 


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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