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相川伸夫のピックアップ銘柄フォロー&信和(3447)と三栄建築設計(3228)の小話

2021/09/29 15:17 投稿

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■相川伸夫ピックアップ銘柄フォロー(動きのあったもののみ掲載)
 ※2021年9月24日(金)執筆時点

・山王(3441)2016年12月19日配信
 株価560円⇒1940円(+246%)
・東京エレクトロンデバイス(2760)18年4月6日配信
 株価1970円⇒9150円(+364%)
・丸順(3422)18年9月18日配信
 株価826円⇒809円(-2%)

 山王は再生エネルギー、特に水素枠として広く認知されるようになり、本業でもしっかりと黒字になり、私が初めて執筆した2016年末からもうすぐ5年が経とうとしています。水素透過膜及び銀メッキアクリル粒子の新規事業の進展についても今後どうなっていくのか見守りたいと思います。

 東京エレクトロンデバイスは執筆から3年半で+364%とすさまじく株価が上がりました。
 特に9/6の上方修正を契機に5810円から9000円突破まであっという間のことでした。正直な本音としてはここまで強いことに驚いています。
 今期の業績は特別利益として19億強が載っておりEPSがブーストされています。配当性向の特益を加味して計算しているので配当金もブーストされています。半導体が絶好調なのと、同社がこれまでにやってきた事業が実っておりそれが評価されているのは素直に喜ばしく思います。
 ただ、特益を除いた通期予想EPSは285円であり、配当性向40%の場合は114円が実力値であり、これはPER31程度で配当利回りは1.2%程度と言い換えることができます。
 私が執筆をした時のPERは12程度で配当利回りも3.3%程度でした。
 実力ベースの今と比較すると2.5倍ほどの市場評価を獲得しています。
 これが人気化という意味なのは理解する一方、商社は安定した収益を出せるけれど市場からの評価はそこまで高くはないというのがこれまでの常識でした。同社の評価は今が正当な評価なのか?はたまた割高で来期以降逆回転してしまうのかは市場のみぞ知ります。
 個人的には今の株価自体は割高に映ってしまいます。
 しかし、同社の成長は今後も続くでしょう。半導体市場の動向に業績は影響されてしまうのは仕方ないとしても面白いビジネスが出てきているので今後も楽しみにしています。

 丸順は現状、半導体不足による国内自動車メーカーの減産という悪材料吹き荒ぶ嵐の中にあります。正直今は買える材料がないのでこれだけ株価は下がってしまっています。

 私が初めて同社を執筆してからちょうど3年が経ちました。3年前のPERは4であり、財務面でも当時自己資本比率は13.4%でしたが足元では大きく改善し35.9%に!
 配当性向もこれから拡大していくタイミングであり、トヨタ自動車やフォルクスワーゲンからの新規受注や世界一のバッテリ―メーカーのCATLからの量産受注も進んでおり、中身は良くなってきています。しかし、今のPERもまた4です。
 名証から東証二部に昇格しました。BPSは当時822でPBR1でしたが足元ではBPSは1320でPBR0.6。しかしPERは4です(笑)

 今期通期予想の業績数字は自動車メーカー、並びに他の自動車部品メーカーと比較しても半導体不足懸念を他社以上に強く懸念した通期業績予想を開示されました。私はその時は「丸順はなんて控えめなんだ。低く出して上方修正すれば良いってものでもないぞ!」と思っていましたが、そう思ったことを反省しております。ゴメンナサイ。実際は他社が下方修正になって丸順はそのままの数字で着地できるかどうか?というすさまじい予測精度であった可能性が急速浮上してきています。

 今、同社に一番危機感を持っている部分があるのは買収懸念です。株価が実力に対して低すぎる。今は東プレの持ち分適用関連会社ですが、私の感覚としてはPBR1倍で丸順を50%の持ち分まで買って連結子会社にするのには30%買い増すだけで足りるので東プレは丸順を買うのは経営戦略として〇だと思います。必要な資金は47億円で済み、TOBをすればおそらく手に入るでしょう。

 自己資本比率も十分に健全な数字まで戻り、この5年は安定して毎年20~25億円も純利益を出せる優良企業になりました。東プレは丸順とのシナジーを十分に活かせるポジションであり、近年それは拡大しています。

 丸順の収益性から考えればあと47億円の出資で毎年会計上でも純利益が持ち分の50%分、つまり10億円以上算入され、配当性向を30%~50%にしても経営には支障がないでしょうからキャッシュも手に入ります。

 投資利回りは純利益ベースで年10%であり、今買えばのれんが付く事もありません。配当性向50%にして吐き出させれば年5%のキャッシュインカムも期待できる投資であり、かつ今後まだまだこれから伸びる伸びしろを持っている企業であると私は同社を分析しています。
 こうしたことから私には東プレが丸順を買うのは非常に割の良い投資であり、これ以上安い株価推移が続くようならそういうことが起こってしまうのではないかと非常に危惧しています。

 丸順代表の齊藤社長は今の株価にそういう危機感を持っていないのだろうか?と私は大変気にしています。
 債務超過で倒産の危機から獅子奮迅の働きで従業員一丸となって本業を取捨選択し、銀行と資金交渉をして必死に健闘されました。この5年で自己資本比率も上げてこれからだというときに安値で会社を買われると「今までありがとね!お疲れさん!」と一番おいしい所をかっさらわれてしまいます。
 そうなることは至って合法な行為であり、それが資本主義であり、株式市場です。

 しかし、それはあんまりです。
 だからこそしっかりと株価意識を持たないといけないのです。
 「中期的に配当性向を段階的に上げる」とか言ってると株価は徐々にしか上がらず、BPSの増大速度の方が超過し、年を追うごとにPBRは0.6⇒0.5⇒0.4と買収リスクはどんどん上昇してしまいます。配当性向を上げるのであればいきなりドンと20%とかに上げないと株価は満足に上がってこないので安値で買収されてしまう可能性があります。
 今が配当性向6%なので20%って大きい気がしますが、全くそんなことないです。今の市場平均の配当性向は30~40%の間にあります。もちろん企業の成熟度やビジネスから鑑みて判断する必要はあります。
 それに今の丸順であれば配当性向20%でもBPS増大速度超過になるので個人的には30%スタートの長期的に40%を目指すでもなんら問題はないと感じています。

 経営が再建できたことで新たなステージに変わっていることがしっかりと伝わってくれると幸いです。
 今後もっと成長できるのに買われてしまって制限のある経営を余儀なくされるのは非常に勿体ないのではないか?と個人的に感じてしまいます。自社の為にもそろそろ株価対策をしないと本当にマズイですね。

 とはいえ、個人投資家説明会の開催や決算説明会の開催。決算と同時に資料今後出せるようにであったり、ESGに関する記載をHPや説明資料で取り上げる等とそうした行動は非常に素晴らしいです。
 今は流動性が乏しすぎるので機関投資家は入ってきません。
 今、同社の株を買えるのはほとんど個人投資家でしょう。2年後以降に同社が第二の東京エレクトロンデバイスのように人気化するのではないかと期待したいと思います(笑)

※ピックアップ銘柄は買い推奨ではありません。
 私の目で面白い、アツイ要素がある!という理由で記事を執筆した企業の経過観察です。
 銘柄には大化け狙いと堅実成長狙いの銘柄が混じっており、銘柄数もかなり増えたので全てを列挙することはやめることにしました。


◆現在分析中の銘柄についての小話


 今後の鉄鋼価格次第の部分はありますが、今は信和(3447)を調べています。同社は仮設足場を製作している企業ですが、原価の構成は鉄:亜鉛:人件費=5:3:2の割合であると取材でも伺っています。現在、鉄価格はどんどん上がっていますので同社はさぞ経営難なのではないか?と思ったところ、しっかりと値上げをしていると伺っています。業界の一番の牽引企業である同社が値上げをすると他社も値上げをする構造であり、そのあとに鉄価格が下がったとしても果たして値下げをどれだけするのか?という所が楽しみな所ですw


 あとは三栄建築設計も面白いのではないか?と思って分析しています。
 同社はメルディアという名称でブランド展開しており、子会社のシード平和の名称を「メルディアDC」に変更することをIRで発表しています。子会社の名前を変えたのだからおそらくこの後親会社の三栄建築設計も名称変更をするのではないでしょうか?
 同社は中計で配当性向を今の20%⇒30%に目指すことを掲げています。
 また、現在不動産が絶好調なのは周知のことと思いますが、その分譲戸建てを売っている三栄のメルディアのブランドでYouTubeチャンネルがすさまじい伸びなことに着目してもらいたいと思います。このペースで行くと来期末には登録人数は4万人も優に超えるかもしれません。同社のチャンネルの動画は純粋にルームツアー動画だけではないので登録数全てを見込み客カウントしてはいけないかもしれませんが、LibWorkが不動産とYouTubeチャンネルの相関が出ることを示唆して頂けた先行事例があるので、そうした観点でも中長期で面白いのではないか?と現在考えています。


それではまた!

『全力全開全力前進!!!』


(相川伸夫)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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