今週(3月15~19日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で74円22銭上昇し(率にして0.25%の上昇)、2万9792円05銭で取引を終えました。2週連続の上昇です。
週初から先週成立した米国の追加経済対策や新型コロナのワクチン接種の進展による景気拡大の期待が高く、景気敏感株中心に株式相場は堅調に推移。
16日(火)まで先週から6日続伸となりました。
17日(水)は米連邦公開市場委員会(FOMC、16~17日)の結果発表を控えて小反落(前日比6円安)。
18日(木)は、FOMCで少なくとも2023年末までゼロ金利政策を維持する方針が示されたことが好感され、同302円高と反発。2月18日以来の高値をつけました。
週末の19日(金)は、日銀がこの日まで開催した金融政策決定会合で、上場投資信託(ETF)の買い入れについて、日経平均連動型を除外する方針を示したことがネガティブ・サプライズとなり、同424円安と大幅に反落しました。
日銀の方針については、これまでもTOPIX型中心の買い入れを実施してきましたので、いわば「現状の追認」であり、さして悪材料とは言えません。
FOMCの方針も、予想通りです。
米連邦準備理事会(FRB)は今回、リーマンショック後の3次にわたる量的緩和からの正常化と同様のスケジュールで臨もうとしています。すなわち、テーパリング(資産買い入れ額の段階的縮小)開始の予告を早めに行い、テーパリング実施に約1年間かけ、さらに1年間様子をみたうえで、利上げを開始するというものです。
これを「23年末までゼロ金利政策を維持する」との方針から逆算して考えてみますと、以下のようなスケジュールになります。
21年6月に「テーパリング開始を検討」との予告を発する。
22年1月にテーパリング開始。
22年12月にテーパリング終了。
23年1~12月の1年間様子見。
24年1月利上げ開始。
今回の景気後退は、新型コロナという「疫病」がもたらしたものであり、コロナの感染の収束次第によっては、このスケジュールが早まることになりますが、それは米国の景気回復が順調に進むことですから、株式相場にとってはポジティブです。
先週も述べましたが、過去の経験則では、米国景気の回復や長期金利の上昇は、ドル高円安の進行と相まって、日本株の上昇への大きな「援軍」となります。日本において時価総額構成比の高い景気敏感株の業績向上につながるためです。
いわゆる「グロース株」も業績面で追い風を受け、バリュエーション面で投資妙味が生まれることで再度物色されるものと予想します。
日本株については「強気」のスタンスを継続したいと考えています。
(水島寒月)
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