今週(11月9~13日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で1060円64銭上昇し(率にして4.4%の上昇)、2万5385円87銭で取引を終えました。2週連続の大幅上昇です。
米国で9日(月)に、米製薬大手ファイザーが開発中の新型コロナのワクチンで良好な治験を得られたと公表。欧米で新型コロナの感染再拡大への不安が高まっていただけに、ワクチン開発の進展に伴う経済活動の本格的再開への期待が広がり、景気敏感株を中心に株価は急騰しました。
週間の東証1部の売買代金は15兆7360億円となり、米国の大型景気対策への期待で株式相場が急速に回復した3月第4週以来、7カ月ぶりの高水準となりました。
日経平均株価は12日(木)まで8日続伸し、年初来高値を連日更新。約29年ぶりの水準まで上昇しました。
先週までは、大統領、上下院ともに民主党が占める「ブルーウェイブ」あるいは「トリプルブルー」の可能性が低下したことを受け、景気対策は米連邦準備理事会(FRB)など中央銀行の金融緩和に負うところが大きくなるとの見方から、ドル安が進行。バリュエーションの高いグロース株(成長株)やキャッシュフローを生まない実物資産である金が買われました。
しかし、今週はワクチン開発の進展を受け、一転して出遅れの景気敏感株(バリュー株)が物色される展開となりました。
ただ、ワクチンの開発および承認が順調に進んでも、一般に普及するには、少なくとも数カ月を要するものと見込まれます。一方、企業業績は改善傾向が顕著になっており、今後は、グロース株とバリュー株が交互に物色される展開になるものと予想します。
(水島寒月)
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