上場企業である以上はビジネスを発展させる使命をもっている。投資家はその企業の発展によって得られる企業価値の向上をもってリターンを得ることになる。
儲かったお金を単純に配当金として還元するだけではなく、再生産させて企業基盤を拡大させていくパワフルさに投資家は魅力を感じることになる。
投資家と経営者は違った立場になるが、究極は同じ立場になって企業の発展を支える運命共同体となる。ただ投資家であればいつでもその持った株を他に売却してリスクオフが図れる。経営者でなおかつ株式を保有するオーナー経営者は逃げ場がなく、ビジネスを磨いて会社の発展に尽くすことが目標となる。
最悪なのは雇われ経営者で、過去の経営者のレールの上を走り、リスクを取らず報酬を得るだけの人材。
投資家は雇われであれ、創業オーナー経営者であれ優秀な人物を見い出すことが最も効率的な運用成果を得る近道、すなわち億の近道となる。つまり皆さんのような個人投資家は、日々の株価に一喜一憂をしないでビジネスを発展させる能力の高い優秀な経営者を見出すことに細心の注意を払う必要がある訳だ。
株式投資の世界ではこの投資家と経営者の阿吽の呼吸が水面下で繰り広げられている。
ビジネスの発展とは単に単年度で利益を上げることだけではなく継続的な利益を得る路線づくりにある。そこに集うのは従業員でもあり、取引先でもあり投資家でもある。
投資家はポートフォリオ構築でリスク分散することが可能だが、経営者はビジネスリスクの存在に誰よりも早く気がつき、対処するかじ取りの役目も担うことになる。
長期的なビジネス発展に向けた投資を進め、様々なリスクに対応する力を発揮して1年間の決算をうまく投資家に説明する活動を推進することになる。今年はコロナ禍への対応に追われる1年となった筈だが、来年以降のリスクはどのようなものとなるだろうか。
このところマザーズ銘柄の人気化が顕著だが、ビジネス発展の方向性が鮮明な企業ほど評価は高い。投資家(株主)の臭覚は犬以上に鋭くなってきたように思われる。
(炎)
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