0d6139e1972c1f1b2a89ef3316783e48_s.jpg



 3月期決算の上場企業の業績集計が始まった。
 企業によっては既に発表を済ませた企業もあり、今後4月後半から5月中旬に向かって発表のラッシュ時期を迎えることになる。


 石材、タイル等の高付加価値建材で業績向上を続けるアドヴァン(7463)は4月7日に決算発表。例年通り日本で1,2位を争う速さでの発表だ。
 3月末に決算を終えて1週間での発表は異色だが、いつもなら2日か3日で発表していたとの印象があるのでこれでも今回は遅いと言う印象がある。

 その中身についてはこの時世にしては驚きの上方修正。
 売上、営業利益、経常利益、当期利益のいずれもが前回の見通しを上回る結果となりEPSは76.17円から115.38円へと上方修正された。
 この結果株価はジリ高のパターンを描いて推移している。

 ただ今期の見通しについては新型コロナウイルスの影響が見えないとの理由で開示はしていない。恐らく、他社においても決算の見通しは開示できない企業が多くなると考えられる。
 このため企業業績見通しが開示されない中での株価形成となる。
 投資家の投資尺度の一部が壊れたために今後はまだ生きているバリュー価値を土台にして需給関係に基づいた株価の変動が続くことになろう。


 これは時に平常な時期とは違ったやや異常な株価変動をもたらす可能性がある。

 社会生活が自粛ムードにあふれる中でオンライン取引ができる株式投資(売買)は限られた活動領域でもある。その拠り所となる企業業績が発表されるシーズンとなる中で今期の見通しが示されないケースが続出することになる。

 本来の業務収益が得られない中での異常な状態がどの期間続くのか、企業力の対応力が問われる今期決算見通しだが、個人投資家各位の冷静な対応を期待したい。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


honoh_01.jpg