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時すでに遅しなのか?未経験のパンデミック相場への備え

2020/02/20 15:24 投稿

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 起きてはならないパンデミックが現実のものとなりつつある中で、株式相場は下振れのリスクを強く感じている状態だが、日経平均自体はまだ2万3000円台で比較的堅調な水準にある。
 今後の下振れリスクは覚悟する必要があるが、こうした局面では政策的な見地で見えざる手が働くことにもなる。そのための国家ではある。一時資本主義経済は休戦。非常事態の宣言で乗り切ることが既に必要なのではないかと思う。

 パンデミックなど起きてほしくはないが、潜伏期間が長期にわたる今回の新型コロナウイルスに対しては各自で備えをするしかない。マスクが不足してDSの店頭から消えてしまった今、国は各家庭に無償で配布するぐらいの施策を打ち出す必要がある。
 マスクは気休めなのかも知れないが、消毒剤、除菌剤などの不足も著しい。防護服は医療現場での必需品。ワクチンの開発はなおも時間を要する話だが、検査キットぐらいは早急に配布されても良いだろう。

 国には頼れないとの思いから民間企業では在庫の山だった特殊な除菌剤などが注目されている。筆者もかつて鳥取のマスク会社モチガセとの交流があったが、同社はバリエールと言うブランドである種の鉱物資源をすり込んだ特殊マスクの製造で活躍を鳥インフルエンザの流行時に注目され、その存在感を誇示していた企業だったが、流行が終焉したらその存在は一気に消えてなくなったとの悲しい歴史があった。こうした出来事が繰り返さないように国を挙げての支援が求められるのだが、のど元過ぎれば何とか・・で業績は変動を繰り返す。

 上場企業であれば他のビジネスなどで存続は可能だが、中小零細のマスク生産会社などは流行時だけの需要増で流行が沈静化すれば何事もなかったような状態となる。上場マスク会社もその類だ。流行時のみ脚光を浴び、それ以外は見向きもされないことの繰り返しとなる。これは投資家の問題でもあり致し方ないが、こうしたマスクへのニーズが恒常的になる時代がやってきているとなれば由々しき問題である。

 全国規模でパンデミックが起きると言う前提で今後の相場における注意点は今後、経済への影響が徐々に認識されること。

 感染の広がりによる日本経済への影響がビジネスに波及することで堅調な推移を辿ってきた日本株全体に一段とリスクオフの動きが考えられる。日銀のETF買いによる買い支えで主力銘柄は大きな下押しはない可能性もあるが個別の銘柄によっては業績への影響を懸念して大きく売られる可能性も考えられる。今3月期第4四半期への影響に加え既に来期以降への影響も念頭に入れた投資行動が求められる。
 一方では新型コロナウイルスの特性を考えると今冬の時期に限られた流行となるとの見方も淡い期待ではあるが残っている。終息時期が想定される4-5月には安堵感もあって相場全体が大きく見直される可能性も念頭に入れておく必要がある。
 また、海外市場では米国の株式相場が意外にも堅調に推移しており、NYダウが3万ドルに乗せる局面も想定され、米国の一人勝ちの様相を呈する可能性もある。新型肺炎の終息待ち状態の日本株は短期的な様子見気分と海外株高、政策への期待などが綱引きとなって本来はあってしかるべきの大きな下押しがない状態で推移する可能性もある。
 一方、中国の習近平主席の国賓としての訪日の延期の可能性はともかく東京オリンピックの中止といった事態となればその影響は不透明で相場のかく乱要因として働く可能性もある。

 直近になって感染が発覚したハワイから戻った名古屋の日本人観光客の話題から既にハワイでの流行が見られる可能性が高い点は米国本土でのインフルエンザ流行とともに新たな懸念として念頭に入れておく必要がある。1万2000名も死者が出ている今冬の米国でのインフルエンザ流行が新型コロナウイルスによるものだったら改めてショック安を生じることになる。3万ドル乗せを目前とするNYダウが短期的に比較的大きな波乱を示す可能性もゼロではない。


 見えない敵との戦いは昨年12月上旬の武漢市での発生、流行の兆候から既に2カ月余りを経過。全世界での流行が見られるパンデミックの下で新たな局面を迎えようとしている。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)




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