先週13日(木)は現在就活中の大学3年生と一緒に3社(クリエートメディック、クレスコ、カヤック)の上場企業の決算説明会に出席した。その中の一社で私も彼もどういう訳かとても印象に残った企業について報告をして頂いた。自らを面白法人と称するカヤック(3904)だ。
同社の柳澤社長はどことなくあの有名アパレル会社の創業オーナーと似ているとの印象を持ったが経営自体のユニークさが企業評価にもつながっていると思われる。過去2期間の経常赤字決算を経て今期からの経常黒字化を目論むがそのコアとなるビジネスを彼は簡単にレポートしてくれた。
後日私が訪問したリンクバル(6046)などでも同社のことはよく知っているとの話を伺った。ソーシャルゲームでのつながりなのかとは思うが、これについては改めて確認したい。
さて、同社の株価は先週金曜日に急落したが、どこに問題があるのかは改めての機会に私から報告をしたい。取り急ぎ彼からの報告を参照願いたい。
【カヤック(3904)】~就活中の大学生(ダイモンダイ)からの報告~
1998年8月3日、神奈川県鎌倉市を拠点に創業。当時学生時代の友人3人で、資本金3万3千円、合資会社として出発。
ネット広告などの受託制作、ソーシャルゲームが主力。ゲームコミュニティ「Lobi」も運営。最近では若者に話題の「うんこミュージアム」のイベント企画を行った会社。入場者数は約2ヶ月半で10万人を突破。
今12期の第4四半期決算は年末にかけゲーム売上が伸びたことなどから売上高が過去最高を更新。利益面でも売上総利益率の改善や販管費等コストの削減に努めた結果、売上高1,844百万円(+17.8%)、営業利益23百万円となり6四半期ぶりに営業黒字に転換した。
しかしながら、通期連結決算では売上高が6,382百万円(+9.7%)で過去最高となったが、外注費の増加、新領域への投資継続により営業赤字幅が535百万円と前期の391百万円よりも拡大。2期連続の営業赤字となってしまった。
期中の修正予想に対しては期ずれで売上こそ小幅に未達となったが営業赤字幅は610百万円から縮小するに至った。経常利益も期中修正計画640百万円の赤字から540百万円の赤字となった。
人の採用を有利にするために鎌倉に本社オフィスを移転した効果は採用活動にプラスになっている。グループ全体で450名というスタッフを抱えており、売上規模に比べるとやや人が多いような印象がある。2019年の中途採用数は53名で中途採用承諾率は75.7%。2020年の採用は社内での配置転換を優先し抑制する方針のようだ。
同社のサービスには1)クライアントワーク(WEB、VR、AI活用の広告制作サービス、受託開発収入で収益安定)、2)ソーシャルゲーム(スマホアプリサービス、限界利益率が非常に高いサービス)、3)Lobi(スマホゲームに特化したコミュニティサービス)、4)その他サービス(新規サービス)
1)は企画力が肝でユーザーへ新しい体験を提供するサービス、四半期ごとにデコボコはあるが、およそ四半期売上は550百万円前後で推移。社内にAIチームがあって大手企業(JT、集英社、バンダイナムコなど)向けのサービスを展開。
2)ソーシャルゲームは前4Qにおいて4つのタイトルを運営。クリスマス施策がヒットして年末にかけ売上が急増。3Qの売上503百万円から4Qは711百万円と41%増となった。今期も日テレなどとの企画・制作を行う
HUNTER×HUNTERアリーナバトルなど開発支援。ハイパーカジュアルゲームの「ParkMaster」が1月に米国の無料ゲームランキングで1位を獲得。広告を用いて集客とマネタイズを行うビジネスモデルで利益率は高くないがシンプルゲームで少人数で開発できるのが特徴。今後のゲーム事業はアキバスタジオでの受託開発へ集約化する方針。このため自社開発タイトルは現在はない状態。
3)Lobiはスマホゲーム特化コミュニティで4Q売上高は125百万円で3Q比横ばい。Lobiアプリによる課金の伸び悩みが見られるが、注力する分野。
子会社で展開する4)その他サービスが今期のビジネスの伸びを支える分野と理解。今期はゲームコミュニティ、地域資本主義が成長を牽引する事業だとお聞きした。計画では、ゲームコミュニティ売上高954百万円から1,200百万円(25,7%増)、地域資本主義売上高128百万円から300百万円(134%増)とこの二つが成長を牽引する計画となっている。
ここでこの二つの具体的な事業について説明しようと思う。
まず初めのゲームコミュニティでは主にesportsの企画・配信・プロデュースを行うesportsの専門会社ウェルプレイドが主役。Lobiとの協調を図るほか、プロゲーマーのマネジメント、キャスティングから大会企画運営、配信・番組制作、新規開発タイトルのコンサルティングまですべてワンストップで対応する。ここではゲームメーカー、広告代理店とタッグを組んで大型案件にのぞむことで、収益の安定化に努める意向だ。
次に地域資本主義ではコミュニティ再生やSDGs、移住や関係人口化などの分野のサービス提供などを行っているが、その中でも「コミュニティ通貨(まちのコイン)」というものがある。まちのコインは、使えば使うほど、人
と人が仲良くなるコミュニティ通貨(地域通貨)サービス。コインを「もらうのも、「つかう」のも、地域の仲間と「つながる」必要がある。
そして、使えば使うほど、まちと人、お店と人、人と人が仲良くなり、関係人口の創出につながったり、お店のファンが増えたり、仲間づくりができるお金なので、まちのコインの流通量は、その地域に関係する人々の”仲の良さ”の指標になる。
今後のesportsプレイヤー人口の増大、超高齢化社会の到来により中・長期的に見て持続的な成長が期待できる企業として注目できると考える。
(ダイモンダイ)
【炎より】
説明会では地域(鎌倉)資本主義についてのビジネスモデルについて質問させて頂いた。11月18日から4週間鎌倉で実証実験を行い満足度の高い結果が得られたそうだ。
2月24日からは小田原での利用が開始されるほか、各地方自治体からの問い合わせも増加しており、地方創生をテーマに新たな成長が期待される。
ソーシャルゲームはミクシィのモンストのように当たるとでかい。当り外れはあるがゲーム会社の面白いところではある。
時価630円と下落しているが今後の展開をじっくり見守ることにしよう。
(炎)
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