今週(6月3~7日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で283円52銭上昇し(率にして1.4%の上昇)、2万884円71銭で取引を終えました。実に、5週ぶりの上昇です。
週前半の3日(月)は、前週末比190円安となり、前週から4日続落となりました。米国と各国の貿易摩擦激化への懸念、円高・ドル安の進行などが嫌気され、2月8日以来、ほぼ4カ月ぶりの安値をつけました。
続く4日(火)も前日比2円安と小幅ながら5日続落。しかし、5日(水)は6日ぶりに反発し、367円の大幅高となりました。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利下げを示唆したことで、米株式相場が大幅に反発したことを好感しました。
6日(木)は2円安と小反落しましたが、7日(金)はNYダウが4日続伸したことを受け、110円高と反発しました。
7日の日本時間夜に発表された米国の5月の雇用統計は、失業率が3.6%と事前予想と同水準でしたが、非農業部門雇用者数は前月比7.5万人増となり、事前予想(18.5万人)を大きく下回りました。製造業ばかりでなく、非製造業の伸び悩みも目立ったことから、米国の利下げ観測は一段と強まり、7日のNYダウは前日比263ドル高となり、一時1カ月ぶりに2万6000ドルを上回りました。週間では1168ドル上昇し、週間ベースでは、19年に入り最大の上げ幅となりました。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は、6月18~19日、7月30~31日に予定されていますが、市場では、FRBが7月に利下げに動くとの見方が浮上しています。欧州中央銀行(ECB)も6日に開催した政策理事会で、政策金利の引き上げ時期を19年末から20年年央に先送りしました。
新興国でも、5月にフィリピン、マレーシア、NZが利下げに踏み切り、6月に入ってからも、豪州、インドが相次いで利下げを実施しました。日銀も、マイナス金利の深掘り、上場投資信託(ETF)の買い入れ増額などの追加緩和に動くとの見方が出ています。
金利の低下局面で買われやすいのが、PER(株価収益率)が相対的に高めのハイテク株です。投資家のリスク回避姿勢が弱まり、ドル円相場が円安基調に戻ることも想定され、当面は5月に売り込まれた輸出関連株が戻ることも考えられます。
(水島寒月)
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