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市場潮流

2019/06/12 01:03 投稿

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 今週(6月3~7日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で283円52銭上昇し(率にして1.4%の上昇)、2万884円71銭で取引を終えました。実に、5週ぶりの上昇です。

 週前半の3日(月)は、前週末比190円安となり、前週から4日続落となりました。米国と各国の貿易摩擦激化への懸念、円高・ドル安の進行などが嫌気され、2月8日以来、ほぼ4カ月ぶりの安値をつけました。
 続く4日(火)も前日比2円安と小幅ながら5日続落。しかし、5日(水)は6日ぶりに反発し、367円の大幅高となりました。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利下げを示唆したことで、米株式相場が大幅に反発したことを好感しました。
 6日(木)は2円安と小反落しましたが、7日(金)はNYダウが4日続伸したことを受け、110円高と反発しました。


 7日の日本時間夜に発表された米国の5月の雇用統計は、失業率が3.6%と事前予想と同水準でしたが、非農業部門雇用者数は前月比7.5万人増となり、事前予想(18.5万人)を大きく下回りました。製造業ばかりでなく、非製造業の伸び悩みも目立ったことから、米国の利下げ観測は一段と強まり、7日のNYダウは前日比263ドル高となり、一時1カ月ぶりに2万6000ドルを上回りました。週間では1168ドル上昇し、週間ベースでは、19年に入り最大の上げ幅となりました。


 米連邦公開市場委員会(FOMC)は、6月18~19日、7月30~31日に予定されていますが、市場では、FRBが7月に利下げに動くとの見方が浮上しています。欧州中央銀行(ECB)も6日に開催した政策理事会で、政策金利の引き上げ時期を19年末から20年年央に先送りしました。
 新興国でも、5月にフィリピン、マレーシア、NZが利下げに踏み切り、6月に入ってからも、豪州、インドが相次いで利下げを実施しました。日銀も、マイナス金利の深掘り、上場投資信託(ETF)の買い入れ増額などの追加緩和に動くとの見方が出ています。


 金利の低下局面で買われやすいのが、PER(株価収益率)が相対的に高めのハイテク株です。投資家のリスク回避姿勢が弱まり、ドル円相場が円安基調に戻ることも想定され、当面は5月に売り込まれた輸出関連株が戻ることも考えられます。


(水島寒月)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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