昨年11月からの株価上昇ではインカムゲインに加えてキャピタルゲインも合わさって株式投資でのリターンは大きかったと思いますがこれからが問題です。
昨年11月末と3月末の運用リターンと3月末と今後半年や1年後とを比較してリターンが更に高まるという保証はどこにもない。だからと言って今が株式の売り時だとも断言するには材料不足なのです。
企業業績はまだ明暗分かれており、為替が円安傾向に転換していても市場が期待しているほどの増収増益を達成できるのかは疑問も残ります。実際に日本は内 需で支えられている面が強いからです。円安で株価が上昇し資産効果が表れ、消費にお金が回って景気が良くなるといった好循環につながるのか、アベノミクス が本当に成果を示せるのか正念場を迎えようとしています。
最初に株価上昇ありき。景気の気が明るくなり政治の安定につながるというのが現政権の狙い。
日本からトヨタやホンダに続くような世界的企業が輩出されれば、株式市場はさらに活況を呈するでしょう。その担い手がどこかを投資家は模索しているよう にも思われます。私見ながらファーストリテイリングやブリヂストン、ユニ・チャーム、花王などの日本発一大消費財企業がどうやらその担い手になっているよ うにも思えます。IT・通信系では楽天、ヤフー、ソフトバンクへの評価が高まっています。ダイキン、コマツなどのグローバル企業もその担い手であろうかと 思います。
そうした中長期的に見ても成長の余地がある資産株候補をそう簡単に売る手はありません。グローバルな視点で競争に負けてしまっている企業はよほどの起死回生策が必要です。株価が上昇しているどこかで売りのタイミングを図るべきかと思われます。
上がってきた株をいつ売れば良いか、という贅沢な質問をしてこられる方がいますが、その株よりも魅力的な株が見いだせればその株を売却してより魅力的な株に乗り換えなさいと言うしかありません。
でも株は株。どのような株も全体相場に転機が訪れれば上昇は止まりますし、下降トレンドの開始で株価水準が下がってきます。日経平均が1万3000円に 接近する中、どこで利益を確定するかを検討するかよりは、多くの投資家はまだ買える株はないかと積極的に投資対象を見出そうとしている現実もあることを知 る必要があります。
持ち株を売るタイミングにはテクニカル上の行き過ぎ場面、業績への不安が生じた場合、銘柄入れ替えなどが背景になるかと思います。
3月決算銘柄の配当金を得た投資家の皆さんは新たな決算期の見通しに期待を抱いて更に所有するか、一旦利益を確定させるかを検討しないとなりません。 2014年3月期の決算見通しが明るくなると見られる企業をこの段階では、見出すことにしたいと思います。但し株価にそれがどこまで織り込まれているかを 見分けるのは相応の経験値が求められます。
上がってきた株をどのタイミングで売るのか、売らないで保有し続けるのかを皆さんもよく考えて頂ければ幸いです。一方では資産増殖に向けたポートフォリオ戦略をどうやって構築していくかを研究することを忘れないことです。
(炎)
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