国内株式市場は先週金曜日からのNY市場の大幅下落を受け、日経平均株価で月曜日に592円安、火曜日に1,071円安と、久々に大きく下げました。
 月曜日は日経平均株価が-2.55%、TOPIXが-2.17%、日経JQが-2.37%、マザーズが-2.72%の下げ、火曜日には日経平均株価が-4.73%(一時は1,600円以上の下げ)、TOPIXが-4.23%、日経JQが-7.16%、マザーズ-9.17%の下げとなりました。

 昨年10月中旬からの約3ヵ月間の値上がり分(約3,000円)が1月24日からの僅か10営業日で消えました。崩れるときは早いです。


 やはり、このような時には小型株の下落幅が大きくなるようですが、指数面を見ると、TOPIXより日経平均の方に指数ベースの取引をする短期投資家(ファンドなど)が集中するため値動きが荒くなります。

 1月下旬以降、下げ始める中で短期の空売りも増えていましたしプットの取引残も増えていましたので、短期投資家が日米の市場で指数を押し下げて儲けるタイミングを計っていたのでしょう。ここ数年は投機資金が巨額となっているため、流動性の高い株式市場の指数は彼らの格好の投資対象となっています。

 月曜日からの大きな乱高下は先物主導の下げとなっており、海外市場でも国内市場でもHFT(高速取引)の弊害が目立ちました。火曜日には先物主導の売りに触発された短期資金も追随して個別株への空売りを増加させ、一転して水曜日の寄付きには一斉に買い戻しが入りましたが、その後に改めて先物で売り崩される動きが出てくると上値が重くなりました。午前10時頃からは指数寄与度の高い値嵩株を売るプログラム売買が目立っていました。


 値動きが荒くなるほどに取引全体の7~8割がファンドなどの短期資金による指数売買に偏りますので、真面な中長期投資家は様子見となり指数だけが乱高下します。

 こうなると単なる博打場ですので、落ち着くまで、またはいい加減安くなったと判断出来るまでは下手に参加しないよう注意せねばなりません。会社業績や価格・投資理論などは無視でテクニカル売買による攻防だけになりますから。

 恐らくは主要国の低金利政策が続く限り、これからも株式市場は何かきっかけを探しては大きく動くという場面が増えることと思います。


 もっとも、リーマンショック後の2009年頃からアベノミクス相場がスタートするまでの4年間は1万円前後を行ったり来たりの、値幅も小さい、つまらない市場でしたね。
 その頃に「安過ぎるなぁ~」と感じて買っておいた高配当銘柄や優待銘柄がこの5年間で大きく値上がりして良かった、と言う嬉しい本音もありますが(^^)

 昨年辺りから気になっているのが、目立たなかった中小型の割安銘柄や成長期待銘柄にも資金が流れ込んでおり、諦めていたような銘柄が思わぬ上げ方をすることです。これはAI投資の増加が影響しているのかも?と考えています。
 過去には証券会社のアナリストが取り上げない小型株などは注目されず放置されていた訳ですが、AIが全上場銘柄を分析して銘柄を発掘してくれるために、割安なまま放置される銘柄が減っている理由ではないか?と言う訳です。


 もしそうなら、ちゃんと研究して「将来性がある」または「割安である」という銘柄を買っておけば、そのうちAIが見つけ出して買ってくれると言う事ではないかな?と期待してしまう訳です。
 以前なら幾ら良いと思っても投資家に注目されない限りは塩漬けになるケースが多く、下手に「買っておく」と言う投資はし辛かったのですが、AIが見つけ出してくれるなら安心して「買っておく」ことが出来ます。


 足元では仮想通貨の投機第一波が終わっただけで、世界的にも大きな経済の変調は見られません。少なくとも国内株式市場はまだ十分にはユーフォリックになっていませんから、「バブル崩壊」と言うにはちょっと早過ぎる気がします(^^)。
 投機筋は何かと相場を動かそうとしているようですが、今回のような下落時には、もちろんマーケットが落ち着いてからですが、上記のようなポジションを作っていくのに良い機会になるのではないでしょうか。


 時間の変化とともに投資への考え方もドンドンと変えていかないと時代に取り残されちゃうなぁ~。と考える今日この頃です。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)