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小学生のころから太り気味

私が「太っている」という自覚を持ったのは、中学1年生くらいのころだったと思います。

身長が160cmある私は、この年代にしては平均より背が高く、それ故に体重の重さを気にしたことはそれまでありませんでした。

実際の体重はというと、その歳の女児の平均は上回っていましたし、肥満と診断されるほどではないにしても、太り気味であることは間違いないという状態でした。

しかし小学生までは、身体測定があっても結果を友だちに見せることに抵抗もありませんでしたし、異性にも臆することなく接することができていました。

ところが生理が始まりいざ思春期に突入すると、急に自分の足が太く見え、周りの友だちが華奢で可愛く見えてきたんです。

同じ制服を着ているのに、なぜ私はこんなに醜く太っていて、友だちはあんなにすらっとした長い脚を持っているんだろう。

どうして私の顔はこんなに大きくて脂肪がたくさんついているんだろう。

と、段々と自分の容姿を卑下するようになっていったんです。

傷ついたのは知らない人の言葉

そんな自分の容姿に関する悩みを相談できる相手は誰もいませんでした。

父はリビングでくつろぐ私の側に来たかと思うと、自分の足を隣に並べて見せて

「お前の足はお父さんのより太いなあ!」

なんて笑う始末でしたし、逆に母はというと

「太っているのは今だけだから大丈夫よ。お母さんもアンタくらいのころはプクプクしてたし。大人になったら自然と痩せるから」

としか言わないんです。

私が困っているのは今であって、大人になってからの話をされてもどうしようもないとしか思いませんでした。

おまけに「自然と痩せた」はずの母は、その頃ものすごく太っていて完全なるおばさん体型だったんです。

言葉に説得力というものがありません。

父に真面目に悩みを相談してバカにされるのも、母に適当な慰めの言葉をかけられるのも、嫌で嫌で仕方がありませんでした。

そしてその頃、私のコンプレックスが決定的になった出来事が起こりました。

それは高校生のときです。

その日は顧問の先生の都合で部活が早く終わり、まだ日も暮れないうちから私は自転車で帰宅していたんです。

季節は夏。

私は半袖のカッターシャツにプリーツスカートの制服を着ていました。

家から持ってきた飲みものがなくなってしまい、お茶でも買おうとコンビニへ寄ったんです。

自転車を止めて店内に入りペットボトルのお茶を購入。

お店の自動ドアをくぐったとき、横から男の人の声がしました。

「おい、そこのデブ」

まさか初対面の知り合いでもない人に、そんな呼びかけられ方をするなんて夢にも思いませんよね。

自分のことだとは思わず、私は自転車の方へ歩いていきました。

すると、

「おい、デブっつってんだろ!」

その男の人は私の後ろへ立って、私に向けて声をかけたんです。

ふりむくと茶髪の軽薄そうな若い男性がいました。

いくら田舎とはいえ、私も女子高生です。

さすがにこの人に関わってはいけないという思いが強くなり、急いで自転車に乗ってその場を立ち去りました。

男性は何度かこちらへ向かって叫んでいましたが、聞こえないふりをして逃げきったんです。

植え付けられていくコンプレックス


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