目尻から目頭に向かっていく途中で、二重ラインが目頭を覆っているまぶたのひだ「蒙古ひだ」のなかに収まる「末広二重」。
一説によると、二重まぶたを持つ日本人の8割程度がこの末広二重の持ち主だと言われています。
末広二重は、蒙古ひだを持つわたしたち黄色人種(モンゴロイド)に特有の二重の形。
蒙古ひだを持たない欧米人のようにくっきり、ぱっちりとした平行二重も素敵ですが、日本人の顔には自然な末広二重が特に似合うといわれており、末広二重にしかない魅力もあります。
実はこの末広二重、生物学上とても重要な役割を担って誕生したものであり、また、アジア人が欧米人よりも若く見られやすいことの一因にもなっているんです。
蒙古ひだについて
蒙古ひだは「内眼角贅皮 (ないがんかくぜいひ)」とも呼ばれ、上まぶたの目頭のあたりを覆うひだのこと。
わたしたち黄色人種特有のものです。
蒙古ひだはわたしたちの祖先が寒冷地域で暮らしていたころの名残で、寒さや砂塵から涙腺を守るために発達したものだと言われています。
また、蒙古ひだは加齢ととも目の周りの脂肪が減っていくにつれて小さくなっていきます。
目もとを若々しく見せてくれる蒙古ひだ
蒙古ひだのあるまぶたは皮膚に厚みやハリがあるため、蒙古ひだがない場合と比べてクマができにくく、また、皮膚がたるんだりシワが寄ったりしにくいとされています。
欧米人に日本人は若々しいといわれるのは、蒙古ひだの存在がひとつの原因になっているのでしょう。
一重まぶたと二重まぶたの違い
基本的に蒙古ひだがある人は、一重か末広二重になります。
また、一重は蒙古ひだのある人特有のまぶたの形です。
「眼瞼挙筋(がんけんきょきん)」という筋肉がまぶたを持ち上げて目を開ける際、表面の皮膚まで持ち上げることができず、目の上にまぶたがかぶさった状態が一重まぶた。
皮膚が厚かったり、脂肪が多かったりするまぶたは一重になることが多いようです。
そもそも末広二重とは?
まぶたの二重ひだの形状は、大きく分けて「平行型」「末広型」の2種類です。
末広二重は、末広型の二重まぶたのことを指しています。
平行型
蒙古ひだがなく、二重のラインが目頭の際まで届いている、もしくは蒙古ひだがごく小さいため、そこを乗り越えて二重のラインが目頭の方まで届いているタイプ。
黄色人種以外のほとんどの人種の上まぶたはこの平行二重をしています。
末広二重とは異なり、目頭が蒙古ひだに覆われない分、眼球が露出する面積が大きくなるようです。
末広型
二重のラインが目頭側で蒙古ひだの中に入り込んでいるタイプ。
日本人はもちろん、黄色人種で二重の人の多くがこの末広二重のまぶたの持ち主です。
また、末広型で二重幅が狭く、ひだがほとんど見えないものは奥二重と呼ばれています。
末広二重も奥二重も二重幅によってずいぶん雰囲気が変わりますが、基本的な形状はこの2型。
末広二重と奥二重の違いは、おおざっぱにいうと蒙古ひだがあるかどうかです。
末広二重の魅力
末広二重の魅力は、
- どちらかというと幼い、かわいらしい印象の目もとになる
- 日本人の顔に自然になじみやすい
- クマができにくい
- 老けにくい
などさまざまあります。
同じ二重でも目頭まで切れ込んだ平行二重は顔立ちをくっきりとシャープに見せ、どちらかというとクールで大人っぽい雰囲気にしてくれますが、末広二重の場合は逆で、目元に愛らしさを与えてくれるよう。
また、全体的に彫りが浅く、凹凸の少ない日本人の顔には、平行二重よりも末広二重のほうが自然で似合う場合のほうが多いです。
末広二重は皮膚に厚みがあるので、目もとが老けたりやつれたりしたように見えにくいという利点もあります。
自力で末広二重をつくる方法
美容整形をしなくても、自力でまぶたを末広二重にしたり、一時的に末広二重に見せる方法はいくつかあります。
自宅で手軽に末広二重をつくることのできるアイテムや方法を知っておきましょう。
自力で末広二重をつくる方法1:アイプチ
手軽に二重をつくれる商品として人気なのがアイプチ。
アイプチで末広二重をつくる場合、目頭側に多めに液を塗るとうまくいきやすいようです。
アイプチを使い続けているうちに二重のラインが定着し、アイプチなしでも二重になるようになったという人もいるので、アイプチを続けていれば二重の癖がついてくれちゃうかも。
ただ、アイプチをしている人の中のなかにはノリで皮膚がかぶれてしまう人もいるので、なにか炎症が起きたらただちに使用を中止し、皮膚科などに相談しましょう。
自力で末広二重をつくる方法2:アイテープ
まぶたに貼るだけで二重まぶたが作れるアイテープ。
末広二重にする場合はテープを貼る際、目頭側を低めの位置に貼るといいでしょう。
アイテープもアイプチ同様、頻繁にアイテープをつけていたら、アイテープをつけなくても二重になるようになったという人もいるようです。
ただ、頻繁にアイテープをつけていると炎症が起きる場合もあるので、まぶたの状態を気にしながら使用しましょう。
自力で末広二重をつくる方法3:絆創膏
絆創膏による二重メイクは、
- まぶたの脂分をコットン等でふきとり、清潔な状態にする
- ハサミで絆創膏の両端のアーチ型の部分を細く切り取り、同じものをもうひとつ切り抜く
- 切り取った絆創膏の剥離紙をはがす
- アイプチ用のプッシャーなどでまぶたにつくりたい二重ひだのくせをつける
- 目を開けた状態で絆創膏を軽く伸ばしながら、まぶたの二重のラインをつくりたい位置に貼る
- プッシャーで絆創膏が取れないようにしっかりと貼り付ける
- あまった絆創膏を眉毛用のはさみなどでカット
という手順。
使用する絆創膏は、剥がれを防止するために、防水タイプのものや、違和感を与えない透明色のものを使いましょう。
末広型の場合は、二重幅をあまりとらずに貼るのがおすすめです。
自力で末広二重をつくる方法4:つけまつげ
つけまつげを装着するだけでもまぶたを末広二重にできる場合があります。
目尻のほうにいくにつれて自まつげの生え際よりも少しずつ上にずらしてつけまつげをつけると、末広二重になりやすいです。
使用するつけまつ毛は、なるべく芯が固くなっているものを選ぶといいでしょう。
自力で末広二重をつくる方法5:ダブルライン
一重の人向けの末広二重の作り方。
やり方は、
- アイホール全体にブラシで茶系のシャドウをのせてベースをつくる
- 茶系のペンシルアイライナーで好みの二重ラインをすこし太めに濃く描く
- 2を綿棒などで目頭に向かって入念にぼかす
- 2のラインの内側の部分に白系色のクリームシャドウを塗る
- 目の際に好みのアイラインを引く
の5ステップ。
はっきりとしたラインにしたい場合、ステップ2で書くアイラインを細めにするといいでしょう。
近くでじっと見られたら見破られてしまうかもしれませんが、遠目には結構わかりにくい方法です。
整形で末広二重をつくる方法
より確実に末広二重のまぶたを手に入れたいなら、やっぱり美容整形がいいでしょう。
一重の人と平行二重の人では、必要な施術が異なります。
一重の人の場合
一重の人の場合、二重まぶたにすると自動的に末広二重になることがほとんど。
二重まぶたを形成するための整形法には、大きく分けて「埋没法」と「切開法」の2種類があります。
埋没法
埋没法は、まぶたの内側から糸を留めて二重まぶたをつくるというもの。
メスで大きく切開する必要がなく、術後に腫れや内出血が生じる期間は比較的短めです。
糸で留めるだけなのでやり直しがききやすいですが、効果は半永久的ではなく、いつかは糸が取れて二重のラインが失われてしまいます。
埋没法であまり幅の広い二重まぶたにすると取れやすくなってしまうので、目を閉じた状態で6~7mm幅以下の二重にするのがおすすめです。
切開法
切開法は、まぶたを切開して余分な組織や脂肪などを除去したのち、目を開ける時に瞼板という組織と皮膚を癒着させることで半永久的に消えない二重ラインを手に入れられるというもの。
切開の規模は部分切開と全切開に分かれており、切開する範囲が大きければ大きいほど術後のダウンタイムは長くなります。
また、まぶたの厚みを調整することができるので、埋没法ではすぐに取れてしまう人や、1度手術を受けたら2度と消えない二重ラインを手に入れたい人におすすめな手術法です。
平行二重の人の場合
平行二重の人の場合、蒙古ひだを形成するか二重のラインを修正するかで末広二重に変えることができるよう。
キレイな末広二重を作るために、蒙古ひだを作っちゃうんです。
蒙古ひだ形成
末広二重を手に入れるために、目頭周辺の皮膚を切開し、蒙古ひだをつくります。
手術前と比べるとやや目が離れ目気味になるので、もともと目と目の間隔が広い人にはあまりおすすめできないかもしれません。
切開により二重の内側の幅を狭くする
まぶたの目頭側を中心に二重のラインの下の皮膚を切開し切除することで目頭に向かって二重ラインが狭くなっていく形にし、二重のラインを修正する手術があります。
もともとある程度の蒙古ひだを持っている人や目頭側の二重幅があまり広くない人に適しています。
蒙古ひだがない人や目頭側の二重幅が極端に広い人の場合は、蒙古ひだ形成と切開により狭くする手術を組み合わせて末広二重形成が行われることが多いようです。
さらに二重幅を変更したい場合は、埋没法や切開法なども一緒に行われることがあります。
末広二重は愛されガーリーな目元にしてくれる
末広二重は顔を若々しく見せてくれたり、ガーリーな印象を与えてくれたりします。
アイプチやアイテープ、絆創膏、つけまつげなどのアイテムを使えば、自分で末広二重を作れちゃうかも。
また、末広二重にする整形には埋没法や切開法などがあり、もともと平行二重の人は蒙古ひだを形成するところから始めたほうがよさそうです。
そして、末広二重といってもデザインはさまざまあります。
1番自分似合に似合う末広二重の形を探してみましょう。
images via Shutterstock
written by エクリトアコ
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