セルライトにまつわる噂のひとつに、「セルライトがまわりの組織を圧迫し、痛いことがある」なんて話があります。
実はこれ、医学的根拠のないウソなんです。
「セルライト」は太ももなどのボコボコとした脂肪に対して、美容業界によって名づけられました。
ところが医学的には特に名前がついた特殊な組織ではなく、ほかの部分に付く脂肪と特に変わりのないものなんです。
だから、ほかの脂肪と同じように、セルライトも痛みの原因になることはありません。
ですが、本当に脚に痛みがある場合、それはセルライトのせいではなく、他の病気が原因かも。
今回は、セルライトと勘違いされてしまうこともある病気を紹介します。
脚がむくんで痛いなら下肢静脈瘤かも
脚がむくんで痛いうえに、血管が浮き上がって見えるようなら、それは下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)かもしれません。
下肢静脈瘤は下半身の静脈の不調によって起こるもので、血管の浮き上がりのほか、脚の痛みやむくみ、だるさなどを伴うことも。
女性や、立ち仕事をしている人に多くみられるのが特徴です。
すぐに命に関わる病気ではありませんが、放置しても自然に治るものではなく、病状は少しずつ進行していきます。
初期のうちあれば、薬剤の注射で治療をすることもできます。でも、重症化してしまうと、浮き上がった血管を引き抜く手術を受けなければいけません。
脚が痛い、だるい、血管が浮いて見えるといった症状があれば、早めに血管外科や形成外科などのある病院を受診してみましょう。
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下肢静脈瘤は脚の静脈に逆流が起き血管が浮き上がる病気。自覚症状には、かゆみや痛みなどがあります。女性、妊婦、立ち仕事が多い人、40歳以上の人などに多くみられます。症状の進行予防には医療用弾性ストッキング、積極的治療には「硬化療法」「血管内治療」「ストリッピング手術」などが有効です。
痛みのない脂肪のかたまりは、脂肪腫かも
下肢静脈瘤のように痛みはないけれど、ダイエットしても小さくならない脂肪のかたまりができる場合もあります。
セルライトは普通の脂肪なので、ダイエットに成功して体重が落ちればだんだんと目立たなくなるもの。
でも、やせても小さくならない脂肪があるようなら、良性腫瘍である「脂肪腫」を疑ったほうがいいかもしれません。
脂肪腫は、皮膚の下にできるやわらかい脂肪のかたまりのこと。全身どこにでもできる可能性があり、特にお尻や太ももにできやすいそう。
脂肪腫は、太ると大きくなりやすいのですが、だからといって痩せても小さくなることはありません。また、痛みやかゆみなどの症状がないのも特徴。
良性の腫瘍なので、気にならなければそのままにしておいても大丈夫ですが、放置しておくと徐々に大きくなることもあります。
もし日常生活に支障が出たり、見た目が気になったりするようであれば、切除手術が受けられます。いずれの場合にも健康保険が適用できるのがうれしいところ。
手術は形成外科や皮膚科で行い、皮膚を切開して脂肪の袋を取りのぞきます。
小さいほうが除去費用も安く済むので、気づいたら早めに取ってしまったほうがいいかもしれません。
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皮膚の下にできる良性の腫瘍、脂肪腫。悪いものではないので必ずしも治療は必要ありませんが、整容目的で除去手術をする人も多いです。小さい脂肪腫は、外来手術で摘出ができます。30~50代の人にできやすい脂肪腫。いまのところその原因ははっきりしていないよう。大きなものや急激に成長するものは、悪性の腫瘍かもしれないので、自己判断せずに病院で診察してもらいましょう。
脚の痛みが気になるなら病院へ相談を
もし、脚がむくんで痛みが起きたり、痩せても小さくならない脂肪の塊があったりするときは、セルライトではなく他の病気を疑ったほうがいいかも。
下肢静脈瘤も脂肪腫も、ただちに命にかかわる病気ではありませんが、病状が進行すると治療にも時間や費用がかかってしまいます。
気になる症状があったら、自己判断せずに病院を受診しましょう。
written by nodoguro
提供元:NICOLY
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