ドラッグストアやスーパー、コンビニなどでも手軽に買えるサプリメント。たくさんの種類がありますが、なにを基準に選べばいいのでしょうか?

まずは確認! アンチエイジングサプリメントは「食品」です

果物市場

サプリメント(supplement)は「栄養補助食品」や「健康補助食品」という意味。

「食品」なので、医薬品のように症状を抑える即効性を期待した「○○が治る」「××に効く」という表記は禁止されています。サプリメントは普段の食事に足りない分の栄養素を補助する目的で飲むもの、としっかり頭に入れておいてくださいね。

サプリメントを選ぶときは、普段の食事に足りない分の栄養素を知る必要があります。栄養素といってもたくさんありますが、ここでは3つの栄養素に分類して考えましょう。

必須栄養素:身体機能の維持に必要な栄養素

亜鉛、カリウム、クロム、セレン、ナトリウム、マグネシウム、食物繊維、ベータカロチン、レシチン、葉酸、ビタミンA・B1・B12・B2・B6・C・D・E・Kなど

副栄養素:摂取することで身体機能を順調にする栄養素

イソフラボン、カテキン、Lカルチニン、ポリフェノールなど

機能別栄養素:予防を期待して摂取する栄養素

アガリクス、イチョウ葉エキス、ウコン、キチンキトサン、オルニチンなど

必須栄養素や副栄養素が不足しているときに機能別栄養素を摂取しても大きな効果は期待できません。なので、必須栄養素>副栄養素>機能別栄養素の順に補っていきましょう。

アンチエイジングに効果的な「必須栄養素」はどれ?

ビタミンC(アスコルビン酸)

ビタミンCは抗酸化作用が強く、免疫力を強化するのでアンチエイジングの他、風邪の予防にも効果的です。体内でコラーゲン生成を助け、メラニン色素が皮膚に定着するのを防ぐ働きがあります。

ビタミンCは体内に貯めることができないので、毎回の食事でこまめに摂取したい栄養素です。また、喫煙によって分解されるので、タバコを吸う方は多めに取りましょう。

イチゴやグレープフルーツなどの新鮮な果物、ピーマン、モロヘイヤ、ブロッコリーなどの野菜にビタミンCは多く含まれています。

ビタミンD(カルシフェロール)

ビタミンDはカルシウムが骨に運ばれるのを助け、免疫力を向上させる働きがあります。ビタミンDは食べ物からではなく、主に皮膚に紫外線を浴びると体内で生成される成分です。

紫外線の浴びすぎは老化のもとになりますが、ビタミン生成のためには毎日昼間に10分程度日光に当たりたいものです。食べ物ではカツオやマグロに含まれていて、週に2切れほど食べれば十分補えます。

ビタミンE

ビタミンEは活性酸素とすばやく結びつくことで細胞を守り、血管の弾力性を保ち老化を防ぐ働きがあります。ビタミンEはナッツ類や、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれています。

ビタミンEはビタミンCと一緒にとると効果をより発揮します。老化を妨げるということで多めに摂りたいと思ってしまいますが、多すぎると体内に蓄積されるだけで効果はないので、過剰摂取には注意しましょう。

メチオニン

メチオニンは必須アミノ酸のひとつで、人間の体内では合成できないため食事で取り込む必要があります。メチオニンには肝臓内の老廃物や毒素を排除して代謝を促進したり、抗酸化ミネラルの「セレン」を運搬し細胞の酸化を防ぎます。

メチオニンは枝豆、マグロ、カツオ、しらす干し、鶏卵などに多く含まれているので、積極的に摂っていきたい成分です。

アンチエイジングに効果的な「副栄養素・機能別栄養素」

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをするとされ、骨粗しょう症や女性の更年期障害を軽くする働きがあります

大豆イソフラボンは納豆や豆腐などに多く含まれます。妊娠中に過剰摂取すると胎児の発達に影響を与える可能性があるので、サプリメントはお休みしましょう(大豆食品から摂取する量であれば問題ありません。)

システイン

システインはアミノ酸の一種で、肝臓でグルタミン酸、グリシンと結びついてグルタチオンになる物質です

グルタチオンは強力な抗酸化物質で、老化の原因になる活性酸素や過酸化物質を分解する働きを持っています。また、シミの原因となるメラニンをつくる酵素の働きを抑えます。

システインは芽キャベツやブロッコリーに多く含まれており、システイン分子が2個結合した「シスチン」はニンニク、ニラ、タマネギ、鶏卵などに多く含まれています。

アントシアニン

アントシアニンはポリフェノールの一種で、紫色の天然色素です。植物が紫外線から身を守るためにつくる成分で、抗酸化作用があります

アントシアニンは、クランベリー、カシス、アサイー、ナス、赤タマネギなどに含まれています。紫色の野菜や果物には基本的に入っていると思ってください。

ビタミン剤とサプリメントに効果の違いはあるの?

ノートに何かを書いている女性

製薬会社から発売されている医薬品表示のあるビタミン剤と、サプリメントのビタミンはどう違うのでしょうか

もともと日本ではビタミン剤は医薬品として取り扱われていましたが、規制緩和により食品として販売することができるようになりました。医薬品は薬事法で定められた基準をクリアしたものであるため、効能を表示することができ、服用する用量も定められています。

例えば医薬品のビタミンC剤には「シミやそばかすに効く」と、はっきりと記載されています。一方で食品であるサプリメント製品では「透明感ある美しさを目指す」と、やや曖昧な表現になっています。

用量についても、ビタミン剤は「1日○錠服用」、サプリメントは「1日▲粒を目安に」という表現をしています。

医薬品のビタミン剤の方が効果の高いものが含まれていると思ってしまいますが、成分表示を見比べるとサプリメントでも同じものが入っていたという場合もあります。成分の種類や含有量をよく見比べて、自分に必要なものを選択しましょう

サプリメント服用にも「休肝日」が必要!?

ベッドの上で困っている女性

サプリメントの摂り過ぎは身体に負担をかけるので、お酒と同じように定期的に「休肝日」を設けて休ませてあげましょう。とくに肝臓や腎臓に、サプリメントは負担をかけます。

肝臓は身体に入ってくる全ての有毒物質の分解を行っている器官です。

肝臓はもともと再生機能がとても強い器官で、肝臓移植などで一部を切り取っても数ヶ月で完全にもとの状態に復活するほどなのですが、強い毒やアルコールの分解で長期間酷使されると、急速に衰え解毒機能が低下します。

腎臓は身体のフィルターの作用をしています。肝臓で分解された栄養素から身体に不要な物質を取りのぞき、尿と一緒に排出することで、体内に有害物質が流れ出さないようにしています。

腎臓も毒素にさらされやすい臓器ですが、肝臓と違い細胞の再生機能がないので、腎機能が壊れてしまうと毒素が血液に流れ出してしまいます。

肝臓と腎臓が弱ってしまうと身体に毒がたまっていくばかりです。なので定期的に休ませてあげましょうね。

サプリはあくまでも「補助」、食事を基本に考えよう

アンチエイジングの基本はバランスの良い食事です。その上で、不足した分をサプリメントで補助しましょう。サプリメントばかりを何十種類も飲んでも、食事の代わりにはならないということを忘れないようにしてくださいね。

提供元:コンプレックス解決メディア NICOLY