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皆さんは、コンプレックスってどれくらいお持ちなんでしょうか。
私は幼少期からコンプレックスの塊でした。
人一倍外見の美しさに関しては敏感であり、ざっと挙げるだけでもA41枚がすぐにいっぱいになってしまうことでしょう。
その中でも、特に私が悩んでいたことがありました。
それは、ガタガタに生え揃った前歯です。
こうして文章に書くのも恥ずかしく、出来れば誰にも言いたくはないのですが、私と同じようにコンプレックスで、長年悩みを持っている方の気持ちが少しでも軽くなればと思い、ここに私の半生を(大げさですね)書かせて頂きます。
強いけどガタガタの前歯
そもそも私がこの前歯を気にし始めたのは、小学校6年生の時です。
それまではキュッとしまった小さな顎に、白く小さな歯が愛らしいと周りから褒めてもらっていたので、コンプレックスには思っていませんでした。
歯医者さんへ行けば、「丈夫な歯だね、ステインも付着しにくいし、白くて綺麗だね。ただ、この前歯の裏側は磨きにくいでしょう。虫歯にならないように丁寧にブラッシングしてね。」と指導をされていました。
私の前歯、上の前歯はタレントの優香さんと同じく、内側に倒れています。
下の前歯はリアス式海岸のようにガタガタで、特に右の前歯は90度横に傾いていました。
口をつむっていれば全くわかりませんし、ニコッと笑うと上の前歯がちらりと覗く程度で、私自身さほど気になりませんでした。
そう、ずっと気にならなかったです。
写真で客観的に自分をみて
そして迎えた小学校6年生の遠足。そこでカメラマンの方にたくさんの写真を撮ってもらい、あとで希望の番号を伝えて焼き回ししてもらいました。
届いた写真を両親に見せながら思い出に浸っていると、私と友人がアップに出てきました。
今までないくらいの満面の笑みでの1枚です。
ふと私の歯を見ると、真っ白で綺麗は綺麗なのですが、前歯の傾きがはっきりと映し出されていました。
この明らかな傾きは、本当にショックでした。毎日鏡で見ているはずなのに、何故か忘れられない1枚になってしまい、それから大きな口を開けて笑うことはなくなり、話す時ももそもそ話すようになりました。
あの時の写真は、今でも鮮明に覚えています。
「あんな醜い歯並びを、決して人に見せるものか」と心に近い、写真を撮る時は口をつむって撮る癖がつきました。
コンプレックスで歪んでいく心
人はコンプレックスを持つと、それが美しい人に強い憧れを持ちますよね。
逆に自分と同じような欠点を持つ人を見ると、どう思うのでしょうか。
私の場合は、ガタガタな歯並びを見ると嫌悪感を抱きました。
「この人はひどく汚い歯並びなのにそれを隠そうともせず、どういう神経で大口を開けて話したり、笑ったりしているのだろうか」と思い、なるべく避けました。
一度コンプレックスを持つと、人の心はこんなにも歪んでいってしまうのでしょうか。