▼第543号
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                     2023/07/25

夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』
          vol.543
    【「結果にコミットしない」ビジネス】
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《目次》
01.時事ネタキュレーション
02.先週の出来事
03.Reading the world
04.Q&A
05.Product Lab
06.Good Food Good Life
07.ビジネスモデル分析のバックナンバーをピックアップしてみた
08.編集後記

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【01.時事ネタキュレーション】
 日々のニュースも見方を変えればいろいろなことが見えてくる。当コーナーは未来を読むためのニュースを、私がキュレーターとなって解説していくものです。
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【国内ニュース】
◆ライドシェア解禁再燃、「タクシー王子」川鍋 vs「Zホールディングス」川邊の神経戦
https://bit.ly/43B6VDq
〈要約〉
 日本でライドシェア解禁の議論が再燃。夏の観光シーズンにタクシーの人手不足が深刻化。解禁派優勢だが、タクシー業界からは強い反対も。

〈コメント〉
 ライドシェアは高齢化や人口減少という日本特有の問題に対応する効果的な解決策。さらに、タクシードライバーの高齢化やドライバー不足にも対応することができる。

 しかし、ライドシェアの解禁に強烈に反対しているのが、他ならぬタクシー業界だ。
 特に日本タクシー協会の川鍋会長は、興銀(現みずほ銀行)からMBA留学しマッキンゼーに転職したのち、家業の日本交通の経営者となっている。頭が切れるだけでなく、元総理の中曽根さんの孫と結婚し、政治力も強い。
 ライドシェアに関しては既存のタクシー業界の反対が根強く、その働きかけにより多くの議員が積極的に進めようとしない。解禁には長い道のりが必要だし、ライドシェアをブロックしている日本交通の川鍋氏の罪は重い。

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◆日本を代表するIT企業はどこで間違えたのか…楽天を存続の危機に追い込んだ三木谷社長の「3つの大誤算」 モバイル事業黒字化の見通しはあまりにも遠い
https://bit.ly/3QhnRfc
〈要約〉
 楽天モバイルの業績不振が楽天グループ全体を苦境に陥れている。基地局設置、プラチナバンド問題、官製値下げが誤算となった。

〈コメント〉
 たしかに楽天が、モバイル事業を甘く見ていたのは事実だろう。記事で取り上げられている「基地局設置・プラチナバンド問題・官製値下げ」の大誤算ももっともだ。
 これに加えて、「仮想ネットワーク」という聞こえのいいコンセプトがうまく動かなかったことも大きな誤算だろう。
 楽天の戦略の一部として「仮想ネットワーク」というコンセプトが採用されたが、これもまた期待したほどの効果を上げていない。

 今後は、楽天をコンペなしの状態でモバイル事業に引き込んだ総務省が、この問題の着地点を見つけるだろう。さて、現実的に考えたとき、楽天のモバイル事業を吸収するのはNTTか、KDDIか。

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◆「アップルGPT」開発中、オープンAIやグーグル追う-関係者
https://bit.ly/44Opo0y
〈要約〉
 米アップルがAIツールの開発を進め、大規模言語モデルの独自フレームワークや「アップルGPT」を作成。消費者提供戦略は未定。

〈コメント〉
 MicrosoftがOpenAIへの大投資を行い、Googleが独自開発を進め、さらにMetaが新規参入を果たすこの時代、Appleも自社のAIツールを開発する動きは避けて通れない流れ。

 しかもAppleが既に持つサービス、特に音声アシスタントのSiriとAIとの組み合わせは、新しい価値創出や利便性向上に重要な鍵を握る。
 市場競争が激化する中で、AppleのAI戦略が今後どのように展開するのかは注目。そして、こういった競争の激化はユーザーにとっては朗報となる。