▼第544号
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                      2023/08/01

夏野剛メールマガジン 週刊『夏野総研』
          vol.544
   【タクシー王子、ダークサイドへ堕ちる】
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《目次》
01.時事ネタキュレーション
02.先週の出来事
03.Reading the world
04.Q&A
05.Product Lab
06.Good Food Good Life
07.ビジネスモデル分析のバックナンバーをピックアップしてみた
08.編集後記

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【01.時事ネタキュレーション】
 日々のニュースも見方を変えればいろいろなことが見えてくる。当コーナーは未来を読むためのニュースを、私がキュレーターとなって解説していくものです。
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◆NTT、「楽天潰し」のドコモ新プラン 開いた消耗戦の第2幕
https://s.nikkei.com/47aHsDU
〈要約〉
 NTTドコモが2つの新料金プランを発表。1つ目は条件次第で業界最安の小容量プラン、2つ目はデータ利用量に応じて料金が変動するプラン。

〈コメント〉
 新料金プランの発表に「楽天潰し」との声があるが、見当違い。これは単にOCNモバイルの看板の付け替えにすぎない。
 そもそもMNOが自社でMVNOを運営するのはいかがなものか。公平性に問題があるし、正しい競争を歪める可能性がある。
 消費者にとってよりよい環境は、業界内での競争があってこそ実現していくもの。公正な競争のためにも、MNOが自社でMVNOを運営することは制限あるいは禁止すべき。

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◆NTT株売却検討に着手 自民、防衛財源確保巡り
https://bit.ly/3KlNPKK
〈要約〉
 自民党の萩生田氏、政府保有のNTT株売却による防衛費財源確保を提唱。NTT完全民営化の可能性も含む。

〈コメント〉
 萩生田氏の意見は的を射ている。政府がNTTの株を一部保有するという現状は、一見すると規制や管理に役立つように思えるが、逆にビジネスの動きを縛り、国際競争力を損なう可能性もある。
 通信環境が発展し、国際的な競争も厳しくなっている中で、政府が通信会社の一部を保有する理由はもはや見当たらない。
 しかも株式の売却が進めば、政府は増税せずに防衛費を増額することもできる。

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◆Microsoft、日本政府にChatGPT技術提供 答弁案に活用
https://s.nikkei.com/3OEdotq
〈要約〉
 マイクロソフトが対話型AI「ChatGPT」の技術をデジタル庁に提供。国内設備で機密情報を扱い、国会答弁や議事録作成に利用。

〈コメント〉
 国会での答弁や議事録作成は一般的にはクリエイティブさよりも正確さが求められる業務。
 つまり、ChatGPTのようなAIの使用は非常に適している。データの正確な分析と管理を通じて、行政の効率性を向上させてくれるはずだ。