人間の三大欲求のひとつである「食欲」。ただでさえ食欲に打ち勝つのは難しく感じますが、ダイエット中ならなおさら。なぜかダイエット中は、いつも以上に空腹を感じでしまうから不思議です。

ダイエット中の宿敵とも言える「空腹」に打ち勝つ方法はあるの? 今回は、管理栄養士の水谷俊江さんが「食欲をおさえる方法」を伝授します。

「お腹がすいた」と感じる理由は、炭水化物と脂質にアリ

そもそもどういうときに「お腹がすいた」と感じるのでしょか。水谷さんによると、私たちが摂取する栄養素が関係しているそう。

(前略)「お腹がすいた」と感じる栄養素は血液の中に溶けた炭水化物と脂質です。

(「Diet Plus」より引用)

人のエネルギー源として欠かせない三大栄養素「炭水化物」「タンパク質」「脂質」のうち、なぜ「炭水化物と脂質」が空腹を感じさせるのでしょうか?

食べたい気持ちが生まれるメカニズム

食べたご飯やパンや麺類やお砂糖などの炭水化物は、体の中で消化されます。そしてグルコースという、砂糖よりもずっと小さい分子に分解されて、血液に入ります。食後、しばらくは血液の中のグルコースの量が増えていきますが、時間がたつにつれ、グルコースの量は減少していきます。

すると、脳では「エネルギーを補給して~!」と、摂食中枢とよばれる神経細胞に指令を出しはじめます。これが「食べたくなる」サイン。

(「Diet Plus」より引用)

つまり、血液中のグルコースの量が減ったことがきっかけで「お腹がすいた」と感じるのですね。

空腹状態が続くと、体内でなにが起きる?

しかも、この状態が続くと体内ではエネルギーを求めて、次のようなことが起こるそう。

食事から得たエネルギー源を使い果たした後、今度は今まで溜めこんでいた皮下脂肪(中性脂肪)を肝臓で分解してエネルギーを作り始めます

肝臓でエネルギーが作り出された後、中性脂肪の部品であった脂肪酸だけが肝臓に残ります。この残った脂肪酸が血液に流れてまた脳では「早く食べ物をちょうだい」と、摂食中枢の神経細胞に指令を出すのです。

(「Diet Plus」より引用)

また、水谷さんが以下をおすすめしています。

脂肪が分解されている時間を長く持たせるためには、食事と食事の間は6時間はあけましょう

(「Diet Plus」より引用)

ただし、脂肪を分解させたいからと空腹のまま耐え続けたり、食事の間隔が長時間あくことは避けましょう。健康を害す可能性があります。

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どうしても何か食べたいときの対策は?

食間を6時間あけた方がいいとわかっていても、どうしても「何か食べたい!」「甘いものを食べたい!」という気持ちの誘惑に勝てないときもあります。空腹時の間食にはどのように対処したらよいのでしょうか。

管理栄養士の水谷さんによると、空腹を感じたときはチョコレートを1かけ食べるのがおすすめだそう。しかも、比較的糖分が少ないビターチョコレートがベターです。

チョコレートには含まれるポリフェノールは食事前に食べると脂肪の消化や吸収を抑える働きがあります。チョコレートに含まれるテオブロミンという物質は脳を興奮させて、食欲を抑える働きもあります。また、チョコレートに含まれる甘さが幸せ気分を運んでくれます。

(「Diet Plus」より引用)

食欲のメカニズムを知って、ダイエットにうまく活かしていきましょう。

食べるものって大切です

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水谷俊江(みずたに・としえ)さん
管理栄養士。美容クリニックでのダイエット指導、特定保健指導での相談業務に携わり、現在では「食」をテーマにしたコラムも執筆。南米、北米で10年間生活したなかで、改めて日本の食文化の偉大さを実感。ひとりひとりに合った形で、太る習慣を無理なく改善できる方法を提供中。

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