舌は健康のバロメーター。
医師によると舌がはれる原因は、甲状腺の問題やアレルギー反応、重大な感染症など、実にさまざま。
前編に引き続き、医師に舌がはれる原因を聞きました。
舌の傷が治りかけているから マウスウォッシュが原因 アレルギー反応のサイン 薬の副作用によるアレルギー反応 はこちら。5.ビタミン不足
image via shutterstockビタミンB12と葉酸が足りないと、舌がはれて赤く、牛肉のような赤みが出ることが。
「手足がチクチクする、疲労感、弱った感じもあるかもしれません」(一般臨床医、クレア・モリソン医師)。また、鉄が不足すると、舌がヒリヒリし、なめらかで青白くなる場合があり、疲労感、息切れ、皮膚がとても青白くなるといった症状を伴います。
「肉、魚、卵、葉もの野菜、豆類などの食品を摂って、これらのビタミンを増やせば、症状は軽くなりますが、重度のビタミン、ミネラル不足であればやはり医師に診てもらう必要があります」とモリソン医師。
ビタミン不足の原因を探り、食事の変更やサプリメントを使って、足りない栄養素を補ってもらいます。
6.胃酸の逆流で刺激された
image via shutterstock胃酸が喉を上がってくる「咽喉頭(いんこうとう)逆流症(LPR)」でも、舌が刺激されてはれたりします。
「口の中に酸味か苦味を感じる、のどが焼ける、のどに固まりを感じるといった自覚症状があるかもしれません」(カリフォルニア州プロビデンス・セントジョンズ医療センターの耳鼻咽喉科医(ENT)で咽頭医のオミド・メディザデ医師)。
酸っぱいものやスパイシーな食べ物、飲み物を避けると、LPRを抑える効果があります。制酸薬を飲む、食事の量を少なくして回数を増やす、ゆったりした服を着るなどの対処法も有効です。
7.舌が感染症にかかった
image via shutterstock例えば、歯で舌を噛んでしまったり、舌がこすられたりして切り傷ができると、そこから細菌が入って感染症を引き起こす危険があります。
モリソン医師によると、舌が赤くなってヒリヒリした感じがあり、感染が深い場合は膿瘍(のうよう:膿=うみがたまること)ができて、はれて痛むようになります。
たまに、舌が梅毒や淋病のような性感染症にかかるケースも。細菌に感染したら、医師に抗生物質を処方してもらう必要がありますし、大きな膿瘍であれば入院して手術で膿を出さなければなりません。
舌のウイルス感染には口唇ヘルペス(口唇疱疹ウイルス)も含まれます。「最初の感染が最もひどく、舌の表面を含めて口の中に痛い水ぶくれがたくさんできて、発熱やけん怠感があるかもしれません」(モリソン医師)
HPV(ヒトパピローマウイルス)と口内炎も、舌に影響が出る可能性があります。普通は治療しなくても治りますが、特にひどいようであれば、医学的なアドバイスを受ける方がよさそう。
8.甲状腺の働きが低下した
image via shutterstock体内をめぐっている甲状腺ホルモンが少ないと(これは女性に多く、たいてい自己免疫に関連しています、とロサンゼルスの認定皮膚科医、ツィポラ・シャインハウス医師)いろいろなサインが現れますが、疲れ、説明のつかない体重増加、便秘、寒さに弱い、髪が薄くなるなどに加えて、舌のはれもそのひとつ。
甲状腺機能低下症と呼ばれるこの症状は、幸いなことに血液検査で診断できます。「確認されたら、処方薬で甲状腺ホルモンを補充して治療します」(モリソン医師)。
必要に応じて服用量を調整するために、定期的に血液検査をすることになります。
9.脳下垂体の働きが高まっている
image via shutterstock「脳下垂体」は脳の一番下のところにある小さな器官です。いろいろなホルモンを作って体に送るほか、別の分泌腺(ホルモンを作る器官)に指示を出す役目も果たしています。「脳下垂体が成長ホルモンを作りすぎると、手足、顔、それに舌などが次第にはれてきます」(モリソン医師)
医学的には「先端巨大症(アクロメガリー)」と呼ばれる病気で、一般的には脳下垂体に良性の腫瘍ができて起こり、頭痛、声が低くなる、生理不順、イボ、鼻や口唇など顔の造作の肥大といった症状が含まれます。
「先端巨大症はゆっくりと進むため、初めは外見の変化に気づかないかもしれませんが、問題がありそうと思ったらすぐに血液検査を受けて確認し、治療してもらいます。治療しないでいると、命にかかわる合併症の危険があるからです」とモリソン医師。
10.舌がんのサインかも
image via shutterstock舌がんは表面から始まり、典型的には舌に白色または赤色の部分ができるか、小さなしこりか潰瘍(かいよう)ができます。
「たいてい以前にHPVに感染した部分に発生し、感染が何年も前のこともあります」(モリソン医師)。そしてタバコを吸う人やお酒を飲む人でより多く見られます。
モリソン医師によると、「この段階で取り除けば、完全に治ります」。ですから、舌の痛みやしこりがなかなか治らない場合は、医師に診てもらうことがとても大切なのです。がん性かどうかは生検でわかりますから、すぐに治療を受けられます。
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Krissy Brady/10 Weird Reasons Your Tongue Is Swollen, According to Doctors/STELLA MEDIX Ltd.(翻訳)
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