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▼ 2015.12.9号
▼ 『FOREST 島人通信』
▼ FOREST ISLAND
▼ http://ch.nicovideo.jp/morishimachannel
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みなさま、いつもFOREST ISLANDをお楽しみいただきありがとうございます。
明日の12月10日(木)に心霊スポットに行くことに致しました。
また見守っていただければ幸いです!
http://live.nicovideo.jp/watch/lv244842743
そして、今月はFOREST ISLANDではないのですが、とあるビッグプロジェクトが進行いたします!
発表になるのはまだ先ですが……。
先日の『満月を撃ち抜け!』ではございません!
そちらもよろしくではあるのですが(笑)。
ですが、FOREST ISLANDでも告知協力ということで何かやるかも知れません!
その時は、宜しくお願いいたします!
引き続き、FOREST ISLANDチャンネルをどうぞ宜しくお願いいたします。
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★FOREST ISLANDホラー劇場『現れた4号室』②
板張りの暗い廊下に、白い懐中電灯の明かりが浮かび上がる。
照らされた部分は真っ白に見えるほど明るいのに、その明るさのせいでかえって周囲の暗さに目が慣れることがない。
何十人もの友達がいた下の階とは違って、壁の向こう側にも人の気配が全くない。
しんと静まりかえった廊下を、船田さんたちは一列になって進んでいった。
先頭を懐中電灯を持った琢馬くんが歩き、次に船田さん。そして、その他のメンバーがついていく。
長い廊下を冷たい風が吹き抜け、夏なのに船田さんたちはぶるりと体を震わせた。
その時だった。
「おい、見ろよ!」
琢馬くんが声を上げる。
「静かにしろよ!」
大声を出したら先生に見つかってしまう。
船田さんはそう思って琢馬くんを見た。
暗がりの中に、琢馬くんの顔がうっすらと浮かび上がる。
その目はカッと見開かれていて、壁の一点を見つめている。
「見ろって!」
琢馬くんはその方角に懐中電灯を向けていた。
目を向けると、そこには引き戸の扉があった。
何の変哲もない、他の部屋と同じ木の扉であった。
「何だよ、何もないじゃん」
仲間の一人が声を上げる。
「4号室だ!」
琢馬くんの声は震えていた。その声にぞっとしたのか、その意味するところに気づいたのか、全員がはっとして壁を見つめた。
懐中電灯の明かりの中に、墨で書かれたような手書きの文字で「4」の数字が浮かび上がっている。他の部屋番号は印刷されたフォントの数字だ。しかも、「4」の数字が書かれているのは古びた木の板。他の部屋とは明らかに違っている。
懐中電灯の明かりが横に動き、木の扉を照らし出す。
この扉も、他の部屋とは違い、やけに古びて重そうだ。
「何でだよ。4号室は無いって言ってただろ、なのに……」
「静かに!」
とっさに船田さんは叫んでいた。何か嫌な気配のようなものを、扉の向こうに感じたからだった。
弾かれたように、他の悪友たちも黙る。
扉の向こうの気配を感じたのか感じなかったのか、それでも全員が一言も発しないまま耳をそばだてた。
……トン……トン…………トン……。
どこからか音が聞こえてくる。
「何だ?」
「シッ!」
さらに耳を澄ませてその場に立たずむ。
すると、その音は、今まさに懐中電灯が照らしている4号室の扉の向こうから聞こえていた。
誰かがいるのか?
誰も口にしなかったが、そこにいた全員がほぼ同時に気づいたようだった。
木の扉が、音に合わせて小刻みに揺れている。
まるで誰かが扉の向こうにいて、弱々しい力で叩いているかのようだ。
「どうなってんだよ?」
琢馬くんが静かにつぶやいた。
その瞬間、廊下の端に明かりが近づくのが見えて、琢馬くんはとっさに懐中電灯を消した。
同時に、誰とも無く我先にと4号室の隣にあった5号室へとなだれ込む。
いたずらっ子たちの習性に近い反応だったのかも知れない。
全員が5号室に飛び込むのと、廊下の向こうに人影が現れるのがほとんど同時だった。
船田さんたちはそっと身を乗り出すようにして、廊下の向こう側を覗き込んだ。
暗い明かりがゆらゆらと蠢いているのが見える。
その明かりがこちらを向いた顔を薄暗く照らし、ゆっくりと近づいてくる。
どうやら蝋燭の明かりで、向かってくるのは年老いた女性のようであった。
それに気づいた時には、老婆はもう廊下を半分ほど渡って来ていた。
蝋燭を片手に持ち、腰が曲がっているのに、老婆は慣れているかのように薄暗い廊下をまっすぐに歩いてくる。
老婆はその白髪に覆われた顔を一度も上げることなく、廊下のある場所までたどり着くと足を止めた。
そこは、あの4号室の前であった。
老婆はのろのろとした動作で扉の方を見ると、うなり声を上げた。
それが泣き声だと気づくまで、どのくらいの時間がかかっただろうか。
しばらくむせび泣いた老婆は、小さく咳き込み、やがて呼吸を整えるように深呼吸をすると、木の扉に手をかけた。
引きずられるような音を立てて扉が開く。老婆の力では、扉を開けるのもひと苦労のようである。
そして老婆はゆっくりと4号室の中に消えていった。
<続く>
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2015.12.9号
発行 FOREST ISLAND
発行者: FOREST ISLAND
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森島大輔
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