底辺亭底辺の「今日も底辺!」

宇喜多小早川開戦前夜 (醒睡笑)

2017/08/04 17:46 投稿

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  • 宇喜多直家
本作の原典は、醒睡笑巻の六 「推は違うた」の章である。

アニメ版は下記URLリンクにて公開。 
http://www.nicovideo.jp/watch/1501838525




小早川隆景公が備中笠岡を訪れていた時の話。
色々と因縁のある隣国備前の国主・宇喜多直家公から贈呈品として魚が送られてきた。
魚の名は「そこにべ」、岡山名産の珍しい魚である。


隆景公は家来に

「夜中に備前から『そこにべ』が贈られてきた。
おまえは家老達に
明日の朝御馳走する、と伝えて参れ。」

と申し付けた。



命令を受けた家来は家老達の家を

「明日の朝、備前から『そこにべ殿』が来訪されるので、皆様登城されますように。」

と触れて回った。

翌朝、家老達は礼服に身を包み威儀を正して登城したが
宇喜多方からの使者らしき者の姿は見当たらない。

不審に思いながらも、出されたお膳を覗き込むと、出されているのは「ニベ汁」であった。
そこで一同は、家来が魚を人名と勘違いして触れ回ったことに気づき、大笑いとなった。

この小噺の後も両家の因縁は続き、日本史上最も劇的な形でその決着を迎える。





「ニベ」

ニベはスズキ科の魚。
古来より、煮詰めたニベの浮袋が接着剤として使われてきた。
その粘着性から愛想や世辞を表す言葉に使われた。
裏切る直前までは異常に人当たりの良い宇喜多直家が贈り主である点が、話の緊張感を盛り上げる。



「推は違うた」

予想が外れた、と云う意味。




「宇喜多直家」

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岡山県の戦国大名
幼少時に祖父が殺害され流浪の身分となるが。
母の尽力で備前の大名・浦上宗景に300石で仕える。
以来、無数の謀略と裏切りを重ねて備前・美作・西播磨を領有する大大名となる。

後継は五大老・宇喜多秀家。
豊臣秀吉の寵愛深く、絢爛豪華な大名生活を送るも。
関が原合戦の敗北で全てを失う。

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「小早川隆景」

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備中の戦国武将・豊臣政権下の五大老
毛利元就の三男として主に山陽道戦線(対宇喜多もここに含まれる)を担った。
幼少期より聡明で知られ、毛利家の勢力拡大・維持に政戦両面で多大な貢献をした。
豊臣秀吉は隆景を、「天下で最も正しい政治を行える者」と評した。

後継は小早川秀秋。
豊臣秀吉の数少ない縁族であり、一時は次期関白と看做されるも。
関が原合戦で全ての幕を引いた。

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