底辺亭底辺の「今日も底辺!」

物を誉めて褒め損ない (露休置土産)

2017/08/12 13:52 投稿

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本作の原典は、露休置土産巻の壱・第八話「物を誉めて褒め損ない 」である

アニメ版は下記URLリンクにて公開。 
http://www.nicovideo.jp/watch/1502513528







晩餐に招待された男が父親から訓戒を受けた。
 
「食事を出して頂く時は
感謝して食べなさい。
出されたものは必ず褒める事!
何も考えずにパクパク食べてはいかんぞ!」
 
息子は解ったような顔で
 
「心得ました!」
 
と答える。
 


 
さて、訪問先で食事を振舞われた男。
父の訓戒に従い、褒め始める。
 
「ほほう! これは見事なお膳ですな。
きっと根来塗りで御座いましょう。
また、このお米が良い!
讃岐米かそれとも肥後米か!
ふむふむ、味噌も素晴らしい。
きっとこれは四条烏丸の味噌で御座ろう!」
 
 
主人は男の知ったような態度を滑稽に思い
「あなた様は注意深い方ですな。」
と言った。
 
 
男は得意げな顔で湯呑を啜って一言。
「ほほう! 
この湯もここらのお湯ではありますまい!
きっとこれは有馬の湯でしょう!」






「露の五郎兵衛」

江戸時代初期の演芸者。
人手の集まる寺社などで不特定多数を相手に広げる「辻噺」と云う講演形態を創始したことから
「辻噺の元祖」と呼ばれている。
この辻噺が発展し、現在の落語の源流の一つとなった。




「露休置き土産」

このタイトルは当時のベストセラー「西鶴置き土産」のパロディである。
西鶴置き土産の発刊は元禄6年(1693年)だが、露休置き土産はその14年後の宝永4年(1707年)。

発刊人は京二条通御幸町西入の書店主 田井利兵衛 (たい りへえ) 屋号は金屋(かなや)




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