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標題＝僕らは新しい雑誌を作ります。PUMP通信
掲載媒体＝ロッキングオン39号
発行会社＝ロッキングオン社
執筆日＝1978/07/01
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ROCKIN’ON　39 PUMP通信RO版第１号
19780701

僕らは新しい雑誌を作ります。　橘川幸夫

ＰＵＭＰ　
ポンプは　
あなたの感動を、
ひらめきを、
想いを
汲みあげます

■原稿募集と経過報告■

●僕らは雑誌を作ります。今までになかった新しいスタイルと方法論に基いた雑誌です。本屋には、うんざりするほど沢山の本が並べられているけど、ペラペラめくってみれば、大体おんなじ顔ぶれの人がおんなじ事をぐだぐだ言ってるだけだ、とは思いませんか？もう大手出版社が子飼いの有名人やプロの物書きをこねくりまわして雑誌を作る時代は終わった、とは思いませんか？ 

●「本屋に行って、何か面白そうな本はないかなあ、とウロウロして、パラパラめくって、結局は何も買わないで帰ってきてしまった。最近はそういう事が多くなった。だって本屋に並べられている本に出てくるのは、書く人も書かれる人も、僕らとは全然かかわりのない、赤の他人だもん。僕らはどこにもいないもん。」（友達の発言）

●100人の人間がいれば100通りの価値観があり、1000人の人間がいれば1000人の人間の口から発せられた1000通りの情報があるんだ、と考えます。あなたは、あなたという名の、この時代の変容器（トランスミッション）です。他人の言葉で自分を語るのではなく、たくさんのたくさんの人が、自分の言葉で語り合えるような雑誌が必要だと思ったんです。

●僕らが作ろうとしているのは、参加型メディアです。雑誌の誌面は、いわば白いステージです。そこで歌い踊り、メッセージを送るのはあなた自身です。僕らは、みんなが出てきやすいような仕度をします。ただし、個人的な欲求不満や夢想をたれ流しする場所でありません。しっかりと、今ならびに今後を見きわめようとしている人達の参加を待って
ます。

★PUMPには、いろいろなコーナーがあります。全体の内容は決定していませんがいくつか紹介します。

①ボイス・プール＝日常生活の中で、ふと思いついた事や新鮮な発見をした事はありませんか。友だちと会話してて、我ながらカッコイイ発言をしたと思う事があるでしょう。あるいは、疑問とか頭にきた事も多いでしょう。でもそういうのって、一日すると忘れてしまうものですね。そんな時は、すぐに葉書に書いて送って下さい。みんなの言葉をまとめてPUMP誌上に記憶させます。こんなものが今あったら便利なのにな、と思ったら即に葉書を下さい。あなたのメモを他の誰かが読んで、よし私が作ろう、という事になれば、あなたの思いつきも社会に循環する訳です。身近に起きた出来事、みんながうわさしている事、注目している事、誰かに教えてあげたい事、得した事損した事、なんだってかまいません。日常の中の情報をジャンジャン送って下さい。両親や兄弟の言いたい事も集めて送って下さい。住所・氏名・年令をお忘れなく。
→ボイス・プール係まで

②企画原稿＝あなた個人、あるいは友達同士で、あなた方が直面している問題、一番興味を持ってる問題についてのプロジェクト・チームを組んで下さい。そしてPUMPの誌面を使って問題を追及するとしたら、何をどうやるかを考え、討論して企画書を出して下さい。こちらの企画審査の結果、OKが出たら企画通り行動して原稿にして下さい。企画書には、名前、住所、Telなどの他に、企画趣旨、製作プロセス、製作日数、必要資材、必要経費（なるべく詳細な予算書を）等を書いて下さい。自分達の問題意識を掘り下げた企画を待っています。
→企画原稿係まで

③友達募集＝私、○×が好きです。誰か友達になって下さい……これじゃあ、あまりに貧しいプロポーズだとは思いませんか。誌面１～2頁を使って、自己紹介文、写真、イラスト、詩、その他あらゆる方法で自分の事、自分の生活、自分の生き方などを紹介して下さい。個人以外にも、サークル・グループ等の紹介に使ってもかまいません。登場したい人はあらかじめ連絡下さい。
→友達募集係

④フード・バラエティ＝食べ物は作る人と地域でいろんな工夫が加えられています。あなたはどういう材料で、どういう作り方をして、どういう食べ方をしていますか、というのを毎回テーマをあげて答えてもらいます。
第一回のテーマは「じゃがいも料理」
第二回のテーマは「お好み焼き」
→フード・バラエティ係まで。

⑤ポンプ・ノート＝ポンプ・ノート回収係を募集します。これは、あなたの近所のお店とか教室とかにポンプ・ノートを設置してもらって、いろんな事を書いてもらうのです。それを月１回、こちらに郵送してもらう係です。グループとかサークルでノートをまわしてもらっても良いです。PUMPはあらゆる方法でみんなを汲みあげます。
→ポンプ・ノート回収係まで。

⑥ボイス・ヒストリー＝例えばロックでいうと、ロック史は、一方では味もそっけもない事務所的年表だったり、片方では個人の思いこみたっぷりのロック個人史だったりする。そこで例えば「1975年のツェッペリンとはあなたにとって何であったのか？」という問を出して、解答は１人につき100字以内にしてもらって、それをラーッと並べれば、割と全体的な時代のかったまり史が出来るんじゃないだろうか。当面は、ロック・ボイス・ヒストリーとして続けますので、テーマに答えて下さい。必ず100字以内。これは個人の思い込みやたれ流しを削ってもらうためです。
　第１回のテーマは1972年のEL＆P
　第2回のテーマは1975年のツェッペリン
→ボイス・ヒストリー係まで。

⑦イラスト・写真・インフォメーション等も大募集

●まだまだたくさんあるんですが、ここでは書ききれません。もっと詳しいパンフレットを只今製作中ですので、欲しい人は100円切手と、自分の住所・名前を書いた封筒を同封
して申し込んで下さい。
●僕らは雑誌を作ります。面白く（＝充実していて）役に立って（＝日常生活に必要で）開かれた（誰でも参加できる）雑誌です。早期の発行を目指して、現在、内容的、事務的、資金的な諸行動を展開中です。みんなには原稿の依頼を強く要望しますが、この雑誌をスタートさせる上で、いろんな意味で核となるべき人々と連絡をとりたいと思います。昔今も、ずっと本気だった人だけ「PUMPの核係」まで、あなたの氏名・住所・電話・年令などと、あなたの出来る事を書いて連絡下さい。とにかく僕らは出発するからには、つまらない事でドジりたくもないのです。
●なお、これは新たな展開の為に、橘川幸夫＆ポンプ準備グループが企画したもので、ROが別の雑誌を作るという事ではありません。
●とりあえずテスト版を雑誌「宝島」が60ページ提供してくれるので、作ります。その内容的結果で本格的なスタートが決定しますので、みなさんの主体的な参加を必要としています。以上です。

連絡先・原稿の送り先●PUMP準備室　〒154　東京都世田谷区駒沢5・11・15　橘川方

僕らは新しい雑誌を作ります。