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一問一答「あなたは、判断に迷ったらどうやって決めていますか?」【後悔しない判断力】

2023/02/28 12:00 投稿

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あなたは、判断に迷ったらどうやって決めていますか?


人間は何かと決断に迷い間違うものです。

投資での判断に迷った時、試験やテストで答えに迷った時、結婚や転職など大切な判断を必要とするタイミングは色々とあります。


今回は、何か新しい事を始めなければならない状況に追い込まれたという個人事業主の方の相談をもとに、人生で後悔しないための判断力について解説させてもらいます。


「Q. 個人事業主ですが何か新しいことを始めないといけない状況に追い込まれました。ところが自分のやりたいことも特になく、どうすればやりたいことを見つけることができるのでしょうか?」


結論としては、稼げていない状況の人が自分のやりたいことを見つけることができる可能性はかなり低いです。

お金がない状況でも自分のやりたいことを突き詰めたり、どんなに飢えていても夢を捨てなかったという美談はありますが、これこそがまさに才能です。

お金の悩みというのは強烈なストレスで、普通の人はお金で悩んでしまった瞬間に視野も狭まり、新しいことを思いつくこともなくなってしまいます。

IQ も下がってしまいますので判断も間違ってしまう可能性が高くなります。


ですから、自分が経済的に窮地に立たされているときにやるべきことは金儲けです。

まずはお金を儲けて余裕ができて、ある程度生活に対する不安がなくなったら、そこから改めて考えるようにしないとなかなか新しいことも自分のやりたい事も見つかりません。

まずは稼ぐことを考えましょう。


以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。




「無意識思考効果」


無意識思考効果というものは、簡単に言うと、新しいアイデアや問題を解決するアイデアなどを考える時に、それについて考えてからしばらく考えるのをやめると良いアイデアが降りてくる現象のことです。

なかなか面白いアイデアは出てこないと悩んでいたけれど、一旦考えるのをやめて他の事をしていたりシャワーを浴びたりしていると、突然それについて思いつく現象です。


よく昔から言われることですが、トイレにいる時と移動している時、寝ようとしている時にいいアイデアが出ると言われます。

これは人間の無意識思考効果により起きることです。


ラドバウド大学の研究チームは、考え抜いてから決断するグループとゲームをやってから決断するグループに分けて実験を行っています。

ただひたすらどの人を選ぶか考え抜いて決断してもらったグループと、それについて一旦考えた上で全く関係のないゲームをしてもらってから決断したグループに分けています。


どちらの実験も架空のものではありますが、自分が一緒に生活する人を選ぶ時、自分が採用する人を選ぶ時、それぞれの設定で決断してもらっています。

どちらの場合でも、一旦ゲームをしてから決断したグループの方が、その決断の質が高くなっていました。

あえて何も考えない時間を間に挟むことによって、どうやら僕たちの決断や判断の質は向上するようです。


僕たちは重要な決断をしなくてはいけない時ほど、それについてひたすら考え抜くのではなく、途中で気分転換を入れたり違うことを考える時間を挟んだ方が決断の質は高くなるようです。


エクス=マルセイユ大学の研究で、どんなゲームが決断の質を高めてくれるのかということを調べてくれています。

参加者を3つのグループに分けています。

1つはテトリスやソリティアのようなシンプルなゲームで、2つ目は、例えば謎解きや数独のような頭を使うパズル系のゲームです。

そして、3つ目のグループは先ほどと同様ひたすら考え抜いてもらったグループです。


考え抜いてから判断したグループは最下位で、その正答率はおよそ40%でした。

第2位は複雑で頭を使うパズルのようなゲームで、その正答率はおよそ55%でした。ただ考えぬいて判断したグループよりは若干正答率は高くなりますが、そんなに大きな違いはないぐらいでした。

第1位はシンプルなゲームで遊んだグループで、これはなんとなくわかっていた人もいるでしょうが、その正答率は75%にもなっていたそうです。


シンプルなゲームで遊んでから判断すると正答率が約2倍にもなるということです。

僕たちは後悔しない選択や判断をするためには、一旦それについての脳の活動を休める必要があります。

そのためにはあえてシンプルなゲームをする時間を間に挟んだりする方が、無意識が起動して良い判断をすることができるのではないかということです。


この無意識思考効果の原理については、まだ科学的にはっきりと分かっているわけではありませんが、研究者の推定としては、考えない時間を作ることによって人間の脳は、新しい情報をその判断材料として無意識のうちに追加しているようです。


シンプルなゲームが効果があるということでしたが、当然そのゲームをずっとしていては意味はありません。

あまり頭を使わないゲームで判断の精度が上がるという研究は色々とありますが、それらから考えると、だいたい10分ぐらいまでにした方がいいようです。

10分までのタイマーをかけて、あえて何もしない時間を作るようにしてみてください。




ソロモンのパラドックスと「心理対比」


人は自分の問題だと考えると判断が鈍ります。

ところが、それが友達の問題だと想像するだけで判断力が上がります。


ウォータールー大学では2つのパターンに分けて実験を行っています。

自分の身に対人トラブルが起きたことをイメージしてもらうグループと、自分の親しい友人の身に対人トラブルが起きたことをイメージしてもらうグループです。

客観的に自分を見ることが出来ているのか?そして、対人関係の問題に対する妥協点が適切に見えているのか?というようなことを調べるための質問を行っています。


その結果、自分に対人トラブルが起きた事をイメージしたグループよりも友人に対人トラブルが起きたことをイメージしたグループの方が明らかに冷静で、かつ長期的で総合的な判断を下すことができるということがわかりました。


ですから、自分の問題も友達の問題と想像しその場合にどのようにアドバイスするかと想像することにより適切な判断に近づくわけです。


いわゆるソロモンのパラドックスですが、他人のことはわかるけれど自分のことはよくわからないものです。

これは物事の判断だけではありません。


例えば、失敗したり恥ずかしい経験をした時も、人は自分の意識をその感情の中心に置いてしまいます。

それによって失敗はより大きく見えて恥ずかしさも無駄に増幅していきます。

ですが、それも他人視点で目の前の問題を見ると、意外と大したものではありません。


自分の意識を自分の感情の中心に置いてしまう現象は、年齢問わず起きるものです。

20代から40代の被験者と60代から80代の被験者を比べても、ソロモンのパラドックスは同じように起きていたという研究があります。


自分の失敗や恥ずかしい経験に対しても、同じことを友達がした場合には冷静に考えることができて、案外大したことはないと優しくアドバイスができます。

人は誰でも失敗しますし、それを許容する能力も誰もが持っています。

それにも関わらず、それが自分の失敗となると怖くて行動できなくなってしまいます。

それを防ぐためには他人視点が重要です。


ここで心理対比というテクニックが役に立ちます。

自分に起きている問題が友達に起きているものと考え、その友達に最悪の状況になった際にどのようなアドバイスをするかを想像してください。

そうすると心理対比が効いて、今の状況を客観的に見ることが出来るようになり、更に長期的な目線で物事を見ることができるようになります。


未来が最悪だと考えたら生きていけません。最悪な状況になったらどうすればいいのかというアドバイスが明確にあれば安心できます。

その結果、柔軟で新しい視点の物事の見方ができたり解決に進むわけです。


変化の激しい時代には様々なポジションを取れる勇気が必要になります。

ところが人は臆病なものですから、万が一ダメだったら失敗したらどうしようと常に考えるわけです。

その解決策やアドバイスを具体的にしておくことで挑戦できるようになります。


心理対比の研究で有名なガブリエル・エッティンゲン博士の論文でも、様々な研究がされています。

心理対比の考え方により、勉強の成績が上がる・セルフコントロール能力が上がる・食生活が健康的になる・ダイエットが成功する・禁煙が成功する等など多くの成果が確認されています。


心理対比の4つのステップ

ステップ①目標を達成したらどんないいことが起きるのかを考えてください。

達成した際のメリットを思いつくままにどんどん書きだしてください。


ステップ②ステップ①で書き出した中から自分に最もプラスになるものを選んでください。

この時に、それを得ることが出来たらどんな良い気分になるのかということを出来る限り細かくイメージしてください。

多くの人たちは目標に対してここまでで終わっています。


ステップ③目標を達成するにあたってどんな問題が起きるのか?自分の思い描いた目標が達成出来ないとしたらどんな事が起きるのか?という最悪の未来を想定してください。

同様に、これも思いつくだけ書き出してください。


ステップ④ステップ③で書き出したネガティブなトラブルの中で最も危険なものを選んでください。それを頭の中でしっかり細かく具体的にイメージした上で、その時に自分はどのように対処するのかということまで考えてください。

夢を描くことと万が一の時の準備を同時に出来るようになるのが心理対比というテクニックです。

この両方を同時にすることが大事です。


目標達成に対する問題やトラブルを想定しておくと、実際に想定していた問題が起きるとテンションが上がるものです。

想定した最悪なトラブルがやってくると、これを乗り越えたら最高の未来が待っていると思えて、その乗り越える壁は希望に見えてきます。

テンションも上がるし判断力も上がります。




「運が悪い」=判断力の低下


「ついてない」「運が悪い」と感じている時は、判断力が低下している可能性があります。

なんとなくうまくいかないという時は、それをリセットする方法があります。


自分が運が悪いと思っている人と運が良いと思っている人を集めて手を洗わせると、自分が運が良いと思っていた人は、その幸運がリセットされたような気分になり、逆に、自分が運が悪いと思っていた人も運の悪さがリセットされたような気分になったという研究があります。


運の良し悪しを左右しているのは人間の判断力です。

自分が運が良いと思っている人は判断力が上がります。


ですから、なんとなくうまくいかないとか運が悪いような気分になった時は、それをリセットするために手を洗ったりシャワーを浴びるようにしてみてください。

逆に、なんとなく調子がいいとかうまくいっている時に、余計な休憩を挟んだりすると気分がリセットされてモチベーションが下がる場合もあります。


ギャンブルにおける判断について調べた研究を見てみると、ギャンブルはやめ時が肝心で、同じテーブルで大勝ちした人か大負けした人が出たらそれがやめ時のようです。

人は自分の近くで大勝ちしている人を見るとリスクを取りやすくなります。

逆に、大負けしている人を見ると必要以上に守りに入ります。


これはギャンブルに限らず、自分の判断が狂う瞬間は誰かの大成功や誰かの大失敗を見た瞬間です。

人は正常な判断力を保てるかどうかが重要ですので、事前に判断基準を決めていないと、いざその瞬間には冷静な判断ができなくなります。




選択肢が無数にある時の正しい判断


あまりにも選択肢が多いと決めることができなかったり、悩んだ結果いつも通りの選択肢を選んで、新しい挑戦ができなくなったりすることがあります。


2015年のジョージア工科大学の研究で、多くの選択肢がある時に最高の判断をするにはどうすればいいのかということを調べてくれています。

16の選択肢が用意されていて、その16の選択肢が一気に提示されて選んだ場合と、4ずつ選択肢が提示されて、それぞれの中でベストを決めて最終的に1つの選択肢を選ぶ場合、トーナメントのように2つずつ比べて選択肢を選んでいく場合で調べています。


その結果、選んだ後の後悔が最も少なく満足度が高くなるのはトーナメント方式でした。

選択肢が多い場合には2択で比較して選んでいくのが最も正しい判断になるようです。


人は物事を比べてどちらがいいのかということを考えることはできますが、多くの選択肢がある中ではどれがもっとも最適なのかを決めることが苦手です。


心理学や行動経済学で選択のパラドックスと言われますが、選択肢が増えると人間は不幸になってしまうと言われています。

人は自由が増えてどんなものでも選べるようになったら幸せになれると考える人も多いですが、実際には人間は選択肢が増えすぎてしまうと不幸になります。


選択肢が増えると迷って悩む時間が増えて、さらに、迷って悩んで選ぶと、選ばなかった選択肢を忘れることができずどこかに後悔した気持ちが残ります。

選択肢が多くなれば多くなるほど人は悩み後悔する時間が必然的に増えていくわけです。

選択肢の数に比例して悩む時間と後悔する時間が増えると考えてください。


幸せになりたいのであれば悩む時間を減らすことです。

おすすめするのは、選択の基準を設けることです。

選択肢を瞬時に5択から3択程度に絞れるぐらいの自分の中での基準をつくる方法です。


例えば、レストランで前菜が3種類、パスタが5種類とかで選ぶ場合はわりとすんなり決めることが出来ると思います。ところがパスタの専門店でパスタが15種類とかになると難しいと思います。


選択回避の法則と言われていますが、人間にとって選択肢は3~5択ぐらいが適正で、それを超えてくると選べなくなるし選ぶのにとてもストレスを感じるということがわかっています。

ですから、瞬時に3~5択に絞れるような基準をひとつずつつくっていくことが大事です。


決めたら、忘れてしまうかもしれないので手帳やスマホに記録しておくのもいいかと思います。

例えば「今まで食べたことのないメニューを注文する」という基準でもいいと思います。

そうすると、よほど変わったメニューのお店でもなければ3~5択ぐらいには絞れます。

これにより、悩む時間も少なくなりますし、自分の決めた基準に沿って決めたという自由意志での決定だと感じることもできます。

後で後悔することもなくすみます。

すべての場面で基準をつくるのは難しいと思いますが、悩んだ時は基準をつくるということを考えてみてはいかがでしょうか。


ここから先は、後悔しない判断力を保ちながら人生をより良くしていくための方法について解説していきます。

DaiGo師匠がニコニコを始めてDラボにつなげた過程でも実践してきた人生における判断力の保ち方について解説しています。

ぜひ続きもチェックしてみてください。

 

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