あなたの一番大切な人を思い浮かべてみてください。

その人に、今あなたが伝えたいことはどんなことですか?


話が伝わらないと言っても、そこには様々な理由があります。

「言いたいことが言えないために伝わらない」

「伝える力が足りないために伝わらない」

「誤解やお互いの認識が違うために伝わらない」

様々な問題が考えられるわけですが、今回は、自分の考えていることを思うように伝えられないと言う方の相談をもとに、科学的に正しい伝え方について解説してみたいと思います。


Q. 考えていることは色々とあるのに、なかなか相手に思うように伝えられません。どうしたらいいのでしょうか?


たくさん言いたいことがあるために、それを考え過ぎてしまい、なかなかうまく伝えられないということはよくあると思います。

この場合は、紙に書き出してみることをお勧めします。

自分の感情が交錯したりして、相手にうまく伝わらないという場合があると思いますが、それを防ぐためには、結局、自分は何を言いたいのかということを客観的に見る必要があります。


人間というものは、頭の中でモヤモヤしていることを頭の中で考えても、余計にモヤモヤしてしまうだけです。

ですから、そんな時に一番いい方法は言葉にすることです。外部に出して言語化することによって、人間は初めてそれを冷静に見ることができるようになります。


言いたいことを箇条書きで3つぐらいにまとめるようにしてみてください。

そして、「今から言いたいことが3つあります」と言ってから話し始めるようにしてください。

世界中の小説などでも三部作が多いものです。人間というものは、ポイントが3つにまとめられているとそれだけで話が入ってきやすくなります。


以上がDaiGo師匠のアドバイスでした。




伝わる人と伝わらない人の違い


まず、誤解されて伝わらない人と伝わる人の違いについてです。


誤解されるということは、結局自分の意図していることが伝わっていないということです。

そして、喋り方が不信感を感じさせるようになっていて、誤解が生じているということもあります。

ということは、重要になるのは、相手の理解度を上げるということと、相手に信頼感を与えるということになります。

表現力と理解力により伝わっていない

不信感が伝わり信じてもらっていない

記憶違い

人間の記憶とは結構適当なものです。DaiGo師匠は記憶力を高めるために様々な方法をとっていますが、それぐらい努力しないと、人間の記憶は簡単に消えてなくなりますし、誰でも記憶違いというものは起きやすいものです。

①相手の理解力を高める

②信頼感を感じさせる

③記憶に残りやすい喋り方をする

この3つのポイントに留意すると、それだけでも相手の記憶に残りやすくなります。

記憶に残るから誤解されることも少なく意図も伝わりやすいということです。


ジェスチャーは伝わる力を高める

3つのポイントを考えた時に、結構重要になるのがやはりジェスチャーです。

2011年にカラマズー大学が会話中のジェスチャーは説得力や理解度を高めるのかということを調べる実験を行ってくれています。

そこから、ジェスチャーの5つの効果が確認されています。

1. 相手の理解度が高まる

ジェスチャーを使った方が相手がメッセージを理解する確率が高まります。効果量は0.61でした。

つまり、ジェスチャーを使いながら話した方が相手が自分の伝えたいことを理解してくれる確率が高まるということです。


2. 具体的な話題が伝わりやすくなる

ジェスチャーは抽象的な話題の理解度も高めてくれますが、具体的な話題の方がジェスチャーの効果はより高まることが分かっています。ですから、難解で抽象的な話題をジェスチャーを交えて伝えることで、もちろん効果はありますが、具体的な話の時にジェスチャーを使うとより効果は高まるということです。


3. シンプルで簡潔な話であってもより伝わるようになる

どんなにシンプルで簡単に伝わるような話であっても、ジェスチャーを使った方がいいということが分かっています。

例えば、三角形のような地形を説明するのであれば、両手で三角形を実際に作って説明した方が説得力もあがりますし理解度も信頼感も高まります。


4. 信頼関係を築きやすい

ジェスチャーを使う話では、使わない話よりもラポールが築きやすいということが分かっています。

つまり、ジェスチャーを使っている人の方が信頼されやすいし誤解もされにくくお互いに助け合うような関係が作りやすかったということです。


5. 相手の記憶力を高めることができる

ジェスチャーを使うことで、相手の記憶力を高めてあげることができます。上述したように、ジェスチャーを使うことで聞き手の理解度や説得力も上がりますが、皆さんの話している内容が、相手の長期記憶に結びつきやすく応用力も高まります


誤解されたくない、信頼されたいと言うのであれば、この5つの効果を理解した上でジェスチャーを最低限使った方が良いかと思います。


伝わる力のためのおすすめ本

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あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

本当に話が通じないとか伝わらないという人がいます。

そんな何を言っているのかわからないというように周りに思われている人などは、この本を読んでもらえるとかなり気づくところがあると思います。


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“トークの帝王”ラリー・キングの伝え方の極意

もっと喋り方自体が上手くなりたいとか、相手の心をつかむような喋り方ができるようになりたい、相手を味方にできるような伝える力を身につけたいという方は、こちらの本が参考になると思います。

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事実はなぜ人の意見を変えられないのか-説得力と影響力の科学

一生懸命理解してもらおうと思っても、なかなか相手に伝わらないことも少なくありません。

特に、話してもわからない人や言ってもわかってもらえない人がいると思います。

こちらが論理的に話しているのに、いつまでたっても認めてくれないバカだなと思うような人がいて、イライラしてしまうこともあると思います。

このような人たちがなぜそんな状況になってしまうのかということがわかる本です。


事実で人の意見を変えるというのは非常に難しいもので、意見を変えようと思ったら言い方の方がはるかに大切です。

なぜ人の意見を変えることができないのか、どんな言い方をすればいいのかということを教えてくれる内容になっています。




実際にはほとんどの人がアサーションができていない!


恋愛関係でも大切な人間関係でも、より良いコミュニケーションのためにはアサーションが重要だということを皆さんもご存知だと思います。


特に、「言いたいことが言えない」ために、伝えることができないという問題に関しては、以前の一問一答でも解説させてもらっています。

科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜

一問一答「言いたいことを言える人生」【超要求力】


コロンビア大学のビジネススクールが行った研究で、自分は結構言いたいことは言えているし、コミュニケーションも上手に取ることができていると思っている人ほど、実際には、アサーティブコミュニケーションができていないのではないかということが指摘されています。


そこからわかったこととしては、参加者の57%は、自分はちゃんと発言することができているか、言い過ぎかもしれないぐらいに考えているけれど、それは相手からすると、「もっとはっきり言ってくれないと分からない」ぐらいに受け取られていました。


さらに、自分は自己主張があまり得意ではなくアサーションができていなかったと答えた人たちについては、なんと56%の参加者が相手からすると「自己主張が激しすぎる」と判断されていました。


つまり、自分が自己主張しすぎていると考えている人は、相手からは自己主張が足りないと思われていて、逆に、自分は自己主張が苦手だと思っている人は、相手からすると自己主張が強すぎると思われているということです。

自分のことを客観的に見て、ちゃんと自分の意見を伝えるアサーションができている人は非常に少ないわけです。


ですから、自分が言いたいことをちゃんと伝えることができているのかというアサーションのレベルをチェックする必要があります。

今回はそのためのチェックリストを用意しています。


伝える力アサーティブネスを測るRAS(レイサス・アサーティブ・スケジュール)

次の質問項目を読んで、今の自分に当てはまるものを -3〜+3のうちから1つ選んで採点する

+3:完全に当てはまる

+2:かなり当てはまる

+1:少し当てはまる

-1:あまり当てはまらない

-2:ほとんど当てはまらない

-3:全く当てはまらない


1.ほとんどの人は、私よりもはっきり積極的にものを言っていると思う。*

2. 私は恥ずかしがりで、デートに誘われたり誘ったりすることをためらうことがある。*

3. レストランで注文した料理に満足できない時、ウェイター〔ウエイトレス)に文句を言う。

4. 自分の気持ちが傷つけられたとしても、相手の気持ちを傷つけないように配慮する方だ。*

5. セールスマンが気に入らない商品を勧めてきた時でも「いらない」と断ることができない。*

6.頼まれごとをする時は、理由は必ず聞くようにしている。

7.私は活発な議論を好む時がある。

8.私はいつも人より一歩先んじようと努力している。

9.正直なところ、人は私をいつも利用していると思う。*

10. 私は、初めて会った人でも話しかけて会話を楽しむ方だ。

11. 私は、魅力的な異性と出会った時、何をいってよいかわからなくなることがある。*

12.必要があっても会社や施設に電話をするのをためらう方だ。*

13.私は就職や入学の問い合わせをするとき、直接窓口へ行かずむしろメールで問い合わせる方だ。*

14.私は買った商品を返品するのは恥ずかしいことだと思う。*

15.親しくしている親戚が自分を困らせることがあった時、そのことをはっきりと伝えるよりも、気持ちをおさえようとする方だ。*

16.私はばかな人だと思われたくないので、質問はなるべくしないようにしている。*

17.人と議論している時、あまりにも興奮しすぎて怒り出してしまうのではないかと時々思う。*

18.著名な人が講演(講義)で間違ったことを言ったと思う時、皆の前で自分の意見を述べたいと思う。

19. 物を買うときに、値段の交渉はなるべく避けるようにしている。*

20. 自分が重要な、もしくは、価値のあることをする時、そのことを他の人も知ってほしいと思う。

21. 自分の気持ちを率直に表現する方だ。

22. 誰かが自分の悪いうわさ話を広めようとしていた時、できるだけ早く直接本人と会ってそのことを話し合おうとする。

23. 私は「ノー」とはっきり断れない。*

24. 私は自分の気持ちを大げさに表現するよりも、ため込んでがまんする方だ。*

25.レストランでもどこでも、サービスが悪い時は、文句を言う方だ。

26. 人にほめられた時、その場でどう答えたらよいかわからなくなる。*

27.映画館や講義の最中に、自分の近くでカップルが大きな声で話をしていたら、静かにするよう、もしくは他の場所で話をするよう伝える。

28.1列に並んで順番待ちをしている時、自分の前に誰かが割り込もうとしたら厳しく注意する。

29.私は自分の意見をすぐに伝える方だ。

30.全く何も言えなくなることが時々ある。*


採点

*は逆転項目なので、採点の数字を反転させた上で、すべてを合計してください。


女性は8ポイント、男性は11ポイントが中間値になります。詳しくは続きで解説していますのでそちらもチェックしてみてください。

続きでは、さらに、皆さんの伝える力を鍛えるためのテクニックやトレーニングについても解説させてもらいます。

ぜひ続きをチェックしてみてください。