あなたは最近傷ついたことはありますか?
それはどんなときですか?
また、誰かを傷つけてしまったことはありましたか?
あなたは人が人を傷つける原因は何だと思いますか?
今回は、過去のいじめられた経験や後悔する出来事のせいで、やる気が出ないことがあるという方からの相談をもとに、いじめにまつわる心理学についてまとめてみたいと思います。
子供のいじめだけでなく、職場でのパワハラやセクハラ、ママ友の間でのいじめというものもよく聞きますし、DaiGo師匠の質疑応答でも、このようなイヤな人間関係についての相談はかなり多いです。
ですから、そんな皆さんに参考にしていただけたらと思います。
Q. 「過去にいじめられたことから劣等感を感じたり、自分の失敗や過去に対する後悔から、やる気が出ないことがあります。何か良い方法はあるでしょうか?」
人生に後悔がない人間は、必ずこれから大きな失敗をします。
人生に後悔がある人ほど、これから残された人生を有意義に使うことができると僕は思います。
僕も、いじめられたことで子供の頃の人生を無駄にしたし、いろいろ無駄にしてきた思いもあります。
もっと早い段階からこういうことをしていればよかったとか、もっと早い段階から勉強していればとか、海外に留学すればよかったなど、後悔はいくらでもあります。
人生における後悔が多いということは、その分だけ、今後の人生における間違いを防ぐことができるということになるはずです。
過去に対する後悔が多いということは、これから先の間違いが少なくなると考えていただけると、前に進めると思います。
DaiGo師匠のアドバイスは以上のようなものでした。
ちなみに、後悔しないための正しい準備については過去の一問一答でもまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。
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世の中が平等だと皆さんは本気で信じていますか?
師匠は皆さんもご存知の通り小学校から中学校までいじめられていましたが、その間に人は平等ではないということを嫌と言うほど知らされました。
大人になってからは学歴であったり収入であったり見た目の違いなど気にするポイントはたくさんあると思います。
小学校や中学校の頃にはそういったものはまだそれほどないはずです。
貧富の差があったとしても別に子供たちが気にするほどの違いではないでしょうし、普通のただのクラスの中だけのことだったはずです。
みんな同じところからスタートしていると信じている中でどれだけの不平等があるかということを思い知りました。
どれだけの理不尽が存在しているのかご存知でしょうか?
世の中は確かに法の下では皆平等だとは思います。
ですが、実際の世界で多角的な面から考えたら人は平等ではありません。
自分の大事な人を守ったり自分たちが理想とする世界を作るためには、目の前にある不平等な現実に目を向ける必要があり、その不平等な現実と向き合うことができなければ、自分の権利を守ることも自分の大事な人を守ることもできないということが、師匠がいじめられて大人になる過程で知ったことです。
自分の身の回りにある不平等を受け入れて、その現実に目を向けた上で、この苦しい世界の中でどのようにしたら自分の理想とする生活を送ることができるだろうか、どうすれば自分の権利を守ることができるだろうか、どうすれば自分の大切な人を守ることができるだろうかということを考え生きていくことがとても重要です。
世の中は不平等です。
その不平等な中でどう戦うかが大事です。
なぜいじめはなくならないのか?!
いじめの闇には2つの問題があります。
いじめの闇1 : いじめの実態がばれて困る人の方が多い
いじめられている人よりもそのいじめの問題が公表されたら困る人の方が多いので、結局多数決的な考え方により、SNS で世の中に出たり社会的な問題として取り扱われない限りは、基本的にはもみ消されてしまうものです。
いじめの闇2 :いじめられていると判断能力が失われる
いじめを受けると強烈なストレスの断続的に受けるようになりますので、それにより IQ が低下し判断能力が失われてしまいます。
普段であれば、様々な解決方法を思いついたはずなのに、それを考えることもなく行動できないまま、ただそのいじめに耐えてしまうようになってしまいます。
師匠も8年間いじめに耐え続けていましたのでこれについてはよく分かります。
今思えば色々な対処の仕方があったはずと感じていますが、強烈な慢性的なストレスを受け続けていると判断能力や解決策を思いつく能力が著しく低下し、どんどん追い込まれていくようになります。
つまり、周りはそれを隠蔽しようとする闇と被害者本人の判断能力や行動力や意思力が失われるという2つの闇が起きることによって、いじめというのはなくならないし発見しづらくなるわけです。
いじめが起きる原理
その原理を100%理解していなくても構いませんが、どういう形でいじめが起きるのか、自分の子供がどのようにしていじめられっ子になってしまうのかということを理解していますか?
いじめというものはクラスの平均性格からどれぐらい乖離しているかということで起きます。
つまり、クラスの全員を集めて平均的な性格をとった時に、その平均的な性格から最も離れている人がいじめのターゲットになります。
分かりやすく例えるならば、学校のクラスの中に外向的な性格の子供ばかりがいたとすると、そこに僕のような内向的な人間が入ると、あいつなんか内向的でイジイジしているからうぜえなみたいになって、これでいじめの被害者になります。
ところが、これは逆も起きることです。
クラスの中に内向的な子供ばかりがいる場合には、やたらと外向的で明るい感じの子供が来ると、無視されたりいじめられたりすることが起こります。
ですから、解決策としては環境を変えてあげることです。
自分の子供が学校でいじめられたと思ったら即引っ越しです。
引っ越しをして学校を変えるとか編入するとか、そういうことをして平均性格が変わるような所に子供を入れるというのが大事です。
人間の性格というものは半分が遺伝子で決まり、残りの半分が人間関係や環境で大きく変わりますので、環境を変えればいじめはなくなります。
つらい日常を変えるための3つの武器
エクスプレッシブ・ライティング
人間というものはストレスがかかったり追い詰められると、基本的にはそこから脱却するのが非常に難しくなってしまいます。
人は追い詰められている時には持っている能力が下がってしまいます。その下がった能力を自分の能力だと勘違いしてしまうと、そこから抜け出せなくなってしまいます。
自分は何もできない無力な人間だと考えてしまいます。
ですから、まずは自分のストレスや追い詰められたことにより下がってしまった能力を元に戻すところから始める必要があります。
そのために一番使える方法が僕はエクスプレッシブ・ライティングだと思います。
これは今までも何度も紹介してきましたが、エクスプレッシブ・ライティングとは、1980年代くらいから使われている心理療法で、自分が体験しているネガティブな経験や感情、頭の中に湧いてしまっているネガティブなことをひたすら紙に書き出すというだけの方法です。
最低でも8分間はひたすら書き続けるようにしてください。例えば、いじめられてしんどい思いや、会社で受けている嫌がらせで感じていることなどをひたすら紙に書き出してください。
お勧めとしては毎日8分以上していただきたいですが、最大で20分までにしてください。
より詳しく知りたい方は、『ジェームズ・W. ペネベーカー の こころのライティング―書いていやす回復ワークブック』も参考にしてみてください。エクスプレッシブ・ライティングのテクニックが色々と紹介されています。
成長マインドセットについて知る
2つ目の武器は、成長マインドセットについて知るということです。
人間は固定マインドセットと成長マインドセットという2つの考え方を持っていて、固定マインドセットとは、自分は変わらないという考え方です。自分が努力したり行動することによって、何かしら確実に変わっていくことができるという考え方が成長マインドセットで、固定マインドセットはその逆で、自分が努力してもどうせ変わらないと考えてしまうものです。
いじめられている人や今まさにしんどい日常を送っている人には、この固定マインドセットになっている人が多いです。
お金に関しても貧困状態になっている人ほど固定マインドセットになっているという話もあるぐらいですので、その状況から抜け出せると信じていないから抜け出せないということです。
抜け出すためには、成長マインドセットについて知るだけでも効果があるということが分かっています。
人は変われるということを信じることさえできれば、メンタルの状態が変わります。そうすると、広い視野を持って物事を決めることができるようにもなりますので、本当に自分を変えていくことができるようになります。
成長マインドセットについてもっと詳しく知りたいという方は、『キャロル・S・ドゥエック の マインドセット「やればできる! 」の研究』を是非読んでみてください。
筋トレ・HIIT
ここまで出来るようになった時に、実際にどこから変えていけばいいのかがわからないと思います。
エクスプレッシブ・ライティングでメンタルも落ち着いてきて、成長マインドセットで自分は変わることができると信じることができるようになっても、どこから何に手をつければいいのかということがわからないと思う人がほとんどなはずです。
多くの場合そこで悩んでいる間に、やはりダメなのかもしれないと諦めて元に戻ってしまうことがあります。
ですから、ここまで出来た時にはすぐにして欲しいことがあります。
それが筋トレやHIITです。これは男性でも女性でもしてもらいたいものです。
トラウマのような経験をした人がそれを乗り越えた先に大きな成長をするというPTSG(Post Traumatic Stress Growth:心的外傷後ストレス成長)についての研究を見てみると、自分の行動によって未来を変えることができるという感覚を成長マインドセットや自己効力感と言いますが、この自己効力感を鍛えるためには運動が効果的だということがわかっています。
自己効力感についてはこちらの一問一答でもまとめていますので参考にしてみてください。
科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜
実際に、筋トレであれば、最初は20 kg までしか上がらなかったのが、続けていると徐々に30 kg や40 kg が挙げられるようになったり、スポーツでも練習していると徐々にできなかったことができるようになり、自分が成長しているという感覚を感じることができます。
このようなレベルアップしていく感覚を感じることによって自己効力感が生まれてくるので、筋トレやスポーツというものは、自分が変われるということを信じて一番最初に行う行動としてはとても良いものです。
さらに、この先に効力感の転移というものが起きます。
筋トレやHIITをすることによって自分の体が見るからに変わって、周りからも痩せたと言われたり、筋肉がついたと言われたりすると、自分は努力したことで変わることができたと感じることができるわけです。
筋トレやスポーツによって生まれた自信というものが、仕事や人間関係に対しても良い影響を与えるようになります。
いじめられている人はこのまま耐え続けるしかないとか、自分はどうせ無価値な人間だから我慢するしかないと思ってしまいがちですが、実際にはそんなことはありません。
前述したような判断能力の低下なども起こり、自分が無力だと感じることにより行動を止めてしまいがちです。そうすると、どんどんいじめはエスカレートしてしまいます。
だからこそ、自己効力感を養うことが重要です。
スポーツでなくても筋トレでもいいと思います。筋トレをすれば体調も変わりますし、筋トレで体を大きくするのも効果があります。
これはポジティブボディイメージといって、自分の体に満足できることによって、不思議と他人の目が気にならなくなります。
自分の体に対するイメージが良くなると他人の目が気にならなくなるので、ちゃんと自分の意見を言うことができるようになるし嫌なことに対しては抵抗することも出来るようになります。
筋トレやHIITに関してのおすすめの本としては、『田畑 泉 の 究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング』が続けやすいですしおすすめです。
ここから先は、いじめや人間関係の強烈なストレスにより劣等感が強くなってしまった人が、どうすればそれを克服して前に進んでいくことができるのか、人間関係の嫌なストレスに負けないためにどうすればいいのか、ネガティブな過去を力に変えるにはどうすればいいのかというようなことを、DaiGo師匠の経験をもとに紹介させてもらいます。
知りたい方は続きをどうぞ。
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Q. 「過去にいじめられたことから劣等感を感じたり、自分の失敗や過去に対する後悔から、やる気が出ないことがあります。何か良い方法はあるでしょうか?」
A. いじめる側について追究してみると、大抵は、自分の生活の中で【思い通りいかなかった部分のフラストレーションを相手にぶつけている】場合が多いです。
自分の日々の生活の中で、フラストレーションが溜まり、そのストレスを誰かにぶつけている。
その矛先は、記事にあるように【平均値から離れている相手】か、また、【自分のフラストレーションを逆に満たしてしまっている相手】に向けられることが多いかな、と思います( ¨̮ )
「フラストレーション」や「嫉妬」の感情は、大人でもかなり扱いづらい感情の種類に入りますので、子どもなら、なおさらの事と思いますね…。
僕は、特別支援学級担任の経験もありますので、そういった「ストレスマネジメント」や「ソーシャルスキルトレーニング」については、勉強し、実践してきました。
僕の場合は、
・「外在化」…感情を自分の外において対処する
・「ヒドゥンルール」…ルールとして学ぶわけではないけど、相手とコミュニケーションを取る際に、なんとなく共有されているルール
をメインに指導するのですが、
実は、パレオさんのある記事に、
【いじめが一番起きないのは「外在化」と「ソーシャルスキル」を子どもに学ばせること】!
という記事があったんです!(どの記事かは忘れてしまいました…)
僕の「ヒドゥンルール」はソーシャルスキルの一種ですので、
偶然にもこの「外在化」と「ソーシャルスキル」を子どもに教えていたことになります!
そして、その効果なんですが…、やはり、効果ありです!
実は、児童虐待一時保護ケースを担当していたことがあったですが、この2つを子どもに教えたことによって、児童虐待ケースが解消され、周囲がビックリするほど落ち着いて前向きに生活できるようになりました☆
なら、やはり、「いじめ」にも効果があるのだと思います(^^)/
現在は普通の学級でも「外在化」と「ヒドゥンルール」を教えていますが、クラスの子どもたちの人間関係の満足度が高くなってきています。
過去にいじめを受けた人でも、これらを学ぶことによって、いじめの原理がわかったり、その脱出法や「あの時、こうすればよかったんだな」という知見が生まれて、何かのきっかけになったりするはずですよ!
質問者の主旨とちょっとズレた回答になりましたが、いじめの原理とその対処、改善法まで含めた案として、ご参考までに(^^)
ボケット(@小学校の先生)