こんにちはつっしーです。

この放送では加熱方法は基本的には低温調理をおすすめしているのですが、
そもそもなぜ低温がいいのか、毎回放送で話すわけにはいかないのでまとめておきたいと思います。

まず低温調理には大きく3つのメリットがあるんです。

1.手間が激減する
2.誰が食べても明らかなほど美味しくなる
3.健康効果が高い

手間が省ける上に美味しくなって、しかも体にもいいというのは大きいなぁと思っている次第です。

ではそれぞれもう少し詳しく見ていきましょう



1.手間が激減する

まずは放置しておけば勝手に料理が出来上がる!
ここが一番のポイントです。

低温調理というと「時間がかかる」「難しそう」っていうイメージが強いことから手間がかかるものっていう認識がすごく多いみたいですが、むしろ手間は激減するんです。
温度と時間さえ設定すればあとは放置しておけばいいのでフライパンや鍋の前にずっといなきゃいけないこともなく、時間のある時に下ごしらえだけしておけばあとは袋から出して食べるだけという状態に仕上げられるので世の中のイメージとは違って実は超お手軽感な調理法なのです。

何度でどのくらいの時間やればいいかわからないから難しい!という声もあると思うのですが、それについては後半で。

なんにせよ放置しておけば料理ができあがるというのは普段の生活においても大きいのではないかなぁと思っております。



2.誰が食べても明らかなほど美味しくなる

もっと正確に言えば誰がいつ作っても食材の最もおいしい状態を再現することができます。

一般的にはガスコンロやIHヒーターを使って調理しますが、肉などは加熱具合が見た目ではあまりわからないので経験を積まないと火が通りすぎちゃったり生焼けだったりしてしまって美味しい加熱度合いがなかなかできなかったりします。

さらに酸素に触れさせながら調理する以上肉の厚さや部位、その日の気温や湿度などの影響を受けてしまうため、美味しくできた時の味を完全再現をするのはレストランのシェフでも難しいという至難の業なのです。

しかし低温調理なら真空状態にして調理するためいつも同じ状態で調理ができ、食材にとって最適な温度を設定して加熱できるためシェフが長年経験を積んで習得した美味しい加熱度合いが簡単に再現できるという夢のようなことが実現できるんです。



3.健康効果が高い

これについてはピンとくる方が少ないかと思いますが、実は科学的根拠の高い事実だったりします。
例えば低温の料理を1年続けた実験では健康的にダイエットできたり、血中インスリン値が大幅に低下したおかげで心疾患リスクが50%低下する可能性が期待出来たりするよーっていう研究結果があったり、肉を焼くときに発生する発がん性物質が低温調理だと発生しないから癌リスクも下がる!って話が出てたりするくらいなんですよ。

そもそも普通に火を使って焼くのは何がよくないのかと言いますと、高脂肪や高たんぱくなものを加熱すると発生するAGEs(終末糖化産物)というのがあるんですがこれが厄介な奴でして、かなり強い毒素を含んでおり体内に溜まると体内で炎症を起こしてアレルギーやら慢性的な痛み、体調不良、老化などを引き起こしちゃいます。

さらにAGEsは体外へ排出しにくくてどんどん体内に溜まっちゃうので、とにかく摂取しないことに気を付けないといけないというなかなかの極悪っぷり。

ではどうすれば摂取しないで過ごすことができるのか?というところなんですが、発がん性物質もAGEsも大体100度を超えたあたりから増え始めるので、それよりも低い温度で調理してあげれば発生を抑えられるんですよね~。

老化も体内の炎症により引き起こされるため、それを抑制する低温調理はアンチエイジングにもなるってことですね。
肌荒れとかに悩んでる人もこれはぜひ実践していただきたいなぁと思う次第です。



では何度で設定すればいいの?

ズバリ56℃で12時間33分

この温度と時間なら国の指標とする「63度30分、またはそれと同等以上の効力を有する方法」という基準をクリアできるので、お店で出すことも可能なくらいしっかり調理できます。

ただこの基準は殺菌としてはかなりのオーバーキル状態でして、個人的には主な食中毒菌の中でも比較的熱に強いセレウス菌やブドウ球菌を基準に考え、55.5℃で9時間以上という設定をおすすめしております。
これについては研究結果次第ではもっと低い温度でじっくり加熱して調理することも可能になるかもしれないので、今後に注目といったところでしょうか。

例外としてはフィレ肉や仔牛の肉など、高級肉に多い元々柔らかいものなどは超時間やると柔らかくなりすぎて歯ごたえが頼りなくなり惜しくなくなってしまうので、57℃で1時間半程度加熱して表面を軽く炙るか、フライパンで一瞬加熱することをおすすめします。


ということを念頭にこれからも放送を見ていただければ幸いです!

ではまた