高山辰雄氏は独自の幻想的な画風の日本画家であった。私は日展で死亡を示す黒いリボンのついた作品を見た気がするが、別人かもしれない。

 彼の画集『存在追憶 限りなき時の中に』を見ていた。引用してみたいと思います。

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・終戦後、日本画滅亡論ということがしきりに言われるようになりました。

 世の中全体がそうした風潮だったのですが、当時は欧米の文化が最高で、日本の伝統的なものはもういらない、といった意見が声高にいわれるようになっていたのです。(省略)日本画なんて時代にそぐわない、もう古い、というのです。

 体制などというものは、実に簡単にひっくり返るものだと思いました。

 先輩たちkらも「君、どうしたらいい」と訊かれたりしたこともありました。

 しかし私は、終わりだろうと始まりだろうと、自分の絵をやっていればいいと思っていま