(『これから世界はどうなるか』からの抜粋)
「アメリカ時代の終わり」で世界秩序はどうなるかで、リベラルの論客アイケンベリーとネオコンの論客ロバート・ケーガンが対極的な論争をおこなっています。
アイケンベリーはプリンストン大学教授で、リベラル派の代表的論客です。他方、ケーガンは「ネオコン」と呼ばれるタカ派右派の代表的論客です。
アイケンベリーはフォーリン・アフェアーズ誌レポート2011年6月号に「“アメリカ後”の世界秩序」を発表します。ここでは、「米国の衰退は確実である。しかし、台頭してくる中国等はリベラルな国際秩序を背景に繁栄してきたのであり、このシステムを維持する」と主張してます。
・世界の富とパワーが「先進国・西の世界」から「途上国・東の世界」へとシフトし、これまでアメリカとヨーロッパが支配してきた旧秩序における、非西洋世界・新興国の影響力が高まりつつある。・古いリベラルな国際秩序は欧米
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私は予てより「日・中・韓・台」はEU並みの連合が可能な地域だと思っています。共通点はモンゴロイド民族で言語は漢字が通じること、文化としては大まかに言えば仏教圏です。これだけの共通点のある地域国家は他にはありません。あるのは相互の”不信と偏見”です。即ち冷戦状態がいまだに存在します。しかし、アイケンベリー・プリンストン大学教授は大らか且つ素直に中国を見ています。世界最強の反共国家アメリカの様々な包囲・締め付けはソ連に対するものと同様に中国をして過剰に反発せしめています。アメリカはベトナム戦争やキューバ侵攻を反省すべきです。そして世界の「憲兵」役を降りるべきです。軍事力威圧と行使、自己中な価値観・基準の押しつけ、他民族不信は、未だにアパッチ狩りをしている騎兵隊のそれと変わるところがありません。中国だってアメリカや「反共政治家」が見るほど悪くはありません。アイケンベリー教授の言葉どおり、リベラルな枠組みの中で普通の平和と豊かさを求めているに決まっており、アメリカに代わって世界制覇など画策しているとは思えません。アメリカのベトナムやイラク・アフガンの国家による”膨大なムダ”を冷静に計算し認識もしている筈です。鄧小平が現れ、現代中国の路線を敷きいまに至る経過を見れば歴然としています。反共フェチは、予断・偏見・先入観でそこが見えなくなってしまっているのです。中国の一党独裁政治も改めるべきでしょう。