1:冷戦以降の米国の世界戦略、その中での北朝鮮の位置
私達は、朝鮮半島への米国戦略、特に北朝鮮への戦略を考える時に、冷戦以降、どのように変化したかを考察する必要がある。
冷戦時、米国の戦略、軍備、兵員配備は度はソ連の脅威を前提に構築された。
ソ連の崩壊によって、米国には2つの選択があった。
一つは、ソ連と言う脅威の消滅により、国防費を大幅に軽減すること
今一つは、最強の軍事を維持し、それを背景に世界で米国の指導的立場を一段と強めること
結局、米国は後者を選択する。
しかし、明確な脅威が存在しなければ、米国世論は軍備費の削減を求める。
ここから、脅威を誰にするかの模索が行われ、イラン、イラク、北朝鮮のような不安定な国々が対象となる。
これらが体系的にできたのが1993年に形成された「ボトム・アップ・レビュー」である。
それは次を骨子とする。
・ 冷戦後の米国の政治
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> 今一つは、最強の軍事を維持し、それを背景に世界で米国の指導的立場を一段と強めること
結局、米国は後者を選択する。
いつか見たオリバー・ストーン監督の「国境の南」で、アルゼンチンの故ネストル・キルチネル大統領がブッシュと会談した時のことを語っていました-
「彼は、経済を再生する最善策は戦争だと言うのです。そして米国は、戦争によってより強大に成長したのだと。『米国の全ての経済成長は、様々な戦争によって促進されてきた』彼は、はっきりとそう言いました」
以下、週刊読書人(9/11号)伊高浩昭(ジャーナリスト)・柳原孝敦(東京大学准教授)対談「キューバ-米国国交回復は何を意味するか」より
伊高氏-
米国との国交正常化は...ホセ・マルティの頃から、そういう考え方はあった。米国が自分たちキューバに敬意を払い、対等の立場であればいつでも握手する心づもりはある。ところが米国は帝国主義だから、そんなことはできない。今だってできませんよ...ラテンアメリカは南北アメリカ大陸全体が自分たちの「大きな祖国」であり、それぞれが属している国が「小さな祖国」であるという思想は昔からあった...他者を支配したい米国はそこには決していかない。第一、考えが及ばない...注意すべきことは、オバマも、平和裏にキューバ社会主義を倒す「和平演変」策をとっていることです。
柳原氏-
米国というのはえげつない国で、反発すれば徹底的に潰される。それはゲバラが感得していた通りでしょうけれども、一方で追従すると骨の髄までしゃぶられる。米国に全面的に追従する方向に一気に舵を切りつつある国に住んでいる我々としては、キューバが米国と独特な関係を築いていけるかどうか、気になるところです。
伊高氏-
「大きな祖国アジア、小さな祖国日本」と言える日の到来を、その方向で努力しつつ、希求してゆくということです。
(ID:19005377)
孫崎先生のご解説は実によく分かります。キッシンジャーの核戦略に関する戦争心理もよく分かります。
2か月ほど前、イスラエルの戦争評論家が米国のイランと結ぶ核協定は甘い。イランに騙されるのは必定。イラクに対してやったみたいに先制攻撃すべきだと主張していた。イランは米国を騙し結局は北朝鮮みたいに核保有国になってしまうと彼は懸念している。そして更に彼は中東で核保有国はイスラエル一国だということを固く保全することが米英イスラエルにとって最も大事なことではないかと言っている。
以上のような評論を読んでいると、プロの世界ではどうもイスラエルと北朝鮮は核保有国なんじゃないですか。だとすれば、日韓は共同して北朝鮮と枠組みを作ることが喫緊の課題ではないでしょうか。やんちゃで冒険的でヤクザな米国抜きで可及的速やかに枠組みを作るべきです。安倍の側近たちが北朝鮮を攻めて拉致被害者を救出するなんて戯言は絶対に許されません。枠組みを作った後で拉致問題を解決すべきだと私は考えて居ます。
(ID:31125608)
「戦争中毒国家」のアメリカは、常に「国際協調」を乱す外敵を作っておかねばならない。それは「軍産複合体国家」アメリカの宿命となってしまった。
中国が台頭しロシアが復活した暁のアメリカ政府の狼狽えはいかばかりか。米国国民は怒り心頭で在ろう。
アベ政府も早晩崩れる筈の「軍産複合体国家」をアメリカの許容範囲の中でやろうとしている。麻薬と同じで中毒になる。
だから、北朝鮮を始め中国みたいな仮想敵を常に創造しようと躍起になっている。