丸谷才一『笹まくら』を再読してみた。

A:筋は『終戦の日に読む一冊「笹まくら」丸谷才一』(http://www.shirotruffe.com/blog/books/sasamakura.php)に詳しいのでそれを引用したい。

「大学職員として、若く美しい妻との静かな生活を送る浜田。ある日、「阿喜子」の死を知らせる電報が届く。そこから物語が展開し始める。現在は現在として未来に進むのだが、過去の場面は過去からさらに昔の過去へと遡るように進んでいく。

浜田の生きる現在は戦後20年が経過した時代。彼の身の回りに色々な変化が起きるようになる。ある日課長へ出世する機会を得るのだが、それがなぜか頓挫する。その理由が浜田の過去の徴兵忌避に基づくものだったのだ。

徴兵忌避で戦時中に各地を逃げている間は、砂絵師「杉浦」として過ごし、器用な杉浦は同時にラジオの修理をしたりして生計をたてる。憲兵と何度も接触しな