勿論、現在は第2次大戦に突入していった1930年代のにほんではない。

 しかし、その根底に流れる者が、あまりに共通していることにおどろく。

 以下抜粋。

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「権威に弱い国民」

(1920年―30年代)当時の日本において、国主義的かつ権威主義的な反動が起こったことの裏には、当然ながら数世紀にわたって形成された日本人のある特質があった、ナショナリズムはつねにくすぶり続けており、さしてあおりたてずともそれは再び燃え上がったし、幾百年もの武家政治の下にあった日本人は、軍国主義者の主導権主張を唯々としてうけいれた。幾世紀もの間の権威政治におとなしく服していたせいで、たいていの日本人は、再び権威主義を押し付けられることになってもほとんど無関心であった。事実、彼らの多くは、せっかく手に入れた知的・政治的自由にぎこちなさ