はじめに
皆さんは、どのような手段で日々のニュースや情報を得ているだろうか。
朝、起きて新聞に目を通す。仕事から戻った夜、テレビの報道番組を観る。最近では、インターネットのニュースサイトを情報源にしている人も増えている。
新聞やテレビの報道では、しばしばその「客観性」が問題となる。選挙前の番組などですべての政党の意見を紹介するのは、「客観報道」を意識してのことだ。ただし、大手メディアが常に客観的であるとは限らない。世論を誘導しようとする恣意的な報道も少なくないのが実態だ。
そもそも、たくさんの出来事の中から何をニュースとして取り上げるかは、新聞社やテレビ局の判断である。メディアが取り上げない出来事を私たちが知る機会はほとんどない。また、どのような報道がなされるかによって、同じニュースへの見方が全く違ってくることもある。
私が本書をまとめたのは、読者が日ごろ接しているニュースに
コメント
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> 私には、日本の社会がどんどん狭量になっているように思えてならない。
よく見聞きする「日本の右傾化」など、狭量化、未熟化と言い換えた方が的を射ていると思います。
安倍首相も「日本を取り戻す」ではなく、「守れ、島国根性」と言った方がいい。
(ID:29645663)
政府の役割は、国民の命と暮らしを守ることです。しかし、大企業や富裕層の利益を守る政策を推進する政党に投票している多数の国民。それには、孫崎さんのご指摘のとおり政権政党になびくマスメディアの報道が大きく影響しています。
僕は、30年来のライオンズクラブの一員です。車や電子部品の下請け加工会社の社長をしている会員が、また単価切り下げさせられたと嘆きながら、選挙になると自民党です。経営が大変な零細企業の社長なのに、会社経営者なら当然に自民党と思い込んでいるのです。僕の住まいは農村地帯にあります。あちこちの農家の道路脇に自民党のポスターが掲示されています。これも、農家は昔から自民党と思い込んでいるのです。
こうした人は、ニュースを疑うことをしません。真実は何かと、調べる、考えることをしようとしません。自民党には都合の良い人ばかりです。
でも、問題点を知り、問題点に気付いた人が孫崎さんの著書で勉強し、わかりやすく対話できるようにレベルアップを図り、理解を得ていくことしか、よりよい日本を創る道はないでしょう。池に石を投げて、波紋が広がるように、こつこつ対話を広げるしかありません。僕は、これからも、コツコツ続けていきます。孫たちに、少しでもましな日本を残したいから。参議院選挙の結果と政党の政策をみれば、支持できるのは日本共産党です。
(ID:18982160)
民放テレビや新聞社は、広告収入に頼って経営している。だから広告主に都合の悪いニュースは、絶対に報道しない。
公共放送のNHKは、政府に許認可権があるから、政権に不都合なことは報道しない。
つまり、この国には「権力を監視する」報道機関は存在しないのだ。
だから自民党がいくら失政を繰り返しても、原発事故を起こした東電が、どんなにデタラメなことをしても、その事実を国民は知ることができない。
私たちは報道されたニュースを、絶対に鵜呑みにしてはいけない。常に「本当かな?」「なぜそうなるのだ?」と疑問を持つことが必要だと思う。