日本は自己の防衛で、米国の「核の傘」があるという幻影に取りつかれている。
そんなものはない。
アメリカが日本にどういっているかの問題ではない。
米国の戦略家が米国国内で如何なる発言をしているか、そもそも現代の核戦略がどうなっているかを学べば米国が日本に与えているという「核の傘」はない。
キッシンジャーは、代表的著書『核兵器と外交政策』の中で、核の傘はないと主張した。
・ 全面戦争という破局に直面したとき、ヨーロッパといえども、全面戦争に
値すると(米国の中で)誰が確信しうるか、米国大統領は西ヨーロッパと米国の都市五〇と引き替えにするだろうか
・ 西半球以外の地域は争う価値がないように見えてくる危険がある
キッシンジャーは日本に対する「核の傘」はあり得ないと指摘している。筆者がキッシンジャーを好きだから引用したでない。核戦略の分野で『核兵器と外交政策』は最も権威のある本である
コメント
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かつて孫崎さんが外務省でとある提案のプレゼンをされた時、当時世に出たばかりのOHPを使ったところ、お偉いさんらは内容そっちのけで「そんな『最新装置』を使えばいいってもんじゃない!」と一喝してボツにされたとか-いつか講演で伺った覚えがあります。
似たような話はサラリーマンの私の身の周りでもよく聞きます。要は、いい提案か否かに関わらず、上は下の連中が望んでいることをとにかく否定することが「支配」のツボと思っている。
この国の支配層にしても、国民が本当に望んでいることは実はよく分かっていて、敢てそれを否定することで無力感を植えつけ、国民に主導権が渡りそうになるキッカケをことごとく潰す...それくらいしか連中のバカ丸出しの言動は説明がつきません。
(ID:18982160)
「自民党の機関誌」と揶揄される読売新聞でさえ「核の傘は幻想」と報じていたとは知らなかった。
オリバーストーン監督が6日、日本にとって最も恐ろしい国は中国ではなく、アメリカだと発言した。
自民党の軍国主義者たちは、「軍隊がないと、どこかの国が攻めてくる」と言うが、現在が占領状態だと言うことに気付かないのだろうか。
いい加減で対米従属をやめて、近隣国との友好を図り、「国民のための政治」に戻さねばならない。
(ID:32175174)
重箱の隅を突くようで恐縮だが「ロードス・スカラー」は間違いで「ローズ・スカラー」が正しい。
Rhodes [róudz]
『ランダムハウス英和大辞典』(第2版) 小学館
ところで「日本に対しても有事の時には助けるだろうが、核兵器は使用しない。」と言うのは起こり得る事態の予想としては多分正しい。なぜなら朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、9/11に対する米国の反応がそれを証明しているから。核兵器の使用は米国本土が核兵器で攻撃されるか、或いは直近にそれが起こり得ると米国が判断したとき以外には、あり得ないだろう。
しかし、「核の傘」は日本が核攻撃をされた時には米国にその国を核攻撃する口実を与えるだろうというだけでも、相手国は日本を核攻撃することに逡巡するだろうという効果をもつ。日本国民が米国は日本を見捨てるだろうと信じ、それが大いに宣伝されれば、すなわち「核の傘」はやぶれ、日本は丸裸となる。それなら、日本は自前の防衛力を持てばいいじゃないかと言う考えは、軍事技術上、絵に描いた餅である。1945年以上、80年近く、ほとんど自前の技術開発がなく、自前のミサイルや航空機が1つもない状態では、自前の防衛は、例えば米国に対抗することは言うまでもなく、また、対中国でも意味をなさない。はっきり言えば、対米従属以外に選択肢は無いと言うことを認識して、机上の空論は止めるべきだ。米国に利用されつつ、米国を利用することこそ、唯一の生き方である。日本人には日本の米軍基地は日本だけが負担していると思っている人が多いが、もし、第三国が戦争を仕掛けてきたとき、最初に狙われるものの1つが米軍基地であり、そこにいる米軍兵士は真っ先に死ぬことになるだろう。当然のことだが、日本の防衛方針はあくまでも日米協力を前提とするべきであり、全く独自の防衛なんてものはあり得ない。武器、弾薬がなくてどうして防衛があり得るか。また、今更、先端防衛技術の開発なんて、おへそが茶を沸かすぐらいばかばかしく、むだであり、再び日本に大災難をもたらすことま違いない、危険思想である。