進藤栄一氏は最近『アジア力の世紀』を出版された。その中のTPPに関する部分を紹介する。

*******************::::::::

マイケル・ムーア監督は、映画「シッコ」で高額医療保険制度で崩壊した米国の医療制度の現実を描き出した。映画の冒頭は、事故で膝に大けがをした中年男が、無保険で医療費が払えないため、自分で傷口を縫う衝撃的シーンから始まる、続いて、テーブルソーで指を2本切った中年男が、接合手術に中指6万ドル、薬指1万2千ドルするといわれ、薬指だけを選ぶシーンが登場する。

この現実を見た上で、何故私達はTPPによる規制緩和によって、米国流医療保険制度を日本に移植すべきなのか。疑いもなく米国は、医療保険分野の規制緩和によって、混合診療制度と医療株式会社化とを認めさせようとしている。狙いは無論、豊かな消費人口を持つ日本だ。

ここで混合診療とは、保健医療と、全額自己負担となる