私の出身地は石川県小松市である。この農村地域に向本折小学校があり、私の母校だ。10年程前であろうか、小学生に講演を頼まれた。終わって校長先生が色紙を持ってこられた。多分「切磋琢磨」「一心不乱」等の熟語を期待されたと思うが、私は「太郎と呼べば太郎は来る 花子は来ない」と書いた。
この言葉はPHP発行部『心を豊かにする100の言葉』での時実新子氏の記述からとった。時実新子氏は1929年- 2007年の川柳作家である。 62年には、夫ある女の激しい恋情を詠った句集「有夫恋」がベストセラーとなる。《凶暴な愛が欲しいの煙突よ》《五月闇生みたい人の子を生まず》《背信の夜明けの闇のその重さ》 《こちらあなたの夫と死ぬる女です》等読み、芸能評論家の木津川計さんは「かくほどに奔放に剥き出しに情念や情欲を詠い上げた女流川柳家がいたであろうか。」と指摘している。
私は情念を柔らかく包んだ歌の方が好きだ。
「北風や 獅
随想⑭ 太郎と呼べば太郎は来る 花子は来ない
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コメント
コメントを書く(ID:19005377)
>>1
米国を呼び、中国を呼ぶ、実に結構な話ですよ。
(ID:19005377)
>>5
追加
鮮明にしない。つまり奥ゆかしさ。日本の伝統的な感性と流儀です。
(ID:119568177)
浅学故に時実新子氏は全く知らなかった。Wikipediaによると、「1946年兵庫県姫路市の文具商と結婚。傷痍軍人であった夫の暴力に苦しむ中で、新聞の投稿欄で川柳に出会う」とあった。
正直に言うと、川柳の内容にはギョッとした。
ヒトの恋路を論評するのは野暮天の極みだとは思うが、私は芸能人の不倫スキャンダルを見るにつけ、苦々しい気分で眺めているような人生観である。自慢にもなんにもならないのだが、ギャンブルも女遊びもしたことはない。まして、不倫など、とても、とても、想像も出来ない。その意味で私は保守的な家族観である。
だが、「夫の暴力に苦しむ」中で、あるべき夫婦関係に悩みを深めておられたのか、と察すると、ありきたりの「モラル」をものさしにしてはいけないのであろう。また、昭和的な男尊女卑が色濃く残る時代背景を考慮するなら、ある種の先駆的革命的女性像を確立したのであったのだろう、と想像する。
因みに、不倫許容度の国際比較では、日本は比較的不倫に寛容なお国柄らしい。
https://honkawa2.sakura.ne.jp/2785.html
とはいえ、個人的な不倫観を言うなら、私は恋愛と結婚は違うと考えている。不倫は恋愛だから、その瞬間だけ良ければ、それでよい世界。しかし、結婚は時系列で、時間軸の世界だから、その瞬間さえ良ければ、それでよいというわけにはいかない。
パートナー、家族を傷つけても、それでも瞬間的に燃え上がる恋愛は美しいものなのだろうか?恋に恋することを許されるのは若い時代だけではなかろうか?
つまらないことを言うな、というムキもあるだろう。しかし、正直、私はつまらない人生を、それなりの努力を重ねて歩んできた。
いずれにせよ、女性の生きにくさや、未だに子育てが女性のワンオペになってしまっている現状は社会問題だと受け止めている。無責任な男、ましてDV野郎から逃れるためにシングルマザーの苦境に陥るような不幸な女性がいなくなることを願ってやまない。また、無責任男、DV野郎などに天罰が下るのなら、どれだけ溜飲が下がるか、夢想している。さらに、無責任男やDV野郎に社会的制裁が下されることは、あってよいという立場である。