ウクライナを戦いに留めるためのヴォロディミル・ゼレンスキーの闘いの内部(TIME、11月1日‘Nobody Believes in Our Victory Like I Do.’ Inside Volodymyr Zelensky’s Struggle to Keep Ukraine in the Fight)
(ゼレンスキーの訪米後)ウクライナ情勢はますます困難になるばかり。戦争開始から20か月が経った今も、ウクライナ領土の約5分の1がロシアの占領下。数万人の兵士と民間人が死亡、ゼレンスキー氏は欧米訪問中にに戦争への世界的な関心が薄れているのを感じているという。国際的なサポートのレベルも同様。
米国ではウクライナへの援助に対する国民の支持がここ数カ月低下。ゼレンスキー氏の離米退任直後に行われたロイター調査によると、米国人の約41%は議会がキエフにさらに多くの武器を供与することを望んでおり、ウ
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『戦後史の正体』は2012年8月に出版した本。その後日本の安全保障・外交政策は一段と対米隷属を強化。「ウクライナ問題や中国問題、今日日本のマスコミは一方的見解を流し続ける。「クラブ関西」での講演を機に、今一度戦後史を振り返り、隷属の由来を考えたい。「あとがき」を掲載。
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米・フォーリン・アフェアーズ誌は「イスラエルの既存の安全保障戦略の壊滅的な崩壊」(パレスチナ紛争は封じ込めは可能とする仮定が崩壊)として抜本的体制立て直しを主張するイスラエル国防軍参謀本部の元戦略計画部長の長文掲載。ハマスをすぐに打破することは不可能である。
コメント
> ロシア侵略の開始時、ゼレンスキーの使命は人類の同情を維持することであった。
言い換えれば―米国(DS)の指図通り、嘘と詭弁で全世界を「ウクライナかわいそう」に仕向けることであった―ということだ。
> 戦争を凍結するか戦争に負けるかという二者択一に直面したゼレンスキー大統領...さらにその先も突き進む以外に選択肢はないと考えている。
さながら―ガソリンが無くなるか、エンジンが壊れるかという二者択一に直面して、更にその先も車を運転し続ける以外に選択肢はないと考えている―でないか。さーすがコカインスキーだ。既に脳がやられているのだろう。
このタイム誌記事を引用したロシアRTへのオプエドは概ね次のように結ばれていた-
「ロシアとウクライナの紛争が始まって以来、米国はウクライナ国内のプロセスに対する支配力を弱め、今やゼレンスキー氏を支配することしかできなくなっているが、彼を制御することもできないようだ。実のところ、彼は手に負えなくなっている。
残された選択肢は2つある。ワシントンが選んだ後継者を名指ししてゼレンスキー氏を友好的に退陣するよう説得するか、それとも単純にゼレンスキー氏を殺害するかのどちらかだ。
ゼレンスキー氏が権力の座に長く留まれば留まるほど、ウクライナはより長く戦い続け、崩壊が近づく。
従って、我々はゼレンスキー氏の世話をし、可能な限り彼を保護するべきなのだ」
対する読者コメント(抜粋)-
<なぜ人々は、ゼレンスキーが「自分の」心を持っていると思うのだろうか?彼は単なるメッセンジャーに過ぎないということに、人々は気付かないのだろうか?なぜ人々は、彼が推し進めている政策が彼自身が考えたものだと考えるのだろうか?>
<このオプエドには同意しかねる。この男も、そして彼のような多くの男たちも、西側の空虚な約束のために魂を売る用意があり過ぎる。西側諸国は、必要な時に必要なだけ、彼を切り捨てるだろう。ロシアの介入は必要ない。自分たちのゴミは自分たちに処理させ、ロシアは彼の後任を選別する>
<いや、結局のところ、タイム誌が示唆するのとは違って、大きな問題はゼレンスキーではなく、この道化―ユダヤ人であり、醜悪なオリガルヒの下劣な手先でもある―を大統領に選ぶことは良い考えだと思った愚か者たちなのだ>
<これに同意しないとは言えない。 それでも、ウクライナの破壊は、どのように解釈しても悲劇だ。 これを引き起こした張本人達を忘れてはならない。彼らはまた同じことをするだろう>
<ゼレンスキー=アメリカ製、使い古され、ゴミ箱に捨てられ、忘れ去られる>
<モサドは次回のイスラエル訪問で彼を殺害し、ハマスの所為にするだろうと思う。 彼らの大量虐殺をさらに正当化するためだ。 それは、ひいては米国がこの問題を解決するのにも役立つだろう>
<なんて酷いオプエドなんだ。ロシアにはウクライナを破壊する意図はなかった。最初から和平という選択肢が提示されていた。これ以上の死者はロシアの「利益」にはならない。プーチンは目的を明らかにした。それは、西側が設置したキエフ政権を非ナチス化し、ドンバスの人々を救うことだ。ゼレンスキーは強引に人々を死に追いやっている。人類は彼を留めておくことはできない。混沌を望んでいるのは米国の考え方だけだ>
ウクライナ敗北は確定した。
声援だけでなく、寄付等までして戦争を煽った日本のウクライナ応援団は、自らの不明と罪を恥じるべきだ。
しかし、客観的情勢や事実現実に関わらず、日本のウクライナ応援団は意図的か、或いは蒙昧故にか、ウクライナ敗北の事実現実から目を逸らし続けている。
IWJの岩上安身氏は、「約40年のジャーナリスト人生で、ここまで一方的な報道に終始しているのは初めてだ」という趣旨の発言をしていた。
私は同感だ。
正直、新型コロナ報道、それに続くウクライナ報道は、私の人生観を変えるくらいのインパクトがあった。
日本のメディアは信用出来ない、と。
この日本で、自分が「大本営発表」に遭遇するとは、正直想定していなかった。しかし、大本営発表は、長い人生において、ホントにあり得るのだな、と。
主流権威筋メディアを鵜呑みにしては、いけないな、と。これは、ホントにこの歳での「学び」であった。
今、典型的な日本のウクライナに関する言説は、こんなカンジである。
テレビでのウクライナ応援の「専門家」。陸上自衛隊元陸将、渡部悦和氏(このヒト、もはや、専門家というより、事実現実を無視したウクライナ「サポーター」というのが正しい評価だろう)のツイート。
「ISWによる最新の戦況!露軍は10月28日、アウディイウカで攻撃したが、宇軍は見事に凌ぎ切った。露軍は無理な攻撃の為に多大の犠牲をだした。」
https://twitter.com/WatanabeKansha/status/1718557521462653267
「凌ぎ切った」という表現が、そもそもウクライナ劣勢を示唆するカンジではある。また、もう一つはISW、即ち戦争研究所に依拠した情報と分かる。
戦争研究所がアメリカ帝国軍産複合体の機関であることは常識であろう。ウクライナ戦争を長びかせると大儲けできる勢力だ。だから、渡部氏の発言は割り引く必要がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%88%A6%E4%BA%89%E7%A0%94%E7%A9%B6%E6%89%80
アウディーウカは戦略的要衝とのこと。
https://www.bbc.com/japanese/67097770
さて、その上で軍事の「専門家」である渡部悦和氏の言説は正しいか?検証してみよう。
「ウクライナ危機到来:ゼレンスキー氏は窮地に陥る?」という記事。
https://asiatimes.com/2023/10/ukraine-crunch-coming-zelensky-on-the-rocks/
のっけから、「大々的に宣伝されていたウクライナの「反攻」が失敗して以来、ウクライナの状況は悪化している」、とのことだ。
「欧米とウクライナのニュースメディアは、ロシア軍はこれらの作戦で大きな損害を被っていると主張している。しかし、特にアヴディフカ周辺で増援を急いでいるのはウクライナ側のようで、ウクライナ軍がロシア軍に追い詰められていることを示唆している。」
「今また、ゼレンスキーはウクライナ軍に要求を突きつけた。今回は、彼の趣味の馬であるバフムートをめぐる要求であり、同時にアヴディフカ防衛の必要性も主張している。ここでもまた、ウクライナの指導者たちは、この2つの目的を、ますます不足する人員と装備を消費する罠だと考えていた。
戦闘はどちらの場所でも続いているが、ロシア軍はアヴディフカの戦略的なスラグの山を掌握しており、これによって市街地に対する射撃管制を妨げられることなく、市街地のスカイラインを支配する巨大なコークス工場への直接の進路を確保している。」
次にコチラ。
https://libertarianinstitute.org/articles/volodymyr-zelensky-is-in-a-sea-of-troubles/
「ゼレンスキーの側近がタイム誌に語ったところによると、冬になる前に「軍事戦略の大きな変更」があり、少なくとも「反攻担当の上級将官」の一人が解雇されることになるという。ゼレンスキーは、バフムトとアヴディフカを何としても防衛せよという要求をめぐって、最高司令官ヴァレリー・ザルジニーを含む将官たちと対立していると伝えられている。軍指導部は、これらの町の防衛は、兵士、大砲、装備を食い尽くす戦略上の過ちだと考えている。」
ウクライナ軍は人員と装備が不足していて、軍上層部とゼレンスキーの対立がある。これは劣勢あるある、だろう。
さて、これから冬になる。
https://asiatimes.com/2023/11/winter-warfare-which-side-has-the-edge-in-ukraine/
「この紛争の将来は主に天候ではなく、政治的意志と資源の利用可能性にかかっています。ウクライナにとっての核心は軍事装備と弾薬だ」
ロシアの人員と武器は枯渇していない。戦力において、ロシア優位は最初からわかっていた。ウクライナは負けるべくして、負けるのである。
日本のウクライナ応援団は、最初から負けることがほぼ確実であったウクライナに、何を求めていたのか?別の言い方をするなら、ウクライナ勝利に何を自己投影していたのか?
「悪いロシア」を打ち負かす、弱小ウクライナのストーリーであったのだろうか?
しかし、これは事実現実を無視した日本人の歪みにしか、私は見えないのである。
敗戦国日本の生き方が二重に三重に歪んだ結果、無意味で、罪深いウクライナ応援に繋がっていかなかったか?
この頑迷なウクライナ応援団の存在は、日本の精神史において特筆すべき汚点である、と私は総括する。
いよいよ、具体的な停戦和平のハナシが出てきたか。詳しくはMoon of Alabamaの11月4日付を参照されたい。
https://www.nbcnews.com/news/world/us-european-officials-broach-topic-peace-negotiations-ukraine-sources-rcna123628
(ID:18367902)
プーチンは、4日報道によると、アンケート結果に対応する形で、東部4州の領土固定化を推進するといっている。
アンケートは10月19~25日に実施され18歳以上1600人が回答している
①プーチンが戦争停止した場合支持するか。
支持する70%(今回の調査では厭戦気分が高まっているといえる。)
戦争停止の場合の条件は併合された領土返還賛成は34%、反対57%であり、返還を
支持していない。
問題は前線の状況と論じられているウクライナだけでなく、ロシア経済の動向である。双方の状況を見る必要性がある。
①前線は2450キロの長距離にわたり、戦力の兵士と兵器の消耗が非常に大きく
長期にわたる戦争は必然的に国力低下につながる。
②制裁と拡張的財政政策の影響でインフレとルーブル安の負の循環は、国民の資産を蝕む。
*拡張財政政策に相応した需要に対する供給が確保できない。
*制裁に影響されルーブル安が強まり輸入品が上昇しインフレ圧力となる。悪循環である。
*外貨不足により国民のアクセスは限られ資産の目減りが顕著になり、国民の不満が高まる。
長距離の前線はウクライナとロシアが一進一退であり、どの地点を見るかで状況判断が異なってくる。
兵器の近代性が兵器の消耗度と兵士の消耗度に直結し、必ずしも兵士と兵器の量的戦力の差につながらないことを銘記しロシアとウクライナが停戦交渉に臨まないと、停戦交渉も進まないのでしょう。