私は防衛大学校教授の時に、生徒に次のように述べていた。
「偉くなりたいなら、私が教えることは全て忘れた方がいいだろう。下手に覚えて、批判をすれば偉くなれないだろう。ただ次の二つだけ覚えておいた方がいい。一つは出来るだけ多く、人に無償の助けをしてあげなさい。人生って不思議なことに、回りまわって自分が助けられる。次に誰かにプラスのことをするにしても、相手が期待する以上のことをしなさい。期待通りだったらそんなものかになるし、期待以下だったら逆に反発を招く」
 実はこの教訓は私が駐ウズベキスタン大使の時に自覚した。
 私は外務省では、情報調査局(名称は時々変化)の事務官、課長、局長を経ているが、この仕事は誰かと協力して成果を出すというより、個人の努力に負うところが大きい。従ってどうしても「個人主義的」アプローチをとる。
 私が駐ウズベキスタン大使の時、予想に反し日・ウズベキスタン関係が発展した。それは