天皇陛下の即位を披露するパレード「祝賀御列の儀」の警備の仰々しさに驚いた人が多かったのでないか。

 その時護衛のサイドカーは一台3530万円だったという。滅茶苦茶な値段だと思う。

 日本の歴史の伝統で、そのように仰々しい警護をして威嚇するのが伝統だったか。京都御所を見ていただきたい。戦いを生業とする武士の城とは異なる。

 それは奈良時代から続いた伝統だ。

 天皇の警備を高めていったのは、政治利用を行った明治時代からだ。

A-1 孫崎享著『日本国の正体』より。奈良時代に関する部分。

奈良時代の隆盛とコスモポリタニズム

〈奈良が日本の首都であったのは、紀元七一〇年から七八四年までのたったの七四年間。〉

〈短期間に思想・文物が目覚ましい発展を遂げ繁栄し、今なお当時の光明が感じられる。〉

〈奈良の芸術が、日本のどの時代の芸術にも増してさまざまなモチーフ、様式、影響、示唆に富んでいるのは、まさにコスモ